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『人文地理学』第9章

第9章「世界の中の地域」・「地域の中の世界」 (1)

 分業と集積

1 空間分業の構造
1 新しい「地域と都市の地理学」をめざして
都市化現象→人間の諸活動に影響 その根底にあるのは「経済の仕組」
前章のハーヴィーの都市論→運動法則としての資本論理を明確化
疑問:経済の変化も、地域や都市の有様には複雑で違いがあるのでは?個々の地域や都市の違いはどのように生まれるのか?
このような疑問を前提に新しい地域や都市を見る眼が生まれる→地域地理学
1980年代以降 多くの産業都市が衰退し、情報技術などの新しい産業群が台頭
[このような変化についての二つの説明]
① 資本主義的生産様式が高度化し、世界的に新たな展開へ→個々の地域や都市の現状は全体的な経済の仕組が不徹底になっている結果(ハーヴィー)
② 地域や都市の繁栄・衰退→自由競争の結果・市場による資源配分の結果・経済主体間の競争の結果(「新自由主義」経済 サッチャー・レーガン)

2 マッシーの「空間的分業論」
ドリーン・マッシー:資本の運動法則や自由競争では説明できない都市や地域の動きを新しい視点から分析 『空間的分業:社会構造と生産の地理学』
マッシー→経済やそれを支える社会関係といった「社会的なもの」と、都市や地域といった「空間的なもの」とは互いに関連しているだけでなく相互に規定しあうもの
「社会的なもの」…労働の有り方・階級関係・政治的緊張関係・人種差・ジェンダー等
「分業」→生産力増大のための技術的要因and階層的管理や下請け制度などを生み出す
このような労働における社会的関係と「空間的なもの」は必然的な関係→「生産の空間的構造」は同時に「生産の社会的構造」でもある。
1980年代以降の都市・地域の現状は「空間的分業」と「社会的分業」を同時に分析する理論枠組でなければ本質は明らかにすることはできない。

3 分業の空間構造の類型
3タイプの空間構造類型モデル…地域的差異や産業間差異が生まれるメカニズムを分析するため(マッシー)

①「自己完結型企業・地域」モデル…産業革命初期段階でランカシャーやヨークシャーの各地に立地
②「複数同形工場型」モデル…工場のコピーである「クローン」型が存在・本社機能により労働力や仕事に関する多様性が生まれる。
③「部分特化工程型」モデル…本社機能が複雑・異なる労働力や異なる社会的関係
重要な点:地域内分業が深化するだけでなく、地域間や国際間で空間的分業が発展する。

4 空間的分業の構造転換と地域問題
マッシー→同一地域内でも産業ごとに空間的分業や社会的分業の形態は異なり、同一産業の場合も、地域や企業によって、その形態には相違が見られる。
空間的分業の深化・①→②→③への急速な移行→不均等な発展・経済的繁栄の偏在
空間的分業と社会的分業の間の関係→女性労働力やジェンダー、人種の問題
地域間・性差間・人種間の不均等性とその結果である「地域問題」の解消策は?
マッシー→「全体の中での場所・地域の意味」を問うことが必要。空間的事象は、社会的関係が空間的に組織され、もたらされるものである。
マッシーの空間的分業論→産業・都市集積の現代的意味を問うものでもある。

2 集積と都「新産業空間」
1 「規模の経済性」(大量生産方式)と「収益の利益」
産業革命以降の生産力の飛躍的増大と工業社会・都市化社会の社会的関係の進展の要因…分業の深化・技術革新・大量生産方式と呼ばれる「規模の経済性」・企業や産業が地域的に集中して立地することによる「外部経済性」
「経済性」…費用の節約 exフォード主義
「外部性」…①工場の多数立地による労働力の流動 ②工場の多数立地により、分業が進行し廉価高質な部品が入手できる。 ③工場の多数立地により、技術革新などが模倣されるようになる。(アルフレッド・マーシャル)
こうした経済的利益…「集積の利益」
近くにいることで得られる利益(プラスの面で)…「外部経済性」
マイナスの経済的不利益…「外部不経済性」 ex公害・交通渋滞
都市・地域の経済の拡大を促す要因である「規模の経済性」や「集積の利益」にも変化があり、都市や地域に影響している。

2 「フォード主義の終焉」と伸縮的専業化
①「規模の経済性」…大量生産方式→伸縮的専業化・多品種少量生産方式
前者…単能工 後者…多能工
②多能工…「職人的」専門技術が必要。
③汎用機械が効率的である。
④中小企業が中心。

3 「新産業空間」
アレン・J・スコット…『新産業空間:北米と西欧における伸縮的生産組織と地域開発』
①中部イタリアの「第3のイタリア」②フランスの「科学都市」地域③アメリカの「シリコンヴァレー」→「新産業空間」
先進的技術の開発と応用の地域的成長の核…テクノポール
スコットの「新産業空間論」…地域的「不平等」発展の対処策を示唆 ex日本の「テクノポリス構想」

3 現代産業集積の諸類型
1 集中と集積
空間的集中と産業集積は密接に関連しているが、別の事象である。
空間的な近接性だけでは産業集積を生み出せない。
産業集積の実態を捉えるには…企業がその地域内でどのような相互関係にあるのか・地域外の企業とどう繋がっているのか・住人や地方自治体とどのような関係にあるのか 

2 企業活動調査による地域の把握
アン・マークセンの分析枠組…①生産要素の供給者側②顧客③競合他社④関連業界団体
マークセンの分析枠組…マイケル・E・ポーターの「競争優位のモデル」を踏襲。

3 マークセンによる集積の諸類型
マークセンは企業実態調査を実施し、モデルを検証。
p253の6つの点から調査し、産業集積を4つの類型に分類した。
①「マーシャル型」
②「ハブとスポーク型」…「企業城下町」ex豊田市(自動車工業)日立市(電気機械工業)
③「衛星基盤型」
④「国家下支え型」…政府などの公共部門との間で受注する下請け企業・関連団体 ex筑波学園都市の国立研究所群の集中的移転

4 地域を越える「地域政策」の必要性

マークセン→①地域外・国外における立地や集積との関連性が重要であり、その動向を捉えなければ、地域開発政策の成功はない。②既成の集積域を越えて形成されている、企業の間や企業の諸制度の間の根深い繋がりについて新たな視点から深めなければならない。

2007-11-22 17:10 : 『人文地理学』(07学部ゼミ) : コメント : 0 :
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