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『都市社会学』第5章

第5章 コミュニティと福祉 -都市コミュニティと自立的依存関係の構築-



    キーワード:自立的依存、ノーマリゼーション、都市的生活様式

1、閉ざされた地域社会 -もう1つの都市生活

▽都市における孤立化と排除

 「この社会には障害をもつことが罪悪であるかのように思わせる何かがある」

漫画『どんぐりの家』(p.102)

 ☆「障害ある息子の声、隣人には騒音だった」

 ☆「隣に障害施設が建つとき」 

 ⇒障害をもつ人々やその家族は障害をもつがゆえに孤立、排除される

 しかし、排除されるのは障害をもつ人々だけではない

・都市的生活様式の特質 匿名性と異質性

 個人を自由へと解放する都市の特性としてみられてきた

 しかし、もう1つの側面として社会的な孤立化や排除をもたらす

☆「夫婦は寄り添って死んだ…『車内生活』4年」

 ☆「明日から口にするものがない」

 ☆「ホームレス・都と23区の支援施設…自立願うがよその区で」


▽人々を孤立化させる「自立生活規範」

 なぜ、都市における地域生活で孤立化や排除が生じるのか?

 障害をもつことが罪悪であるかのように思わせる何かがあるとはどういう意味か?


A、社会福祉に対するタテマエとホンネの乖離にある

 ・健常者の人々にとって障害の問題は自らの問題として理解しづらい、距離感が大きい 社会福祉を特別な社会的配慮を要する人々にとって大事な制度であるという程度の認識

→この配慮が配慮する側の想定を超えると「甘え」「ぜいたく」と受け止められ非難

A、障害者を自立して自らの力で生きていくことのできない人々として位置づけ、差別化

(伝統的な自立観:経済職業的自活や身辺自立を重視)

・「半人前」:自立が困難な人で社会的配慮を受けている人

自己決定やありのままの生き方は尊重されない  ⇒差別化

・「一人前」:自己決定権をもち、自立している人   

「自立できない」「自立していない」人は社会的にマイナス評価

 →生活保護へのためらいの原因

今日では自己決定権を重視した自立観が自立生活運動などによって提起されてきている

⇒依存を前提とした「自立的依存」

地域社会のなかで福祉サービスの利用を前提とした自立生活を確立していく


2、都市的生活様式と福祉課題への対応

▽都市的生活様式の相対的自立性

 家族:人が社会において生きていくうえでの衣食住を保障する第一義的な場

  人は家族に依存することで社会的な存在となる


・個人や家族だけの力で解決し得ないような福祉的な課題への対応は?

in伝統農村型生活様式

親族や近隣関係を中心とした互酬的関係性のなかで解決

→「共同的生活における共同問題が住民相互の直接的つながりのもとに処理される

(伝統的な相互扶助処理)」

in都市型生活様式

専門的処理機関にゆだね、解決

→「共同生活の共同問題が専門処理される(ことを原則とする生活のあり方が都市的生活様式の特質)」 ◎倉沢進

しかし、都市において専門処理といった福祉サービスの利用は避けられがちである

→障害を「恥じ」と感じさせたり、「罪悪」と感じさせる意識があるため

「一人前」の人間として認められたいため、他者に依存したくない

福祉サービスを利用するということはその者への愛情が不足していると考えるため

⇒福祉サービスの利用は社会的な異質性やマイナスイメージが付与され、サービス利用者の孤独化や削除が行われる条件となるため


▽ノーマリゼーション原理

 ノーマリゼーション(p,109)…「人がどのような権利をもっていても平等の権利と義務のもとに、その人が生活をおくる社会で通常となっている生活形態や生活条件に、可能な限り近いかまったく同じような生活を営むことのできるように支援する必要があるという考え方」

◎B、ニィリエ

「ノーマリゼーションとは障害をもつ人々をノーマルにすることではなく、他の人々と

同じ権利、責任、機会をもつ人としてノーマルな社会に受け入れること」

 ⇒障害をもつ人々を健常者と同化させ社会に受け入れる(同化としてのノーマリゼー

ション)のではなく、障害をもつ人々と健常者は異なるものであるが同じように社会に受け入れること(異化としてのノーマリゼーション)である?

