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はじめに 他

はじめに


●サスキア・サッセン
 都市社会学、世界都市論、移民研究が専門

●著書(訳書)
 森田桐朗ほか訳(1992)『労働と資本の国際移動―世界都市と移民労働者』岩波書店
 伊豫谷登士翁訳(1999)『グローバリゼーションの時代―国家主権のゆくえ』平凡社
 田淵太一ほか訳(2004)『グローバル空間の政治経済学―都市・移民・情報化』岩波書店

●基本的な問題関心
「グローバルシティ」=「「グローバルなもの」が構造化される過程で現れてくる特異性」(P.ⅩⅧ)
           →「グローバル化を分析する枠組み」(P.Ⅹ)
「グローバルシティにおける…空間の再発見は、グローバル化の多面性を見出すこと」(P.ⅩⅢ)

 グローバルシティを分析する際の論点
  ①グローバル経済を戦略的に構成している権力の問題
  ②市場主義的なグローバル経済の「解説」の批判
  ③ネットワーク化された経済と役割分担の視点
  ④諸都市のつながりに見られる経済的地理に注目すれば、多様な側面でのグローバル化が見られる


第1章 本書について
●大テーマ 経済のグローバル化が都市と経済の関係にどのような影響を及ぼしたのか
  1960年代の経済構造の変化
    ①有力産業の中心地だったところ(ニューヨーク、ロンドン、東京)が…解体したこと
②第三世界のいくつかの国で産業化が急速に進んだこと
③金融業の急激な国際化を経て、世界中で取引できるネットワークが形成されたこと。

1970年代以降の経済構造の変化
    ①国際レジームを支えるプレイヤーの不在とアメリカの巨大多国籍企業と多国籍銀行
②過渡期の国際経済秩序の管理機能の企業本社からの流出

「グローバル経済を支える地理的条件やグローバル経済の構成のされ方が変わっていくなかで複雑な二重性が生み出され、これによって国際経済はバラバラにならずにすんだのである。」

二重性 = 経済活動が営まれる場所が地理的に散らばるのと同時に、グローバルに統合される

●4つのテーマ
1、「経済活動の地理的な分散とグローバルな統合が同時に起きた結果、大都市は新しい戦略的な役割を担うようになった」(P.4)
 大都市の新しい機能
    ①世界経済の司令塔の集積 
②金融セクターと専門サービスセクターにとっての重要な場
    ③金融や専門サービスという主導産業の生産の場
    ④生み出された製品とイノベーションの市場機能
  ②③④に注目 金融・専門サービスセクターが社会的・経済的秩序を作り変える。

・なぜ「新しい役割が同じ頃にできた」のか?
    様々な側面で起きているグローバル化という文脈に、各都市を位置付け
     → 経済の一面だけにはなく、多方面でのグローバル化に注目
  ・なぜグローバルシティに世界経済の重要な骨組みが生まれるのか
   「その必然性を分析すれば、…グローバルな秩序が見えてくるのではないだろうか」

  二重性のダイナミクス → 経済活動の分散や金融市場の拡大が、支配・管理・センター化を誘発

2、「二重性に基づく経済成長は、グローバルシティ内部の経済秩序にどう影響するのだろうか」(P.6)
  従来の製造業と金融・サービス産業という二分法を克服する必要性 → 生産の場としての分析
  金融業の再編がグローバルシティの特徴を作っていく過程を検証
グローバルな支配能力を可能にする投入財の生産と、生産を行う労働インフラに注目
    → 大企業や多国籍銀行に注目する従来の視点からの脱却

3、「…経済の展開は各国の都市システムと、グローバルシティの国民国家への関わり方に、どう影響するのだろうか」(P.9)
  経済活動の地理的分散と中心での管理・支配の強化とそれを可能にする専門サービスの成長
  かつての主要産業の中心都市(分散)とグローバルシティ(集中)の関係
    筆者の見解 → 三角化(脱中心化した都市、分散先の都市、管理機能のある都市)
  都市の役割とグローバル市場の関係
    国内諸都市の序列の変化 → 未だ結論は出ていない。
  都市の成長 ≠ 国民国家の成長の時代
    グローバルシティは協調関係であり、ネットワークの成長は国を成長させない。
  
4、「新しい成長の形や条件がグローバルシティの社会秩序に及ぼす影響」(P.11)
  サービス業の社会学的考察
   サービス産業の成長と経済構造の変化が及ぼす「労働のあり方」への影響
     → 仕事の供給・所得分布・職業分布の二極化に反映
  低賃金労働と成長傾向の両立 → 労使関係が再編
   セクターの特徴、セクターの成長パターン、労働の特徴を区別する必要性


