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『人文地理学』第5章

第5章 「立地と空間システム」(P.123~151)

 Ⅰ マッピングと分析
1、投影と変換
・地図は人間が直接見ただけでは把握できない地表を人間が視覚で理解できる範囲に縮小し簡単にしたものである
球面である地表上の事象を紙面やコンピューターにマッピング(投影)
・情報をわかりやすくするため意図的に空間を歪めることもある
密度変換・・・集塊パターンの分布作成において密集している範囲を拡大し、反対に点のまばらな領域を縮小することでわかりやすく表現する
・地理学的コミュニケーションシステム(ロビンソン、ぺチュニック)
作図者と読図者による情報解釈の誤差を現象させる
⇒読図者から地理学者へのフィードバックが必要

2、空間データと分布の測定
・ 計量革命
→地図を統計的、数理的手法によって分析され数値やデータに置き換えるようになる
集められたデータは図5-2のような地理的データ行列と呼ばれる形式に整理される
・地理学では地理データ行列に見られる地理的特性を点、線、面といった幾何学的要素によって構成される空間パターンととらえ、統計的に分析することとなっている
例 最近隣測度法(点による分析
最近隣測度法とは観察する分布パターンが集塊パターン、拡散型パターン、ランダム型パターンのどのパターンに類似しているのか識別する手段
    集塊パターン    ランダム型パターン   拡散型イコール
     R<1        Rが1に近い      R>1
他にはグラフ理論を応用したネットワーク分析の手法による交通網分析などがある




Ⅱ 空間的モデルシステム
   
1、経済活動の空間システム
「ある事物ないし事象がどこに立地しているか、
またその立地は他の立地といかなる関係にあるのか」
→これは地理学における最も基本的な関心
・つまり 地表には何らかの立地上の秩序、パターンが観察されるという認識である
  これは「人々は経済的に合理的に振る舞う」という経済学の人間行動に基づく
例 第一次産業の立地は空間的分布に依存する度合いが高い 
  第二、第三の産業は経済的・社会的要因が企業の立地を決定する

2、農業的土地利用モデル
フォン・チューネン 同心円的土地利用
市場に近い環における作物: 需要は多い 輸送費が高い 腐敗しやすく鮮度要求される
外側の環: 需要は少ない 低コストで運べる 腐敗しにくい
 そしてより遠い位置に家畜の遊牧などの土地利用が見られる
・なぜこのようなパターンができるのか
図5-6
    L=Y(P-C)-YDF     L:地代(収益) Y:産出量 P:市場価格 
C:生産費 D:市場までの距離 F:運賃率
この中で輸送費(YDF)だけが唯一の変数となる
よって右下がりの傾きになる
図5-6の場合、この二つの直線が交わる点を境界として二つの作物を作ることがもっとも収益があると考えることができる

3、工業立地の原理
 ウェーバー 最小費用モデル
工業を立地するにあたって、最適立地を輸送費、労働費、集積効果の3つの基本的な立地要素の条件によって求めている
→この三の中で輸送費こそが立地を決定する主要な要因であると主張する
最適な立地 ⇒原料産地から原料を工場まで輸送する費用と、製品を工場から市場へ
輸送する費用の合計が最小となる地点
図5-7 立地の三角形
 S1とS2は市場Mで消費される原料2つの供給地
輸送費が一番低くなるのは原料の加工と生産の製品の流通に含まれる重量距離の合計が最小となる地点である(三角形の内部にあるのはわかっていることである)
 ※基本的仮定が設けられる P135(1)~(5)
図5-8 力学モデルのアナロジー
 原料指向
製造の過程で重量減少 ⇒ 工場の立地が原料供給地へ近づく
 鉄鋼業やセメント業にみられる
 市場指向
製造の過程で重量増加 ⇒ 工場の立地が市場へと近づく
 清涼飲料水製造業などにみられる

・労働費の違いによって異なる
重量や距離の条件で輸送費が高くなる立地であってもより安いかより効率的な労働力の供給があれば工業立地の場所として魅力的になる
 →最適な立地は輸送費と労働費の合計の最小地点

ハイテク産業の立地傾向
・ハイテク産業やポスト工業生産の空間的立地パターンは先のみたウェーバーの工業立地の理論モデルでは十分に説明できない
ハイテク産業の立地の重要な条件としてはP138の①~⑤が挙げられる
・集積の効果も重要な立地条件となっている
ハイテク産業が集積しているエリアには新規参入を生むことになり集積することとなる
しかし、ハイテク産業の中には集積しない方が労働費問題などで収益が多い産業もある
→ハイテク産業の立地には一見相反されるようにみえる集中化と分散化が同時におこる状況も考えられその結果、複雑な立地パターンが生み出される

4、都市群の空間システム
・第三次産業においては小規模、または大規模の都市に集中して立地する傾向がある
クリスタラー 中心地理論
財やサービスの供給の中心となる場所を中心地と呼ぶ
その中心地から財やサービスの届かない場所に新たな町形成される
→財やサービスを需要する空間は互いに競合しない補完地域(または市場地域)に分割されそれらの地域では独占して販売を行うことが可能になる
中心地を中心にもつ補完地域は六角形の市場地域を形成し図5-9のような結果になる
順位規模法則・・・先進国では都市の分布の階層性がその順位と規模との間に一定の規則
がある                   図5-10
これらの都市はどの都市に注目しても相似している(自己相似性、ベキ法則)
⇔発展途上国のプライメイトシティ(2位以下の都市の規模をはるかに超える第1の都市)

複雑系の分野では、都市の分布以外に自然や社会にみられる様々な事象に関して観察されている順位規模法則を生み出す共通の原理やプロセスを解明するために自己組織性あるいは創発といった概念を中心に研究が進められている

5、空間複雑系としての地理現象
・現在の都市構造は複雑
バティ ロングリー 拡散集約モデル
都市の成長が特に都市の外延部を中心におこる
図5-11
 中心から周辺へ樹状に分岐しながら拡大していく
1つのセル(成長のシード、種)が都市化すると今度はその新たに都市化したセルに近いところがより高い確率で都市化する

創発性・・・都市に見られる非連続な質的な変化
比較的小規模な集落や町がそれぞれの成長過程の中で次第により大きなクラスターとして結合され大都市を形成していく仕組みを密度ごとに表したもの  図5-12
 このようにある対象地域の空間パターンがその成長や変化のプロセスの途上で、質的に大きく異なる空間パターンへと非連続的に推移する状況はシステム相転移と呼ばれる
 輸送交通手段が変わるとともに相転移が起こっていた
これからは情報通信手段の発展とともに新しい相転移を向かえるであろう

複雑系の研究で創発性が問題となるときシステムを構成する要素からは予想できない。                     図5-13   セル・オートマン
・各セルには0と1の2択がある 
・近接しているセルが選択している多いほうと同じ選択をする 
初期状態(左の図)では何も起こらないが、わずかなセルを動かしただけで、右の図のような崩れた状態に変わる
 
論点
・プライメイトシティがどうしてできるのか
 図5-9の中心地理論や図5-11の拡張制約凝集モデルを考えると矛盾が生じました
・今後、複雑系をも秩序、パターンを見つけ計量的な方法で解明できるのだろうか
・情報通信手段とともに新しい相転移をむかえるとあるがどういった変化が起こるのだろうか

2007-06-28 20:53 : 『人文地理学』(07学部ゼミ) : コメント : 0 :
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