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『人文地理学』第12章(前半)

第12章 グローバル化の世界における「国民国家」(前半)

1 近代国民国家と人文地理学
<1−1 近代国家の形成とウェストファリア体制>
☆幕末&維新の開国政策による日本の近代化
・福澤諭吉       /鎖国・封建主義 ⇒ 欧米列強との比肩+日本の独立
! 理解すべきは西洋文明を生み出す力そのもの
「西洋事情」  …二度の外遊による見聞をもとに諸外国の歴史、政治・財政・軍事などの海外事情を紹介したもの。
「西洋旅案内」 …外国における商取引、航海、通商、貿易、会社経営等の実情を述べたもの。
「世界国尽」  …子供や女性に世界の形勢を理解させるために書かれたもの。
「文明論之概略」…新たな日本の課題は文明化であるとし、文明―野蛮―半開という相対的対比によって論じたもの。文明的社会の政治体制の問題や文明化へと至る歴史的動因について論じ、いかなる分野でも権力偏重に陥る日本の文明を批判して、日本の真の目的である独立に立ちふさがる外国問題までを考察している。
※「前章に事物の軽重・是非は相対したる語なりと言えり。されば文明開化の字もまた相対したるものなり。今世界の文明を論ずるに、…を最上の文明国となし、…をもって半開の国と称し、…等を目して野蛮の国と言い、この名称をもって世界の通論となし、…文明の齢と言うも可なり。」
※「日本には政府ありて国民(ネーション)なし」
→福澤にとっての西洋文明=科学的・合理的精神

・国家を基本単位とする世界の理解≠普遍的  始まりはいつ?
1648年  ウェストファリア条約
…国家主権の対外的な自由独立
内政不干渉(宗教的迫害の禁止≠個人的信仰の自由)
              など
         ▽
     

     ▽
1789年~ フランス革命 ナポレオン法典
近代国民国家の成立…3要素(国土、国民、国家主権)をもつ政治的共同体
! 国家主権≠国民主権。19世紀の西欧諸国は共和制であると君主制であるとを問わず国家主義的ナショナリズムに支えられた帝国主義的対外膨張と利権獲得の動きだった。

<1−2 国家とナショナリズム>
☆nationalism    = 国家主義 民族主義 国粋主義
modern nation state = 近代国民国家 近代民族国家

・対外主権を維持する国家…内部に多様な民族(=社会慣習や文化、言語、宗教などにおいて同じ価値や規範を共有する人間の集団)
            ※フランス nation/近代市民社会の普遍的な諸理念を共有する個人によって構成される共同体
ドイツ  nation/固有の言語や歴史、文化を共有する共同体する個人によって構成される共同体
             ▽
国民化政策の必要

<1−3 民族自決の原則と新たな国際秩序>
1917年 「平和に関する布告」…第一次世界大戦の全交戦国に対し無賠償・無併合・民族自決に基づく即時講和を提案したもの。
1918年 「14カ条の原則」 …「勝利なき平和」演説で提唱されたもの。
・秘密外交の禁止
・海洋の自由
・軍備縮小
・住民利益を考慮した植民問題の公正な解決
・ヨーロッパ諸国民の民族自決
・国際平和機構の設立
・関税障壁の撤廃 
・戦争による領土獲得の禁止 etc
※現在、約200の独立地域…圧倒的な多民族国家
<1−4 国家の戦略と人文地理学:地政学>
☆イギリス・フランスの地理学研究≒植民地経営、支配の一環
ex)インド(英)マグレブ地方(仏)朝鮮(日)など
           ▽
・人文地理学 → 政治地理学 → 地政学
! 用法の多義性 「地政学的リスク」(ジャーナリスム、メディア)
=意味はほぼ不明確。W.W.Ⅱ時のドイツへ影響した「地政学」との関連を明確にせず使うのは危険。
「…『この仰々しくも魅惑的な』語を無批判に使用することはいたずらに混乱を招くだけである。」text 317p

