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第1章 〈地域〉へのアプローチ

第1章 〈地域〉へのアプローチ (森岡清志)


はしがき
〈地域〉をテーマとする多くのテキストは〈地域〉の重要性を自明としている
But→〈地域〉を意識する機会さえあまりない
第一章では、〈地域〉を無用とする実感に従いながら、〈地域〉の重要性を再考

1混乱する〈地域〉のイメージ
○〈地域〉という言葉の多義性
〈地域〉が入った言葉は多用されている
(ex地域社会、地域生活、地域問題、地域住民、地域の教育力)
But→〈地域〉を含む言葉を厳密に理解しようとすると意味の確定は困難
            ↓
〈地域〉という言葉のもつ特質の1つは意味内容の「多義性」

○〈地域〉という言葉の多重性
〈地域〉という言葉の空間的範域が曖昧(ex隣近所、町内、市町村、都道府県)
さらに、話の文脈に合わせて〈地域〉の空間的範域が縮小・拡大 

〈地域〉という言葉のもつ特質のもう一つは空間的範域における多重性

○実感する〈地域〉の重要性
Why〈地域〉という言葉は多義性と多重性がありながら多用されるのか?
 →日常生活に密着する言葉であり、生活に不可欠な言葉であるから
            ↓
 居住地を含む空間と社会を指示するからこそ〈地域〉の重要性を実感
 
○居住地としての地域
居住を軸とする日常生活が、〈地域〉つまり社会関係と空間に連関して営まれる
〈地域〉は日常生活に不可欠だからこそ、重要なものとみなされている

○可視化する「地域」:まちづくり
小京都と呼ばれる地方小都市におけるまちづくり
古い景観を残すための、その町に居住する人々の努力は大きい
景観として眼に見える形で現れたとき、景観の背後の〈地域〉の存在に気づく
→町並みの保存や再生が〈地域〉と密接に結びついている。
 社会関係と空間の基礎的単位として〈地域〉が重要であることの再認識

地方小都市は土着の自営業主が集住しており、〈地域〉の問題が職業の問題
 ex集客能力の向上、観光地としての再生
職業に直結する〈地域〉の問題が認知されやすく、まちづくりを起こしやすい
But→伝統主義的価値志向、個々の商家の利害調整などで複雑化

2〈地域〉への関与の縮小
○生活圏の拡大
大都市圏に居住する人々にとって〈地域〉は重要性を低下
Ex行動空間範囲の拡大、職住分離、通勤時間の長時間化

○2つの実感の乖離
〈地域〉に関わる機会が減少するに伴って、〈地域〉に対する重要性低下
特に若年層は生活の多くを〈地域〉外で過ごす。
→〈地域〉の重要性と〈地域〉無用性の両方を実感

○無用性実感の拡大
〈地域〉の重要性と無用性を意識しつつ、無用性実感が拡大
→〈地域〉への関与の低下へと結びつく
 〈地域〉における共同の生活問題の住民による共同処理の大幅な縮小

○都市的生活様式と地域
都市的生活様式:共同の生活問題は行政や市場の提供する専門サービスで処理
住民の相互扶助による処理をできるだけ省略化
        ↓
都市的生活様式の拡大による住民の相互扶助の縮小
○家族の構成的変化
1950年代後半から80年代前半 
直系家族の制度的位置形態の「家」から夫婦家族へ 核家族化
80年代後半
核家族的世帯の中でも「夫婦と未婚の子女よりなる」世帯は減少 
代わりに、(高齢者の)夫婦のみ世帯が増加
核家族化の進展とともに、「家」と〈地域〉とのつながり方も変化

○家族と〈地域〉のつながりの変化
「家」という半開放的家族システム→夫婦家族という閉鎖的家族システムへ
・半開放的家族システム
「家」と〈地域〉は、〈地域〉に存する集団に「家」成員が参加することで結びついていた。例えば「嫁」だけが集まる集団に参加して地域と結びつく
村の共同問題を集団ごとに分担しつつ処理 
・夫婦家族 核家族化
核家族化は〈地域〉に対して閉鎖的な小家族を出現させた。
〈地域〉と「家」成員の参加によって支えられていた地域集団の危機
家族と〈地域〉の結びつきを希薄化→住民による共同処理の大幅な縮小


3今、なぜ〈地域〉は重要なのか
人々の生活行動拡大、都市的生活様式の拡大、家族の変化
        ↓
〈地域〉に対する人々の関心や有効性感覚の衰退
これら以外の要素も〈地域〉に対する感覚の衰退がある

○暮らしを支え合う地域の機能の変容
生活水準の上昇による、生活互助機能の衰退 
高度経済成長以前は各々貧しく、助け合うことに必然性があり、助け合いのなかで〈地域〉を意識していた。しかし、生活水準が上昇し、カネさえあればモノやサービスを買えるようになり、町内での助け合いの必要性が減った

○〈地域〉に対する関心の高まり
〈地域〉の意味内容は曖昧だが、〈地域〉への関心と〈地域〉の重要性に対する認識は高まっている。
Why→〈地域〉は人々の居住地であり、一定の空間と社会である。特定の〈地域〉に存在することが人々の意識と行動にどのような影響を与えるのかを社会科学的に説明していくという学術的動きがある。
近代社会システムの改革は〈地域〉の改革にもとづく。
〈地域〉の改革から近代社会システムの改革へ、〈地域〉の重要性を再発見

○新しい〈地域〉イメージの構築に向けて
グローバル化の進展は社会的不平等の拡大という負の側面を生み出す
        ↓
グローバル化の負の側面は
〈地域〉のなかで、階層やエスニシティによる居住地の棲み分けや居住地における紛争の増加として表れる。
グローバル化の一つの帰結が〈地域〉の変動に密接にかかわっている
例えば環境問題は〈地域〉限定的であり、救済方法も〈地域〉限定的

新しいシステムづくりは、すべて〈地域〉におけるシステムづくりがカギ
Exエコ・システムの形成、地域通貨、介護・支援システムの形成、
       ↓
But→新しいシステムづくりに現在の〈地域〉イメージでは対応できない

新しい〈地域〉イメージの構築に向けて
①〈地域〉は〈住民〉自治の基盤をなす社会的空間として見直す
②〈地域〉でシステム改革をし、社会システム形成の空間的基盤とする必要性
③近代社会システムの限界を突破する新しい社会システム形成する拠点としての〈地域〉イメージが求められている

[論点1]
〈地域〉のイメージについて、自分にとって〈地域〉とはおおよそどのあたりを指すのかを考えてみると、個人差が大きいのではないか。〈地域〉という言葉でイメージする領域について、現在の住所や帰省先の〈地域〉はどのようなものか。

[論点2]
〈地域〉の重要性について、なぜ今〈地域〉が見直されているのか。テキストには〈地域〉の重要性について、居住空間としての意味や、観光地としてのまちづくりがあった。これら以外の〈地域〉の重要性は何か。

[論点3]
グローバル化や社会の不平等が〈地域〉に現れている身近な例とはなにか。また、新しい〈地域〉イメージでそれらをどのように克服するか。

2009-04-23 23:39 : 『地域の社会学』(09前期学部ゼミ) : コメント : 0 :
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