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第10章 高齢化と地域社会

第10章 高齢化と地域社会 (安河内恵子)


はしがき
日本社会において高齢化が進展している。
高齢化とは①65歳以上の老年人口比率が増大すること、②高齢者人口の比率の増大におけるともなう社会変動がある。
高齢者の生活を保障するためのハード面でのまちづくり、ソフト面でのシステムづくりが緊急の課題となる。→特に地域社会レベルでの対応が何よりも必要とされる。

1.日本社会における高齢化の特徴
○日本の高齢化の特徴
高齢化社会の定義→総人口に占める老年人口(65歳以上人口)比率が7%以上の社会
日本では1970年に高齢化率が7.1%になり、高齢化社会となった。
日本における高齢化の特徴
①進展のスピードが急速であること
 1970年代は諸外国と比べて高齢化率はそれほど高くなかった。
But→高齢化率は急上昇 2005年頃に世界でトップの高齢社会になる。 
2005年の国勢調査 高齢化率20.1%
 
②他に類をみないほどの効率の高齢化が予想されること (p223図10-1)
 少子化が予想以上に進行している
 将来推計での高齢化率(p224図10-2)
2015年25% 2025年30% 2040年35% 2050年約40%
 超高齢社会に突入することが予想される

○高齢者の量的増大
高齢化率の上昇は高齢者の量的拡大
高齢者数(老年人口)
1970年代 740万人 2000年 2200万人超え
1980年 1064万人 2005年 2567万人超え
1990年 1489万人 2050年 3700万人を超えると予想

年少人口 15歳未満の年少人口は減少
1970年代 2500万人超え
2005年  1740万人にまで減少
老年人口(65歳以上)が年少人口(15歳未満)を1997年に上回る(図10-2)

高齢者のいる世帯、児童のいる世帯の変化
1972年 高齢者のいる世帯20.6% 児童のいる世帯 53.1%
1997年         31.5%         30.0%
児童がいる世帯より高齢者がいる世帯が多くなり、世帯の在り方が様変わりしている
(図10-3)
  ☆日本社会ではこれまで経験したことのない大量の高齢者が誕生し、高齢化、少子化が急速に進行して、社会・家族のありようが大きく変化してきた。今後も社会や家族の在り方が変化すると予想される。

○高齢化の進展がもたらした質的変化
家族の変化に伴う高齢者のライフスタイルの変容と地域社会の変化
→日常生活における高齢者自身の選択性の拡大ととらえる
 Ex 日常の人間関係→親戚づきあい 友人とのつきあい 
   自立した生活を維持するためにサービスを選びとること

高齢者の場合、日常生活の変化は家族における変化と連動して現れる
 かつての家規範での高齢者の生き方
 →直系家族制度のもと既婚の子ども夫婦と同居し、ある一定の年齢に達するとさまざまな面で現役から退いて「隠居」し、「余生」を生きるという生き方
 子や孫に囲まれて心静かに生きるのが美徳とされていた
But→高齢化の進展によってこうした価値観が変容

①高齢者の子どもとの同居率が一貫して減少している
 1980年代 69.0% 90年59.7% 2000年49.1%
2005年の結果では「子どもと同居している高齢者」45。0%
「同居していない高齢者」51.5%
②「子どもとの同居」の内容が変化
 「子ども夫婦と同居」が減少
 「配偶者のいない子と同居」が増加傾向にある 背景:晩婚化の進行
③「夫婦のみ世帯」と「一人暮らし」の増加
「夫婦のみ」で暮らす高齢者は3分の1強 「一人暮らし」は約15%(図10-5)
☆伝統的な家規範が、急速な高齢化の進展のなかで、弱体化、衰退傾向を見せ始めており、これまでの生き方とは異なる新たな高齢者の生き方、あり方が提示されている。

