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第6章 グローバル・シティ――脱工業化時代の生産の場

第6章 グローバル・シティ――脱工業化時代の生産の場


グローバル・シティの経済基盤では産業の再編が進んでいるが、それはたんに主導経済が製造業からサービス産業に移ったからではない。

本章では、サービス産業と金融に注目して、サービス産業や金融における新しい独特の変化を3つの問題に分けて考える。

1.ここ10年ほど、工場・オフィス・サービス販売が地理的に分散し、金融業の再編が進んだことで、これまでとは異なる形の集中が必要とされてきたこと。

2. 集中が新しい姿を現すなかで、管理と規制が行われる場が変わったこと。

3.サービスと金融で多様な技術革新が生み出されて、経済活動の形が変わったこと。

本章の目的は、ニューヨーク・ロンドン・東京が作り上げている生産者サービスに適した立地がどのようなものか特定するために、生産サービスの空間経済を分析すること。

産者サービスの場所――国家、地域、そして都市

問題点:生産者サービスの編成でニューヨーク・ロンドン・東京の都市が担っている役割。

国レベルでは、3カ国共通している傾向

1・国全体での生産者サービスの雇用の伸び率が、全産業における雇用の伸び率よりも高く、しかも主要都市での生産者サービスの伸び率を上回っていた。

2.ニューヨーク・ロンドン・東京では、生産者サービスが全雇用に占める割合は、全国レベルより少なくとも三分の一以上高く、二倍に達することも珍しくなかった。

3. 生産者サービスの内訳をセクターごとにみると、全雇用に占める割合はかなり低い。しかし、生産者サービス全体となると、三都市の雇用分部に大きな影響を与えている。
4. 大都市圏の中でもさらに中心に位置する場で成長している生産者サービスと、地域全体成長している生産者サービスではタイプが異なっている可能性がある。
5. 生産者サービスのうち、セクターの三都市の商業中心地区・金融街への過剰な集積である。

成長率は、都市レベルより国レベルでのほうが高い場合が多いにもかかわらず、主要都市への(雇用や生産者サービスが)過剰な集積は続いている。

都市階層の新たな要素

以上の傾向から2つの問題点が生じる。生産者サービスの空間経済における3都市以外の都市の位置づけと都市のタイプによって違ってくる生産者サービスの構成である。

ロンドン以外のイギリスの都市では、生産者サービスはむしろ少ないくらいであり、国際金融にとって瑣末な位置づけしかされていない。

日本では、生産者サービスは大阪にも過剰に集積していたが、1980年代から1990年代にかけて、グローバル市場を志向する主要なセクターはすべて東京へ集積し、企業本社から株取引、外資系企業まで集まっていた。

アメリカでは、生産者サービスが過剰に集積していて、国際金融にとって重要な場となっている都市は複数あったが、国際金融と国際ビジネスのアメリカにおける中心地としての役割が1980年代にニューヨークに集まっていた結果、ロサンゼルスは急成長を遂げていたにもかかわらず、ニューヨークから大きく引き離された。

生産者サービスの立地は、ある程度英・米・日各国にある従来の都市階層に沿った形で分布している。ロンドンや東京など階層のトップに位置する都市でもっとも集積が進み、アメリカでは、ニューヨークが生産者サービスの中心地となっている。都市階層と違っている点もある。ロンドンはその違いをはっきりと現れている。グローバル市場を強く志向するロンドンへの生産者サービスの偏った集積は、ロンドンだけでなく南東部全体の成長の原動力となった同時に、古くからある産業の中心地では、製造業の衰退によって生産者サービスの中心的なセクターは弱体化を免れなかった。

日本では、主導セクターや企業本社、商社や銀行、最先端の製造部門が東京に集積することで、東京と大阪(かつては日本で産業が盛んな地域だった)の差は開いている。アメリカでは、中西部の巨大な産業複合体だったシカゴも、ニューヨークとロサンゼルスに大きく水を開けられている。

東京

日本の生産者サービスに占める割合は、高い都市から高くも低くもない都市で分かれており、またどの都市でも年を追うごとに減っている。

1980年代東京で働く労働者が全体として増えたため、金融・保険・不動産といったセクターの労働者の割合は相対的に減った。

東京と日本の都市システムにおける生産者サービスの位置づけのポイントは、

1.経済活動及び国の主導的な輸出セクターとして、製造業が重要性を失っていない。

2.国内経済を命令・統御する機能という東京が第一に担っている役割のために、国際的なサービス機能を担う場としては、十分に発達していない。

3.東京のグローバル・シティとしての可能性を発達させる上で、政府がどのぐらい重要な役割を負っているかという点である。

グローバル市場を志向することで生じる成長は、都市の階層間に断絶をもたらす。バランスのとれた都市システムがつくられ、国の統合が進められた背景には、大量生産と大量消費が不可欠な要因としてあった。東京以外の日本の主要都市の中には、今も製造業に強い地域がある。大企業の本社、商社、外資系銀行、さまざまな企業、金融市場が東京に集積するようになっており、産業の一大拠点であった大阪が徐々に衰退している。金融市場において、大阪の役割は減りつつある。日常業務が行われる場所が地理的に分散しつつあるが、それでも、労働を組織化するために情報通信の比重が増えたことで、逆に戦略的な機能が集積する傾向はさらに強まる。

産業や地域の違いを超えて、サービスが財として使われることが増えてきており、したがって、労働の組織化の変化はあらゆる産業・地域でも起きている。そしてこういった全体に行き渡っている動きこそ、本当の意味でのサービス経済への移行となっている。

2009-06-19 23:04 : 『グローバル・シティ』(09前期院ゼミ) : コメント : 0 :
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