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『社会学』12章 

『社会学』12章 ジェンダーとセクシュアリティ



――――私たちが生きる世界には、男がいて、女がいる。何の不思議もない世界。そこに、1970年代以降、本格的に順次登場してきたジェンダーやセクシュアリティの概念は、日常世界の出来事や社会現象を異なる視点から私たちにみせることになった。男が強くて、女が弱いとは本当か。性にまつわる現象は、先天的に備わった自然のものなのか。職業や政治といった公的生活と、家族などの私的生活は、じつはある理由によって分割され、それがたんに性別に割り振られているのではないかという疑問。他方で、ジェンダーの概念が指摘するように社会的に作られた男女の違いという要素があるとしても、最終的には性器に関連した男女の相違はあるだろうという声も根強くある。性にまつわる現象をめぐって、私たちがみているものは本当は何なのだろうか。――――

§1:ジェンダーから切り開かれた問題領域
■ジェンダー理解の登場-その構築性へのまなざし-
・モリゾー・キッコロの性別問題→住民票には男とも女とも記載されず。
・性別調査における難問→当てはまるものに○を付けてください[1.男性 2.女性 3.その他(   )]
【ジェンダー】「男らしさ・女らしさ」は後天的に獲得されたもの
■性現象の認識の深まり-その3局面-
1.セックス(性別)とは異なるものとしてのジェンダーの「発見」
①文化的歴史的に多様な「性別」概念を一つの用語で示すことが出来る
②「男か女か」という二項の問題から、両者の関係性や両者を切断する差異の場面を分析対象とすることができる
③この差異が非対称的な差異、すなわち権力関係を内包していることを確認できる
2.性行為をめぐるセクシュアリティ(sexuality)の概念が提起
「セックスは両脚のあいだに、セクシュアリティは両耳のあいだにある」→性器の問題か、脳の問題か。
異性愛を強制する社会。(ホモセクシャル/ヘテロセクシャル)
3.性同一性障害という現象の浮上。性自認(sexual identity)の問い直し。
生物学的性に性自認を合わせればいいのではない。
身体sex、文化gender、性対象sexuality、心理sexual identityの4次元モデル。 →2の4乗=16パターン(表12-1)
■本質主義と構築主義のアリーナとしての性現象-ジェンダー議論の再設定-
J.バトラー:
1.ジェンダーを後天的なものとする捉え方ことそが、逆にセックスを「生物学的本質」と捉えさせる見方を下支えすることになると批判した。
2.男/女という二分法そのものがジェンダー概念の支配下にあり、つまり「セックスは常に既にジェンダーなのだ」と述べる。
3.「女として生まれるのではなく、女になる」という言い方には、中立的で自然的な「ひと」が存在するような暗黙の想定がある。
→つまり、ジェンダーとは「肉体的差異に意味を付与する知」であり、「構築された“性”と、それを構築する社会」への認識を喚起する必要がある。

【コラム】フェミニズムの諸潮流:第1波フェミニズム、第2波フェミニズム、そして現在。


§2 性によって分割された社会――ジェンダーの側面から
■性別役割分業-公的世界と私的世界-
sexual division of labourの成立における二側面
  公的生活→男性/私的生活→女性(一流の市民、二流の労働者としての扱い)
地域差や歴史的な変化→男性稼ぎ主モデル(male bread-winner model)の崩壊
■職業労働と家事労働
男性は働き続け、女性は「家庭に入る」?
→女性の年齢階層別労働力率の国際比較におけるM字型曲線(Fig.12-1)、
→仕事と家庭の調和の類型化(パートの平等・不平等を縦軸、家族的責任の大小を横軸)
:北欧型、オランダ型(オランダモデル)、アメリカ型、日本型(Fig.12-2)
・アンペイドワーク(unpaid work) またはシャドウワークとしての家事労働、
・女性は有償無償の二重の労働を背負う存在。一方で、父子家庭の存在。
→妻が家事労働のほぼすべてを担う形態を前提とした日本社会において、父子家庭の父親は従来どおりの職業生活を営めない。
【コラム】男性の介護とケア労働者:夫による妻の介護を巡る問題。男性ケアワーカーの問題(雇用、異性介護、職業観)。
1985年男女雇用機会均等法→総合職/一般職の区分が男女差を内包する形に。
→女性の昇進困難、独身就労女性への「負け犬」の呼称、男性並み労働条件の要求、育児休業の取得困難
■性別コースの再生産と変容―学校・兵士―
(1)隠れたカリキュラムとジェンダー・トラック
顕在的カリキュラム/隠れたカリキュラム(無自覚な学び、刷り込み)、ジェンダー・トラック(「女子学生の文学部への追放」P.ブルデュー)
(2)女性と軍事化
女性の兵士化の問題。暴力が非犯罪化される領域としての「戦場」と「家庭」という両極において、女性は暴力行使から排除されてきた。しかし、「母性」は戦争にも平和にも動員される。
【コラム】身体とジェンダー――体型と髪型:ダイエット(女性)と毛髪(男性)への関心。「~ならモテる」という幻想への執着は止まない。

