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『人文地理学』第10章(後半)

第10章「世界の中の地域」・「地域の中の世界」(2)
グローバルとローカル

(後半)

3.グローバル競争とローカルクラスター

1.グローバル化と産業の空洞化
経済活動のグローバル化により国境を越える空間的分業はより一層進む。
製造業を中心とした都市は工場が移転し、人口が減少し、競争力を失い衰退に向かう。
産業の空洞化
問:もしグローバル化が不可避なものであるとするなら、産業の空洞化は不可避なのか?
・マイケル・ポーター
価値連鎖の中で同じ製品をより低コストで生産することができれば価格競争力が増大し、市場において競争優位性を獲得することが出来る。
情報通信技術、高速交通技術により空間的に分散する生産システムを効率よく統合して
サービスリンクスに関わるコストの大幅な低減。
→しかし、コストの削減だけが製品価値を高める唯一の方法ではない。
新製品開発・独自のブランドやイメージ作り・新たな販売サービスの構築
これらも価値連鎖における付加価値の増大グローバル化は企業活動における価値連鎖全体の革新を促す。つまり生産要素の削減を中心とするものから、革新(inovation)を必要とするものへビジネスモデルの転換。

2.グローバル化時代の競争優位性と「ダイヤモンド・モデル」
このビジネスモデルの転換の革新にあるものは、長期にわたり製品開発や生産方式に革新を生み出し、結果企業のグローバルで長期的な競争優位性をいかに構築するか。
企業は革新を継続的に生み出せるよう、技術と組織を再編していかなければならない。
グローバル化の中における企業の優位性を決定する4つの要因
ダイヤモンドモデル
企業にとって、長期にわたる持続的な競争優位性を確立するためには、ダイヤモンドモデルを構成する要因の全てをバランスよく組織化していくことが必要である。

3.マイケルポーターの産業クラスター論
クラスターとは
…特定分野における関連産業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属する企業、関連機関が地理的に集中し、競争しつつ同時に協力している状態中部イタリアにおける製靴とファッションクラスター
カリフォルニアにおけるワインクラスター
ボストン周辺における医薬医療品関連産業クラスター
競争と協力を通じて、クラスター全体として革新や新規企業の起業を促進し、結果として個々の企業はクラスターのもたらす外部性の利益により競争優位性を高める。
グローバル化の進展によって企業活動が空間的に細分化されることで、産業集積が空洞化の危機に瀕するとは限らず、むしろクラスターとして見直され再編されることが重要。
4.グローバルにおける「立地の逆説」
立地の逆説…グローバル経済において持続的な競争優位を得るには、多くの場合非常に ローカルな要素、つまり専門家の進んだスキルや知識、各種機関、競合企業 関連ビジネス、などが一つの国や地域に集中してなければいけない。
ポーターは立地を、個別的な空間上の点ではなく、波及効果や相乗効果を促す、場や地域的基盤として捉え、そうした場や基盤における相互作用全体をクラスターと呼んでいる。
立地の逆説を明らかにすることで、グローバル化時代における地域的な産業集積やローカルなクラスターのもっている役割の重要性を指摘し、グローバル化の時代であるからこそ、逆にローカルな地域においての競争協力関係の再編が重要な課題となる。

4.「グローバル」と「ローカル」:ローカルについてのグローバル感覚 1.ギデンズの「構造化理論」における「地域」
二元論的対立
・多くの社会諸科学の分野において、全体的な構造やシステムの働きを解明することでその中に人間を位置づけるという、構造論的な立場
・自由な意思を持つ行動主体としての人間を解明することで、社会や文化、制度といった全体的枠組の姿を明らかにすると言う人間主体論的な立場
・アンソニー・ギデンズ
社会の構造とは、それ自体として存在するものではなく、人間の自由意志や行動の中に暗示されてい包含されているものであって、そのような人間の相互作用や関係を汲み取り、構成する場合においてのみ現存するものとなるのである。
→この二元論を克服した総合化の試みが人文地理学における概念に変化を与える。
2.地域の再定義:ロカールな視点
ロカールとは、人々によって日常的に体験され意味づけられている時空間の一部。 そして、ロカールはいわばローカルでもあり同時に非ローカルでもある。ロカールのロカールの概念は「ローカル」な視点に対して「非ローカル」なものへの注視を促すと同時に「非ローカル」な視点に対しても「ローカル」な存在への関心を呼び覚ます。

3.モザイクとしての地域を越えて
グローバル化の進展は、地域の概念そのものがもっているこの二重性を顕在化させ、全体と個が相互の規定しあう関係を明らかにさせているといえる。
それゆえに、地域は「世界の中の地域」としてと同時に「地域の中の世界」としても理解されなければならない。

人文地理学は、科学技術の進歩や経済社会のグローバル化、さらには地球環境問題への関心の高まりの中で、時間と空間のよりダイナミックな枠組みの下、新たな始まりの時期を迎えようとしている。

2007-11-28 17:32 : 『人文地理学』(07学部ゼミ) : コメント : 0 :
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