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『空間の生産』 (Ⅱ6-8)

『空間の生産』 (Ⅱ6-8)


「還元」と「還元主義」について(p172-178)

●「還元すること」とは、直接に観察される複雑で混乱した事態をとりあつかうために用いられる科学的手続きである。「還元主義」は、科学の旗の下に科学にしがみつく。(社会、都市、制度、家族)還元されたモデルが組み立てられ、ひとはこのモデルにしがみつく。社会空間は、「科学的」操作によって心的空間に還元される。
還元と還元主義は、国家と権力に奉仕する手段としてあらわれる。国家と政治権力は、いかにして諸矛盾を還元するのか。
● 社会の現実と認識を還元する機能主義が存在していた。この機能的還元があらゆる側面から批判にさらされた。構造主義と形式主義が還元主義な図式を提起した。還元は広い意味をもちうる。様々な集団や階級の人々が、能力・理念・「価値」にかかわる多面的な効果を(可能性・空間など)不均等な形でこうむる。「還元モデル」は還元の実践により組み立てられる。例)都市計画と建築、 労働者階級は、空間モデル、消費モデル「文化」モデルの影響を被る。
● 還元主義は裁断や解釈を用いて知を権力の道具とする。イデオロギーは”認識すること“の可能性を否定するが、「科学」として通用する。還元主義的な態度が認められるためには、方法論から教条主義へと移行すればよい。(科学を装った”均質化する“実践へ移行)
あらゆる科学的方法は還元によっておこなわれなければならない。専門家の選択、開拓は専門分野の領域的条件と位置である。また自分の専門分野の還元に対し、それを正当化する態度をとる。
1. それぞれの専門分野は、”それ自身の“特殊な心的。社会的空間を自分のものとして主張し、恣意的にこの空間をていぎし、「自然・社会」の集合のなかでこの空間を裁断する。
2. 専門家は、空間の中にあるものを名づけ分類する。 例)地理学、人類学、社会学など「空間について」述べ立てる。
3. 専門家たちは“(社会)空間の”総合的な思惟に対し、空間の知についての還元主義的なモデルを対置する。
 架空の人物A(空間と生産を否定)  実在の人物B(自然を尊厳)の対話(p176~177)
A:自然の荒廃の責任は、人間、人間本性にある。B: 責任は資本主義と西洋型人間の本性にある。


「社会空間」について (p178-179)

● あらゆる社会空間は歴史をもつている。歴史家にとって、思惟は時間に仕切りをいれ、時間の流動的な流れを固定させる。歴史家の分析は、時間を断片化し、裁断する。
空間そのものの歴史においては、空間のうえに歴史が刻み込まれる。
空間の諸種の表現の変遷は、歴史とともに歩み、歴史がとつてきた方向を指し示している。


「空間の歴史」について (p180-195)

● 国民とナショナリズムの理念を検討せねばならない。国民を、自然から生じた実体としてとらえる。国民は「実在」をあたえられる。ブルジョアジーは祖国愛を、絶対的ナショナリズムを「自然的」にとりいれる。(マルクス思想も同じである)
● 国民を空間との関係において考察する。国民は二つの契機または条件をもつ。
「市場」と「暴力」である。市場とは、商取引関係と通信ネットワークの複合的な総体である。この総体により地方および全国の市場に従属させられる。国民性は暴力をふくむ。
封建的、ブルジュア的、帝国主義的であれ、軍事国家の暴力である。「自然発生的」な経済成長と暴力の介入の二つの「契機」が相互作用して国民国家の“空間を生産”する。この国民国家の空間が世界市場と、帝国主義、その戦略と、多国籍企業などとどのように結びついているか、検討すべきである。
● 物を生産することは、素材を変形することである。生産物は、生産的労働を忘れさせる。この忘却が物神崇拝を可能にする。物の形態・構造・機能を思惟によって、思惟の中で、再生産される。
「ひと」は「主体」である。「主体」は問いを発し、問題を解こうとする。主体は、生産活動の道を遡りはじめる。
● マルクス、マルクス主義思想と哲学の歴史的動向については、哲学はその焦点を変え「思惟される思惟」から「思惟する思惟」へと、思惟の対象から思惟の行動へと移動する。その結果、新しい「問題圏」、新しい諸困難が生まれる。
● 創造的能力とは、共同体、集合体の能力であり、「当事者」、「行為するもの」の能力である。生産的能力と創造的過程を追究すると、権力にゆきつく。権力は「指令者」と
  「要求者」でもある。それは歴史的な問題である。(都市の、記念物の、風景の問題)
  空間の分析は、このような要求と指令との弁証法的な関係へと導く。指令なしの要求、
  要求なしの指令が存在するとき、<空間の歴史は終わりを>告げるであろう。
  