§3 性愛の陰影――セクシュアリティの側面から
■性行為の3要素
子づくりのための性?  生殖達成・愛情表現・快楽追求という、性の3要素。
「恋愛結婚」という形式を社会が発明することで、恋愛の破壊衝動的な側面が飼い慣らされてきた。
→一生に数人しか子どもをつくらないのに、無駄に多くの性行為を重ねる。→生殖以外の目的?
[恋愛→結婚→性行為→生殖]という連結の崩壊。「婚前交渉」という観念の風化。
愛情の有無と性交渉は無関係に。
■多型化する性の欲望
異性愛・同性愛という性愛のかたち。マスターベーションやフェティシズムという性的欲望の発露。
cf.ギリシャ・ローマ時代の少年愛と、キリスト教普及後の迫害。近代医学による「異常性愛」の「病理」化。
→クィア・スタディーズの登場:レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル→非異性愛者の連帯とその内部の細かな差異への関心
性的マイノリティへの社会的許容度の変化と、それに伴ういくつかの論点。

【コラム】カミング・アウト
■性に関わる社会問題
セクシュアル・ハラスメント
ドメスティック・バイオレンス

§4 性と生
■〈性同一性障害〉が提起するもの
性同一性障害、性別適合手術、MtF、FtMの非対称性
■生殖を超えた性
(1)リプロダクティブ・ヘルス&ライツ
(2)高齢期の性愛
【TEXTinTEXT】文学にみる高齢期の性欲、【コラム】男性学を通じた「男性性」の解体。
■男女共同参画社会という方向性
1999年男女共同参画社会基本法、ジェンダー影響評価、ジェンダー・フリーとジェンダー・フリー・バッシング
グローバリズム化におけるネオリベラリズム的なジェンダー政策の進行:弱肉強食の徹底の一方で、伝統的なジェンダー構造を維持する社会に対する厳しい指摘。
★性の多面性は生の多面性につながる。

■論点
 395pの女性兵士の問題について。白兵戦を前提としない現代の「高度科学技術戦争」において、体格的な優劣の違いが無効化しつつあることも考慮する必要がある。現代的な戦争においては、兵士の意味が変容しつつあり、そのことは企業社会の労働現場においても、家庭環境においても、男/女の肉体的差異を要求しないようになりつつある状況を象徴的に表しているのではないか。つまり、高度な科学技術の発展によって人間の概念自体が、何かから何かに変容しつつあるのではないか?という疑問が生まれる【論点1】。

 ダナ・ハラウェイの「サイボーグ宣言」は、まさにそうした議論の線上で謳われたものである。人間が機械のようになるのではなく、人間と機械の区別がないと考えるのである。既に、カタログショッピングと同じように精子バンクで遺伝子を購入することが可能であり、そうした新しい形の生殖は実践されている。そのような時代に生きる私の生物学的性も性的役割も性愛も、私にとっては「部分」でしかなく、私の「全体」や「本質」など、どこにも存在しないようにも思える。そうであるならば、どのような部分と部分の組み合わせが許され、どのような部分を組み合わせることが許されないのか?またそれを許す主体は何であり、それを許す、許さないという権限の源泉は何か?そもそも、そんなものは存在しないのか?【論点2】

2009-01-28 22:29 : 『社会学』(08後期学部ゼミ) : コメント : 0 :
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