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『社会を越える社会学』第5章

第5章 時間

【はじめに】
・(前章)諸々の感覚は時間と密接なつながり
→(本章)時間そのものの問題へ
移動=時間性をめぐる問題
社会学の再構成には、時間を中心に据える必要があることを示す
・時間というテーマ・・・単純でない5つの理由
 1)時間は知覚しえない(時間=計測手段? 計測装置=メタファー? etc)
 2)多様な時間が存在(個人独自の時間尺度、「固有時」、文化による差異etc)
 3)時間についての長い論争(絶対的な実体or「継起の秩序」? 時間の不可逆性etc )
 4)時間をめぐる人間の活動の多様性(時間最小化と活動最大化、ゆったりとした時間etc)
 5)社会学者による「社会的時間」、「自然的時間」概念の切り離し(時間の多様性、多重性)
・①社会学的分析+②解釈学や現象学
→居住性、移動にかかわる問題
 →自然と社会の二元論(自然的時間と社会的時間)を乗り越える必要性
・クロック・タイムと新たな時間(瞬間的時間、バーチャルなものとしての時間)

【社会的時間と生きられる時間】
◇社会的時間(⇔自然的時間)
  (デュルケム)
  人間社会における時間は抽象的かつ非人格的
非人格性・・・社会的に組み立てられたもの⇒「社会的時間」
(社会的)時間・・・社会制度、客観的な所与である社会的な思考カテゴリー、
◇クロック・タイム・・・・社会的時間の観念を超えた概念(特徴についてはp.201参照)
 クロック・タイムの有無による社会区分、二つの時間関係(ソローキン、マートン)
 近代社会の編制、近代社会を構成する社会的営為の中心
 抽象的で分割可能(計測可能)な時間計算・・・・時間的な規則性(←近代機械文明の特徴)
・資本主義とのかかわり
〔マルクス〕労働時間の調整と搾取
クロック・タイムによって、仕事が社会的、物理的文脈から切り離される
→時間の商品化。仕事の計測基準、時間による分業組織化
クロック・タイムへの志向性の起源(ウェーバーなど)
・・・・①時間管理システム―怠惰の禁止
②プロテスタンティズムの倫理(ウェーバー)――時間の節約&活動の最大化
 ・貨幣=時間
 「時は金なり」(ベンジャミン・フランクリン)←時間の蓄積、交換、分担可能性
  人間活動に対する制約性・・・・貨幣より強固
  ⇒時間が貨幣のようであるというより、貨幣が時間
  貨幣による時間の支配・・・社会的不平等と時間を取り巻く不平等な社会関係
 ・クロック・タイムの出現・・・・16c~18c(←見本市、定期市、教会暦)
  家庭における時計所有増加、時間割による学校教育、労働日と賃金率の計算、「時間厳守」
  社会的活動からの「脱埋め込み」
 ・身体的旅行に関する欲望の高まりと手段増大
  大都市の複雑な社会形態と長距離旅行にクロック・タイムが必要不可欠(効率性、無駄排除)
  旅行距離の拡大(都市間)・・・・クロック・タイムの標準化を促す
   1930年代、馬車の時代(都市ごとに違う時間)
→1940年代、鉄道発達(鉄道による時間と空間の圧縮)
   1847年、グリニッジ標準時間の採用(英国内)
   1884年、グリニッジ標準時間、世界基準に。
 ・「近代の時間(モダンタイムス)」に適ったメタファー
・「カイロス的時間(生きられる時間)⇒クロック・タイム」
 ・〔ルフェーブル〕・・・・時間=資源。消費、活用、蕩尽されるものとなる。
プレモダン社会 ― 生きられる時間が空間に刻まれる
  近代社会 ― 生きられる時間が姿を消す、計測の手段と化す。「社会によって殺される」
◇時間哲学 ~A系列とB系列~
B系列・・・・「前後」、アリストテレス的な時間観念。各々の出来事が独立。
     時間=均質な瞬間の無限の継起
A系列・・・・「過去-現在-未来」、アウグスティヌス的な時間観念。
各々の出来事の持続性(瞬間でない) ― 過去性・現在性・未来性
     時間=文脈に依存
 ・〔ジョージ・ハーバート・ミート〕
  「経時」の観点。創発(未来への意識と指向)的な現在の中で再構築される過去。
 ・〔ハイデッガー〕
  人間存在論と時間の存在論・・・時間性のなかの人間存在。誕生と死の必然的な結びつき。
・時間分析と空間分析の統合
  〔ベルクソン〕
   時間(B系列)と持続の区別。生きられる持続=真の「時間」=生成の時間
   現在において創り出される過去と未来。時間≠空間的
  〔アルバックス〕
   集合的記憶、社会制度などによる現在における過去の蓄積
  〔ギュルヴィッチ〕
   複数的な時間。①「爆発的な時間」・・・不連続性・不確定性。「瞬間的な時間」
          ②「永続的な時間」・・・長い持続の時間。生態学的なるものの時間。
  〔バシュラール〕
   空間の質的概念の時間概念をなかに統合。
   1)「反響」によるイメージ経験。「音波」のメタファー。主体と客体間の無媒介性
   2)家=親密性のメタファー・記憶の維持、形成に関わる役割。「住まう」
   3)記憶の時間性の空間化。記憶のもつ概念=身体化されたもの
     生きられる空間なしには生きられる持続の時間もありえない。

