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『人文地理学』第12章(後半)

第12章 グローバル化の世界における「国民国家」 (後半)

3 国家の変容と「権力の新しい地理学」

1.国民国家における権力構造の変化
非国家的行為主体(Non-State Actors)の影響力の増大によって、近代国民国家がもっとも基本的な枠組みにおいて変容してきている

2.「国家」から「市場」へ:規制緩和と民営化
イギリスの国際政治経済学者スーザン・ストレンジ(Susan Strange)
(1)国家の競争優位性が科学技術力や経済力で表わされるようになり、それによって国家の第1の使命である国防や安全保障の考え方が変化した
(2)政府の介入による開発政策や貿易政が大きく後退した
(3)基本的インフラ整備を行う公共事業が民間に委ねられるようになった
(4)伝統的にこれなで政府に課せられていた政策的役割の維持が困難になってきた
(5)社会保障などの経済的セイフティネットを従来どおり維持することが困難になってきた
(6)徴税権が一部では脅かされるようになってきた
(7)国家の領域内において国際的マフィアやテロリストと対峙しなければならなくなった

3.「生産様式」と「発展様式」:工業化から情報化へ
アメリカの社会学者マニュエル・カステル(Manuel Castells)
国家主義が減退して市場主義へと移るというように、生産様式が変化しているのではなく、工業化から情報化へと急速に発展様式が変化している。

4.挟撃される国家:超国家的国際機関と非国家的行為主体
NGO→「下からの」国家機能への影響力の増大
超国家機関→「上からの」主権の制限
 国際関係の枠組みによる緩やかな「統治」(governance)の体系化:体制(regime)
 ※「地域統合」 ex.EU

5.権力に関する「新しい地理学」
〈問〉国家は果たして「退場」を余儀なくされるのか。
①サスキア・サッセン『グローバリゼーションの時代:国家主権のゆくえ』(1996)
グローバル企業の一層のグローバル化のためには国家の後押しが必要であり、例えば自由化や規制緩和、そして民営化などの政策を通して、国家は企業や国民がグローバル化に対応できるような、これまでとは異なった機能や新たな役割を展開していく
→「新しい地理学」
②ロバート・ギルビン『グローバル政治経済』(2001)
自己アイデンティティを巡る政治的動きや民族間の対立が、多くの国民国家の内部において国家的統合ということと衝突するようになっているとこや、また、経済的なグローバル化やトランスナショナルな経済諸力が国家の経済的主権を脅かしていることも事実であるが、依然として、国家が支配的な役割を果たす世界なのであるということに変わりはない。

6.国家と文化:トランスナショナルとハイブリッド
長期的かつ持続的競争優位性を構築するためには、国家的規模の新たな地域・産業開発戦略が必要である。そして、国家が新たなトランスナショナルな分業システムの中で新しい役割を担うためには、時代の要請に適合する、全く新しい文化と教育の仕組みを構築することも重要になる。
→文化的な体験
エドワード・サイード『文化と帝国主義』(1993)
トランスナショナル化によってもたらされる、国家の変容や文化のハイブリッド化について、考察するうえで、人文地理学のはたす役割は大きなものとなっていく。


■論点■
・マニュエル・カステルの論理において、国民国家の権力構造の変化を、工業化から情報化へと発展様式が変化するよって捉えることができるのはなぜか。
・国家が果たすべき役割や責務が「変化」したのではなく、資本主義の成長を後押しするために「スリム化」「特化」しただけではないか。

2007-12-13 22:09 : 『人文地理学』(07学部ゼミ) : コメント : 0 :
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