▽コミュニティの組織原理

 コミュニティ形成において、共同や連帯という考え方がときとして排他的な作用をもつ

 →共同体や連帯性という同質性を追及するあまり、異質なものの排除につながる

 ◎能登路雅子

 コミュニティの組織原理には

 ①「他者との絆を求める遠心的原理」→開放性

 ②「差異による自己防衛をはかる求心的原理」→閉鎖性

 ・構成員の置かれた社会的位置によりコミュニティの組織原理は異なる

 社会的弱者 

・限られた地域の中で相互扶助的コミュニティを営む

 社会的モビリティの高い中産階級

 ・目的や価値観を共有するもの同士による人間関係のネットワークとしてのコミュニティを形成し、地域を基盤とするものではない


▽包摂するコミュニティ

 ノーマリゼーションの原理とコミュニティ形成原理の2つの原理からコミュニティの特性を考えると4つのパターンを得る   図5-2(p,110)

 包摂するコミュニティは開放性・異質性を特質とするパターンⅣにあてはまる  


3、排除するコミュニティと包摂するコミュニティ

▽公園デビュー

 公園デビュー…子供の誕生によって初めて地域での関係性をもとうとする母子や転勤などで新たな地域に住むようになった母子が地域での母子ネットワークに参加すること

しかし、匿名性、異質性を特徴とする都市では困難

理由①匿名性が求められるがゆえ、人々の出会いは消極的で関係性を取り結ぶにあたって相手がどんな存在であるかわかりにくい分警戒心も強い

理由②母子ネットワークといった共同体の成立は連帯意識を高め同質性を重視するため、つきあいやすい関係や、暮らし向きや学歴や職歴なども含めた個人属性が似ていることを重視するが、異質性を特徴とする都市では…

→異質なものを排除する排他性につながる  (排除するコミュニティ)


▽イタリア・トリニティの試み

 精神病院を解体    ◎F、バサッリア医師

 現在、精神病にかかっている人々が普通に街の中心部にある店で働いている

 ⇒精神病にかかっている人々が排除されることなく普通に地域社会に

受け入れられている   (包摂するコミュニティ)

4、生活圏域における福祉コミュニティ形成

▽社会的資源としての生活圏福祉コミュニティ

 障害をもつ人たちの存在が見えにくい(震災のような非常時は特に見えにくい)

 →普段から地域の人々との交流を深め、その存在を伝え「見える存在」になること、いざというときには協力が得られる関係をつくりあげることが重要

コミュニティ

・障害をもつ人々にとって安全を保障する役割を担う

・地域ネットワークに参加できない人にとって、地理(物理)的条件により、精神的な安定を提供する場

 (震災により)空間的・物理的意味での近接性の重要性を確認

 社会的弱者(社会への依存のアクセンビリティが限定された、閉ざされた人々)に

とって、福祉コミュニティは生活圏域を前提とすることが条件である

 

自らの生活を維持するのに他者の支援を必要とするのは社会的弱者だけではない

 →社会生活がそもそも他者への依存を前提になりたっている

   図5-3(p,115) 生活領域と自立支援の構造

・自立的依存関係を支持する原理は、①私的領域、②公共領域、③共同領域の3領域の重なりのなかにある

・いずれかの領域への偏りは孤立化や排除を生み出す

→それを防止するための支援の原理となるのが①共助②互助③公助である

これら原理のもとで福祉的な生活課題への対応のための支援ネットワークをいかにコミュニティに確立するかが今日の課題となる

  生活圏福祉コミュニティ

 ・生活圏域における自立的依存関係の基盤としての福祉コミュニティ

 ・包摂するコミュニティ(開放性、異質性)


▽地域社会のアクセス・ポイント

 家族:「私的」な場での生活を外部社会の生活につなぐ役割(インターフェース)をもつ

都市では、家族のもつインターフェース(共有領域)の機能が弱化

 また、かつての地域社会がもっていた複合的・重層的地縁関係に見られたような

地域の中での生活の基盤となるネットワークも弱化 

■論点

Ⅰ、都市において近隣関係が希薄化していると思うのだが、打開策としてのアクセス・ポイントはどのようなものが現在、あるのか?

Ⅱ、同化としてのノーマリゼーションと異化としてのノーマリゼーションについて、と

包摂するコミュニティは日本で可能なのか?

2008-06-05 07:51 : 『都市社会学』(08学部ゼミ) : コメント : 0 :
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