【自然の時間と社会の時間】・・・・・物理科学への注目
・クロック・タイム・・・・人間の創造物but自然的時間の決定的特性
           自然科学における不適当な時間概念 - ニュートン的/デカルト的
  ニュートン的・・・絶対時間(不変、分割可能、空間)の概念/デカルト的・・・二元論の前提
・20世紀の科学の発展→自然的時間の理解一変
 アインシュタイン、量子論(因果の不適応性)、時間生物学者(自然の周期性)
 熱力学(A系列。エネルギー変換の不可逆性)
◇カオスと複雑性について
・決定論的カオス・・・・全体としての系の特性の動態的な生成と非線形的な変化
          時間=極めて不連続、数多くの非平衡状態
          決定論的規則により予測のつかない、パタン化された結果が生まれる
          ex)バタフライ効果
・複雑系の特徴・・・・発生源から、時間的、空間的に離れたところで起こる反直感的結果
 (複雑系の特徴については、p.216-p.217参照)
・ストレンジ・アトラクタ・・・・全体的な無秩序におけるある種のパタン化を創発
  ex)フラクタル・パタン
・複雑系の理論・・・・系を散逸構造として分析
 散逸構造・・・・非線形性、時間の流れ、系と環境の未分離、新たな秩序をオートポイエーシス的に再創発する能力
・社会科学において複雑系を導入
『量子的社会』(ゾーハー、マーシャル)
・・・・かつての確実性の世界の崩壊→奇妙な法則からなる不確定な世界
波動/粒子の作用と社会生活の創発的性格の類似性
・(本書)「創発的な全体」を生み出すグローバルな波動
+「空間的、時間的に定位された計測可能」な人間と社会集団の存在
・複雑性とネットワーク
 ネットワーク・・・・「複雑性をもつ混沌とした力を引き出す」。多様性が集まって一貫性を保つ。
 自己生産的なオートポイエーシス・システム概念―ワールド・ワイド・ウェブの分析
◇新しい社会学における時間の捉え方
・・・・社会生活における移動と時間の理解にとって生産的なメタファー、機械的で線形性と対照性をもつクロック・タイムの観念の代わりのメタファーを生み出せるかどうか
   →(本書では)2つのメタファー
・・・①氷河の時間(散逸構造に対応した時間観念→第六章)
②瞬間的時間(予測のつかない変化と量子的同時性を特徴とした時間→次節)
【瞬間的時間】
◇時間の社会科学におけるメタファー
  プレモダン社会 ―― 動物のメタファー、農作業のメタファー
  近代社会 ――時計、機械装置、写真用レンズのメタファー
  ポストモダン社会 ―― ホログラム
   ホログラフィー・・・・非連続性、固体-全体の関係、複雑性
   ⇔写真用レンズのメタファー・・・・連続性、部分と全体の区別、ある程度の長さの過程
◇ハーヴェイ
 時間、空間、テクノロジーの変化→瞬間的時間の理論的かつ実質的な根拠
資本主義と「時間-空間の再編成」
 「フォーディズム」→「ポスト・フォーディズム」フレキシブルな蓄積への移行
            ・・・・空間的回避/固定化と、時間と空間の新しい表象
              「時間-空間の圧縮」(⇒身体の移動性と関係、感情構造の変質)
 社会生活の加速化・・・・回転時間の加速、変化のペース増大、流行など
 場所の重要性・・・・時間的、空間的障壁がなくなっても、場所に対する感覚はさらに鋭敏化。
          →場所の差異化への誘因
◇瞬間的時間(瞬間的時間の特徴についてはp.227-p.228参照)
アトムからビットへシフト
情報入手・・・瞬間的、同時的
 〈特徴〉
 ①人間の意識を超える、短い瞬間を基底におくテクノロジー
 ②クロック・タイム(線形的論理)に代わる、社会的・技術的関係の同時的性格
 ③短期的、断片的な時間のもつ幅広い意味を表すメタファー(・・・さらに見ると)
   →1)コラージュの効果(報道ニュース― 時間的、空間的に混然としたコラージュ)
    2)「遠くの出来事による日々の意識への侵入」
・ 時間-空間の圧縮、グローバルな現在、瞬間的な偏在
・リスク(社会)意思決定の責任を負う人たち
・三分間文化-瞬間的時間観念「ビデオ・タイム」、新たな認知能力(即時的対応)
・未来と拡張した現在との融解・・・未来を即時的に、短く捉える。時間割。
    3)個々人の時間-空間の非同期化
 かつての「東欧」における重要性・・・・革命の契機

【結び】
第6章:「西側」における帰属と旅行の形式に対する瞬間的時間の影響について検討
    さまざまな形式の住まい、クロック・タイム、「氷河」の時間など
第7章:国家規制、調整と対照的な新たな世界秩序におけるシチズンシップに対しての瞬間的時間の持つ意味
第8章:複数性の観念の意味について検討

【論点など】
・カイロス的時間は残っているのではないか。
・「無駄な時間」をなくすことをほぼ実現したことによって、現代の人々は何をしているのだろうか。
・瞬間的、同時的に情報を得られるような今日において、活字メディア(新聞)の役割はどのようなものになるのだろうか、あるいは変わってきたのだろうか?
・時間にまつわる言い回し、ことわざ(国、地域による違いはある?)

2007-07-06 15:10 : 『社会を越える社会学』(07前期・院ゼミ) : コメント : 0 :
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