  そのときは、創造的能力も消え去るであろう。
● われわれは長い空間の歴史にかかわっている。空間は「主体」でも「客体」でもなく、社会的現実、諸関係と諸形態の総和である。空間の歴史は、表象の空間と空間の表象をともに説明しなければならない。
空間の歴史は、「過程」か「構造」、変化か不変性など問題ではない。時間の歴史から切り離せない。時間の歴史は、哲学的理論と区別された歴史である。
空間の歴史の研究は、自然の空間的・時間的リズムからはじまる。
● 空間の歴史は、前史と後史をもつ。前史は自然が社会空間を支配する時期であり、後史は自然が限定され薄らぐ時期である。歴史の始まりは家屋や村落や都市にその痕跡が残る。歴史的過程には抽象的な諸関係、貨幣の使用、商取引などの関係がある。
● 表象の空間、「家屋」や「居住」を考えると、「家屋」は格別の空間として、特殊な、聖なる、宗教的な、絶対的な空間である。バシュラールは、『空間の詩学』『場所愛好性』において諸種の表象の空間を結びつける。彼はこの表象の空間を、科学的認識によって練り上げられた空間の表象から区別する。「住居」と「自我」は一体化している。
バシュラールにとってこの空間は、人間的「空間」とその特質の原型をなす。
● ハイデガーの存在論、かれの<建築する>という概念は<思考する>こと。
  <居住>は<さまよい>に対置される。そして<存在>を迎える宿命にある。この
  存在論は<自然>と密接に結びついている。 かれの思考は、時間のほうが空間よりも重要である。<存在>は歴史をもち、歴史とは<存在の歴史>である。
● 絶対空間にとりつくこのような観念が、歴史的なものを貫いている。(空間の歴史と
歴史の空間、空間の表象と表象の空間を、)

「空間の生産」について

● 空間の生産の原料は“自然それ自身”である。生産物に変形され、粗末に扱われ、今日ではその存在が脅され、破壊され、局限化されつつある自然である。「バウハウス」は空間についての新しい概念を、空間の総合的な概念をもたらした。先進諸国では、
(1920年代)工業化と都市化との、労働の場と居住の場との結びつきが見出された。この「計画」の視点は当時は合理的かつ革命的なものとみなされた。
クロピウス、ル・コルビュジエにとつても、計画とは“空間の生産”となる。
画家、彫刻家、建築家などの芸術家は空間を見せるのではなく、空間を創造するのである。バウハウスの人々は、空間の中の諸物を、互いの関係やその総体を考慮せずに、空間の外で”生産する“ことはできないと理解した。また観察者は、社会空間の中で個々の物―家屋、建造物、宮殿などーを軸にして動き回ることができ、ただ単一の視点からはそれらの物を検討したり吟味はしないことを発見した。

芸術家たちは、空間の中の物から、空間そのものの概念へと移行する。
1. “新しい空間意識“があらわれ、この意識によって空間が(ものの”周囲の環境“が)探求される。
2. “ファサードが消え去る。”観察者の顔をまっすぐに向く顔としての、また芸術作品と記念建造物の重要な側面としてのファサードが消え去る。
3. “総合的空間”が抽象のなかでうちたてられる。この空間はひとの入植を待ちわびる環境である。この空間は商品の映像・記号・財で満ち溢れるようになる。
環境の擬似概念を招き、だれの環境か、何の環境なのかを問いかける。

空間の歴史家は、バウハウスの歴史的な役割を認める。1920年~30年代)、空間と時間に関するあらゆる思考が、壮大な哲学体系をのりこえ、社会的実践と結びつく。空間と時間に関する考察が産業の実践と建築学と都市計画の研究と結びつく。 
   ギデオンは空間の歴史の理論的な対象を深く研究した。ギデオンは、構想した歴史の中心に空間を据えた。歴史の中心にあるものは、建築学の書物、古代ローマのパンテオン、内部と外部の二分法から、彼は社会空間の現実をひっくりかえしている。
  ギリシャの寺院は聖なる空間を囲んでいる。神の空間であり、都市の政治的な中枢で
 ある。彼が想定するのは、ユークリッド空間という既存の空間である。
  この空間哲学に潜む精神主義はギデオン著『永遠の現在』(1964年)にある。

 空間は空虚なもであり、視覚のメッセージによって満たされるものであるという考えは、
ゼブィの思考を縛っている。幾何学的空間を活性化するのは、その空間に住むひとびとの
身ぶりであり行為であると主張する。このことは、建築空間が内部と外部の関係によって
定義されることである。建築空間は、建築家の社会的行為のための道具であると説く。
彼は、“空間は依然として厳密に視覚的ものにとどまり”「視覚化の論理」に従属している
と説く。
 ギデオンやゼブィの著作は、空間の歴史の展開にとつて画期的なものである。

2008-06-13 16:47 : 『空間の生産』(08院ゼミ) : コメント : 0 :
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