●本書への導入
 「なぜ金融・生産者サービスが急成長し、グローバルシティへ集積したのか」(P.13)
  近代的な技術が登場しても、19世紀から行われていた労働は無くならず、質が変わった。
  集積の背景
    国際的に多様化した銀行や製造・サービス業の成長とそれらを管理する存在
  局所的な成長の背景(高度専門サービス業 ≒ 生産者サービス)
    消費者への近接性ではなく、その他の専門サービス企業その近接性
    専門サービスに従事する高所得者の需要・要望
  金融・生産者サービスの特殊な成長を理解すべき
   → ハイリスク・ハイリターンな投機を行う小企業群に頼った経済成長は競争と規模の経済の中でいつ限界を迎えるのか?
  
衰退と成長を引き起こしたシステムの連続性
   
●各章のテーマとポイント
 第1部 生産の地理的な分散と金融の再編に見られる大きな傾向
 第2部 グローバルシティの中心セクターと国境を越えて形成される空間の経済学
  第5章 中心の集中が何によって起こり、どのような特徴をもつのか
  第6・7章 世界経済の再編でグローバルシティが果たす役割
 第3部 成長による利益と負担の配分
  第8章 経済活動の変化がどのように新しい労働への需要を生み、所得構造を一新したか
  第9章 グローバル化で活況となった経済の後進セクターの特徴
 最終章 経済展開の政治にとっての意味

第1部 グローバル化の地理学と構図を読み解く(P.23)
①所有と支配の集積、経済活動の地理的分散、金融の再編から生まれる新たな集積

②経済活動の分散が「センター」の機能や専門サービス企業を増やす
金融業にとっての重要な場が「巨大多国籍銀行」から「主要な金融のセンター」へ

③情報通信技術の引き起こした分散と再編が集積の傾向を強める
→ センターでの情報通信技術の最先端設備の必要性
 情報通信技術の可動性と非可動性 → グローバルシティの優位性を支える要素となる

④世界規模の分散と再編だけでなく、国内レベルでの分散と再編が存在
大都市への急激な集積の原因は国際化か?→ 実証的ではなく理論的な問題?
 グローバルな生産ラインとグローバル市場の求める物 =  主要産業の立地要因
企業向け専門サービスの拡大要因

⑤超大国の不在と条約や規定がない中、国際取引のルールを誰がどのように決めるのか?
  1980年代の競争の激化、投機の拡大、利益の増大 → 経済活動の編成はどうなったか?

⑥ここまでの問題 
地理学だけでなく、越境的な取引を可能にする制度的な取り組みを検討する必要性
 「資本蓄積のロジックは空間的に現れるが、その現れ方やこれを可能にする制度的取り決めは変わってきているのだろうか?」(L.4)

⑦投機の急増 → 金融取引の「新製品」から「標準化製品」への移行を意味するか?
2000年 イノベーションの生まれるスピードは加速(次の段階への移行は起きなかった?)
寡占的な高利益産業への新たな勢力の参入と寡占的で大規模市場に依存した経済システム
  → 金融取引のもたらす成長はどれほど続くのか?

⑧80年代の新しい成長パターン 
金融の再編プロセスがある面で完成に近づき、別の面で行き詰まりを見せた70年代を経て形成

⑨ 1990年代のめまぐるしい変化 
→ グローバル資本市場に統合された国が増えたこと
    グローバル資本市場が国家経済を圧倒する規模に成長したこと
  
⑩3つの理論的関心
1、1990年代は資本移動と新しい集中の形に影響を与えたのか。
2、グローバル経済の拡大は金融業の拠点が移ったことにどう影響しているのか。
3、今のグローバル金融市場と戦間期、世紀転換期の金融市場の違いはなにか。

⑪第2章 → 資本の可動性とはなにか?
 第3章・第4章 → 分散と集積が実際にどう起きているのか?

論点
・グローバルシティは今後増えていくのか?それは新たな分散であり、同時にさらに大規模かつ専門的な集積が起こるという二重性が無限に繰り返されることを意味するのではないだろうか?さらに、アメリカのサブプライム問題に端を発する現状の金融危機下でも二重性は維持されるのか?

2009-05-01 17:22 : 『グローバル・シティ』(09前期院ゼミ) : コメント : 0 :
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