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『都市社会地理学』 第12章 レジュメ

『都市社会地理学』 レジュメ

第12章 居住地移動と近隣変化



■本章の課題
・人々はなぜ都市内で居住地を移動するのか
・居住地の移動にはどのようなパターンがあるのか
・居住地の移動は居住地の構造にどのような影響を与えるか

■はじめに
・複雑であるため居住地構造と居住地移動の関係は十分解明されていない
・人の移動 → 近隣イメージの変化 → 更なる移動を引き起こす
    =住宅機会に対する反応の集合が生態的変化の核心となる

12.1 世帯移動のパターン
大きく分けて以下3つから世帯移動量が影響を受ける
■経済の影響
①経済の景気循環
②社会構造の変化。とりわけ家族構造の変化(世帯の形成・分離・結合)
③住宅市場の長期的構造変化

■居住年数の影響
①居住歴効果により、世帯は居住期間が長くなるほど移動しなくなる(累積的慣性)
②転居経験があると移動性向は強くなる…①と対照である

■住宅地の古さの影響
①急成長する地区には若年層の流入が多く、受け入れる住宅が新築される
②老人はなかなか出ていこうとしないので空き家が生まれない。
   …その結果、新しい住宅地は空き家と新規移動者が高い水準を保つ
   ⇔対照的に、古い住宅地には空き家を生む可能性が低い
→長期定住の高齢居住者が集中 



■移動の二形態
①流入移動
○主体と目的:主に高学歴の中産階級。仕事やキャリアを求めて都市から都市へと移動 
○特徴:新しい都市に落ち着き他所の近隣の社会環境や学校・商店についての知識が増すと一回以上の追加移動(修正移動)をする
②都市内移動
○特徴:比較的短距離の移動が多いが、高所得ほど移動距離大
     発地と着地の経済的地位が同様であることが多い
     居住地セグリゲーションの維持・強化
      
☆空間的視点からまとめると3つの帯区分が得られる
  ①最内帯:低階層流入者の到着により移動率が高い
  ②中間帯:一戸建持家住宅が卓越する地域。住宅ニーズが満たされた世帯で占められているため相対的に安定
  ③最外帯:高層流入者の到着とその後の移動により移動率が高い

■移動の理由
①非自発的移動…住宅取り壊しや立ち退き
②自発的移動…a. 居住空間に対するニーズ(家族のライフコース変化に対応)b. 開発業者による締め出し ← セグリゲーションを強化することに

■移動の決断
○移動しない → 自ら環境改善を推し進めるか、願望の切り下げを行う
○移動する → 住み替えを行う(ニーズ・期待と現実の不一致が原因)
 …移動志向には3つの類型がみられる
 ①家族志向:主に子供のためによい環境を求めて移動
 ②キャリア志向:昇進に不可欠なため移動。ふさわしい一流の近隣地域を選ぶ
 ③消費志向:都市の利益や魅力のため都心に移動
      ↑しかしこれらの類型は中産階級にしか当てはまらない?


■新居探索
以下の3段階を踏む
①空き家を評価する基準の確立
  願望地域を限定(基準は住居の広さ・所有形態・快適性・環境・社会構成)
②基準を満たす住居の探索
  探索空間(一連の形成されたイメージである知覚空間の部分集合)を集中的に探索
 …ここでは3つの問題要素も
1,探索コストの要素  
2,住宅の選択を制限する要素
3,時間の制約の要素
③最終的な新居の選択
 候補から選択する ←しかし著しい不都合がなければどれでも喜んで住む
☆むしろ選択の余地を持たない低所得世帯が多いことを忘れてはならない

12.2 居住地移動と近隣変化
以下、移動と近隣変化のプロセスに関するマクロスケールの一般化について考察する
☆今日では低階層移民より中産階級家族の都市郊外から別の都市郊外への移動の方が多い
 →移民流入の同心円パターンで説明できなくなってきた
 …そこで扇形モデルを考える(高階層世帯の行動が都市居住構造の鍵である-hoyt)

■高階層世帯の移動
①まず工場から離れた望ましい土地を占拠
②都市の成長とともに都心への近接性と郊外生活を両立させるため交通路に沿い拡大
 またセクター的発展がさらに進む

■フィルタリング
高階層世帯の継続的な外向移動の結果、彼らが後にした空き家は中階層世帯が占拠し、中階層世帯が住んでいた住宅は低階層世帯が占拠する =フィルタリング
 …ただし、セクター的要素 > 同心円要素 であるとは必ずしもいえない
 …現実の空家連鎖とフィルタリング・プロセスとの関係は複雑なため捉えきれない


■フィルタリングの不備
☆近隣変化のパターンに関し有効であるが部分的な説明にとどまる
〔要因〕
 ①高所得者世帯の住宅建設が新規世帯の形成や流入世帯の水準に追いつかない
 ②少ない高所得者の空家を相対的に多い階層で分け合うため価格が高水準で維持される
 ③慣性的非経済的行動 ←インナーシティ内の象徴的威信的場所かつエリート近隣残存
 

■感想
研究の主なフィールドが人種・社会階層の比較的多様なアメリカ合衆国内であるため、ここで述べられていること、とりわけセグリゲーション絡みのことが日本育ちの自分にはイメージが湧かなかった。一方、新居選択についてはとても納得する事が多かった。不動産仲介業者が修正移動を行いやすくするために、二度目の移動から仲介料半額制度(契約引越し業者から紹介料で補填)などを行えばヒットするのではないか?と思った。

■論点
・住吉や御影の山手、いわゆる高級住宅地にも数は少ないものの老朽化した低賃金アパートが存在する。これから日本でも格差が拡大していくとするならばそれに伴い地区の分化も進み、これら高級住宅地の老朽化した低賃金アパートは締め出されていくのであろうか。

・日本が移民を受け入れるようになった場合、都市構造は大きく変わるであろうが、どう変わっていくのか。

・近年生じている都心回帰の現象は都市構造にどう影響をもたらしているか。

・関西圏では流入人口が流出人口を下回るようになったが、この事は現在もなお人口流入が続く東京圏の都市構造の変化と差異が生じているのか。

2006-11-17 19:43 : 『都市社会地理学』(06学部ゼミ) : コメント : 0 :
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