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『さまよえる近代』 第2章 レジュメ

『さまよえる近代』
第2章 グローバル文化経済における乖離構造と差異



【同質化と異質化】

・グローバルな相互作用の中心的論題⇒文化の同質化論と異質化論との緊張。

・土着化の力学:メトロポリスの多用な力が新たな社会へ流入するのと少なくとも同じ速度で、その力が土着化される傾向にある。韓国人にとっての日本化やスリランカ人にとってのインド化に代表されるように、相対的に小規模な政治体にとっては、大規模な、とりわけ近接する政治体による文化的併合への恐怖が絶えず存在している。

・グローバル経済⇒複合的で重層的、かつ乖離的な秩序。
        ⇒経済、文化、政治の間には根源的な乖離構造が存在。

・グローバルな文化フローの五つの次元…フロー、すなわち移動がキーワード。これら5つのフローの間系は、パースペクティヴに応じて構築され、また多用な行為者による屈折を受けている。さらには、それぞれの行為者は、ランドスケープ群が宿る決定的な場所であるとさえ言える。

①エスノスケープ:世界を構成する個人のランドスケープ。移動する集団や個人が世界の本質的な特徴をなしており、国家の政治に多大な影響を及ぼしている。
②テクノスケープ:様々なテクノロジーがグローバルに、今まで越えられなかった境界を越えて高速移動しているという事態。
③ファイナンスケープ:グローバル資本が、かつてないスピードで不可測な移動をしているという事態。
④メディアスケープ:情報を生産し配信する電子的能力の配分と、メディアによって創造される世界のイメージ。商品の世界とニュースや政治の世界とが分かち難く混在し、現実と虚構の境界線が曖昧になる。
    ⇒獲得と移動への欲望を導く可能性を持った夢想が構成される。
⑤イデオスケープ:国家や政治に関するイデオロギーを中心とし、主に啓蒙主義的世界観から形成されるイメージ。民主主義を中心に置いているが、変化に富む。知識人のディアスポラにより流動性を増す。

※①、②、③のグローバルな関係は、深層では乖離的で予測不可能である。それぞれのランドスケープは、独自の制約と刺激の影響下にありながら、他のランドスケープでの移動を制約またな媒介する変数として作用しうる。このような乖離構造をさらに屈折させるのが、④及び⑤である。

・グローバルフローの生起要因⇒5つのランドスケープの間に存在する乖離構造の増大。
これらにおけるフローは、速度・規模・容量の点で圧倒的に巨大化したため、乖離構造そのものがグローバル文化の
政治学にとって中心課題となった。

・脱領土化:ガルシア・カンクリーニによれば、「地理的・社会的な領土との『自然な』関係の消失」であり、近代世界の中心的な力。例としては、ヒンズー教徒の移動と文化的再生産が挙げられる。脱領土化の顕著な土地では、資金、商品、ヒトが近代世界のメディアスケープ及びイデオスケープに相当するスケープが砕け散り、断片化されている。

・国民と国家⇒互いを解体しようとする対立が激化。すなわち、現代において国民‐国家の表記におけるハイフンは、乖離構造の指標であるといえる。

・生産フェティシズムと消費フェティシズム
※フェティシズム…物神崇拝。ここでは、ヒトではなくモノに注目すること。

⇒生産フェティシズム:現代のトランスナショナルな生産立地が創出する幻想。
生産それ自体がフェティッシュとなり、生産関係が覆い隠される。ローカリティは、生産プロセスを駆動している、グローバルに拡散した力を包み隠すフェティッシュとなる。
⇒消費フェティシズム:消費者が商品フローを通じて記号へと変換された。

第一に消費者は、リアルな社会的行為者という形式に、ただ近似的にしか接近し得ないシミュラークル(オリジナルなきコピー)となった。

第二に、行為性(エージェンシー)の現実の所在地―消費者ではなく生産者並びに生産を構成する数多の力―が覆い隠されている。

・文化のグローバル化⇒文化の同質化とは同義でない。グローバル化が同質化を促す多様な装置を利用することがあっても、そういった装置はローカルな政治経済や文化経済に吸収されていくため、最後には異質性を孕んだ対話として回帰することとなる。

・グローバル文化の中心特性⇒同一性と差異性をめぐる政治学にある。このような同一性と差異性における抗争は、グローバルフローの間に存在するラディカルな乖離構造や、それとともに創出される不定形なランドスケープを舞台に繰り広げられる。


【論題】 ・「国家が国民を解体する」とはどういうことか。
     ・「同一性と差異性の抗争」とは、身近な例ではどのようなものがあるか。

2006-05-26 13:17 : 『さまよえる近代』(06前期・院ゼミ) : コメント : 0 :
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