 フリードリッヒ・ラッツェル/「政治地理学」1897年
『生存空間』=生物と同じように成長する組織体である国家が生存するために必要な一定の領域
※「国境は国家の同化力の境界線であり、成長力のある国家の国境は拡大する。その拡大を阻止する力に出会うと戦争になる。…領土を吸収併合しようとする傾向は国から国へ伝染し、増幅される。…地球という小惑星にはひとつの大国しか存立する余地はない。」
      ▽
ルドルフ・チェーレン   /国家=肉体(領土)+精神(国民)
・国家生存のために必要なもの ①力 ②法
               ・海洋国家による支配 ⇒ 大陸国家による支配
               ・国家は自給自足をするために土地・資源を得る権利をもつ
      ▽
カール・ハウスホーファー /「地理学雑誌」1924年
国家は有機体であり、国家が自然の原理により発展するためには領土的拡大が不可避。文明的優位にある国家が劣位にある領土を併合・収奪してもよい。
               『生存圏』=国力に応じたエネルギーを得るために必要な領                        
                     域。

※できる限り曖昧性を排除し、定義と使用に注意
<1-5 マッキンダーとボウマン>
ハロルド・マッキンダー /「歴史における地理的軸」軸域―縁域の仮説
ハートランド理論
※世界史的観点から見たグローバル戦略の視点

ニコラス・スパイクマン / リムランド理論
     ▽
イザイア・ボウマン   / 法則の追求と法則に基づく予測は「科学の尺度」
政治地理学     =不偏不党の中立的学問、科学
⇔地理政治学(地政学)=イデオロギー ≠科学
※地理学者として国家戦略策定に携わる。
ex)スティムソンのルール国際管理案に賛同、具体案を提案 
①この地域に対するドイツの主権を残す
②ソ連を含む大きな同盟によって代表される国際的な信託グループを持つ
③そのグループが生産をコントロールし,全ヨーロッパの復興のために製品の分配を方向付ける
cf)ボウマンの功罪についてはニール・スミス著「アメリカ合衆国:ローズベルトの地理学者とグローバリゼーションへの序曲」を参照

2 国家の機能と地理学的問題
☆近代的合理性&科学技術の発展 → 近代国家の成立
※国家の維持運営における宗教的権力の排除=政教分離
    ▽
秩序 宗教的権威 → 法の支配

<2−1 司法:領域性と司法管轄権>
☆国家主権の及ぶ地理的範囲 
・国家主権 対外主権=対外的に独立しており、自由でいる権利
対内主権=国家の領域内にて法の遵守を強制しうる法的権限
jurisdictionを表す。
※法域   =法の遵守を強制しうる領域
※司法管轄権=国家全域に及ぶ法的強制力の最終的根拠
ex)合衆国憲法と各州法
 ! 国内法の域外適用
    ex)トランスナショナル企業の価格カルテル
       ※領土拡大≠法域拡大

<2−2 立法:代議制と選挙の政治地理学>
☆選挙と地理学
ex1)326p 図12-4 小選挙区制と選挙区割
 ex2)ゲリマンダリング
   

<2−3 行政:規制と再配分>
☆政府=立法府が決定した政策(法律)を執行する機関
・規制  
・再配分 ①所得階層間格差への対応 
        ②地域間経済格差への対応 
(政策科学としての人文地理学 → 13章)
<2−4 国家の象徴と国民の統合>
☆国家の役割≠国家の基本的3権能の機能的な分業
   ▽
国民化政策 いかにして国家に対し忠誠を誓わせ、帰順させるか
       ex)日本の場合
文部省唱歌、国定教科書をもとに共通のシンボル、共通の基盤を醸成。
          ※「故郷」の唱…不変の自然と家族的紐帯をリンクさせ、同心円的延長上に家父長的国家を位置づける。
→トポスの創造者、管理者としての国家
                         ▼
          明治中期
          ナショナリズムの基盤 = 西洋的合理精神によって見出された日本
;滋賀重昂「日本風景論」1894 → 「富士」「桜」の定着

<論点>
☆328p 義務教育の実施=公共的観点からの規制行為 
      →義務教育実施が規制行為だとすると、何に対するどのような規制か。義務教育のもつ公共性とは?

☆323p 域外的司法管轄権の適用or 法の域外適用
      →立法管轄権=国際法上、一定の場合&一定の条件にて域外適用可。
適用基準 ex)属地主義
  属人主義
  普遍主義
  保護主義 etc

執行管轄権=被行使国の同意があるとき等以外は、域外適用は原則禁止。
! しかし近年、例外的に執行管轄権が認められる場合も。執行管轄権についても域外適用されうる余地があるとするとどのような場合か?その理屈は?

2007-12-13 10:50 : 『人文地理学』(07学部ゼミ) : コメント : 0 :
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