2.都市の高齢者
○都市の高齢者の特性
家規範の変容・衰退に関わる変化は、じつは都市化の進行と大きく関連している。
大都市において「夫婦のみ」世帯が増大している (表10-1)
2005年「子どもとの同居」率は全体平均では45.0%
しかし、「大都市部」では33.5% 「郡部」では50.6%
→大都市部と郡部では高齢者を含む家族の構成がかなり異なっており、家規範の存続度・弱体度に大きな地域的差異がある。
さらに、大都市居住の高齢者で「既婚している子」と同居しているのは1割
「配偶者のいない子と同居」している高齢者は23.0%
→大都市部ではとくに晩婚化・未婚化傾向が強く、パラサイト・シングルといわれた未婚子が多く存在する。(子は結婚した場合、高齢者と同居するのは少数である)

But→郡部の高齢者家族形態も、都市型スタイルへの大きな転換点を迎えつつある

○「家規範」の衰退と「夫婦家族」理念
高齢者のもっとも多い家族形態は「夫婦のみ」世帯となり、家規範の弱体化が現れる
→「夫婦のみ」の形態では必然的に「一人暮らし」である
☆大都市部では、子が未婚の間は一緒に暮らし、子が結婚・独立すれば子どもとは同居はせずに「夫婦のみ」で暮らし、配偶者の死後は「一人暮らし」
→「家規範」の弱体化と「夫婦家族(結婚した子どもと同居しないこと)」の体現

○都市の高齢者の増大
地域差は見られるものの、いずれの都市規模の地域においても、年次を追うごとに「既婚子との同居率」が減少傾向を示している。
3大都市圏の高齢化率はいっそう高まることが予想されており(図10-7)「夫婦家族」はこれからも増えていくことが予想される。
積極的・主体的に老後の生活を設計していこうとするライフスタイルが広まると予想





3.地域の重要性の増大
○家規範と家族による扶養
従来の日本社会では、高齢者の生活や福祉の問題は「家規範」に位置づけられてきた
→特に、既婚の同居子による老親扶養=「日本型福祉」と呼ばれる
BUT→とくに大都市では老親扶養が機能しない状況に陥っている

リトウォクの主張
 それぞれの世帯は独立しながらも、地理的距離にかかわらず、交際、互助、扶助等
 の重要なネットワークをもつ異居近親関係、またこれに基づく修正拡大家族の存在を主張→古典的拡大家族の変形

現代日本の親族関係も、修正拡大家族の考え方が高まっている。
→既婚同居子が老親扶養の全役割を担うのでなく、親と別居している子どもも必要に応じ扶助を行う。また、親の近所に住み、扶養・扶助を行う形態も浸透している
異居近親ネットワークによる高齢者の生活が支えられる

○地域の重要性と「地域福祉計画」
高齢者は多様なネットワークを日常の生活課題に応じて使い分けている
EX 子ども、友人や隣近所の隣人、地域

高齢者は一つのネットワークに依存するのではなく、多様なネットワークの支援的機能を選択的に使い分けている。→人間関係における選択性の拡大
老後の生きがいを見出そうとする高齢者は、地域社会における諸集団への参加も意欲的
But→高齢者向けに用意されている集団は限られている

☆高齢者の地域参加は老後の生きがいづくりに大きな役割を持つ。
・地域参加への高まりに対応した活動や集団づくり
・外出行動を保障するための、バリアフリー、ユニバーサルデザインの推進
ソフト面、ハード面の両方が大きな課題になっている
  住民参加型の地域福祉

今後の課題
・支えあう地域社会の形成と、地域福祉の展開していくこと
・高齢者個人のネットワーク状況に合わせて、必要な扶助を見極めて提供すること


[論点1]高齢者の介護は家族が担うという意識が強い。しかし、家での介護は介護する側の疲労蓄積、老人虐待が問題になっている。今後、地域福祉はどのように高齢者を支えていくことができるか。


[論点2]高齢者が地域の諸集団にスムーズに参加していくにはどのような配慮が必要か?またどのような集団・活動であれば、高齢者の方が参加しやすいか。


[論点3]修正拡大家族(親と別居していても必要な手助けをする家族)が
日本でも広まっているとテキストでは主張されていたが、家族が離れている場合、また家族がいない高齢者の場合、だれが、どのように福祉を担っていくのか。

2009-06-25 10:22 : 『地域の社会学』(09前期学部ゼミ) : コメント : 0 :
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