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第7章 子育てと地域社会




1. 都市化の進展と子育て環境の変化

○1950年代から1970年代半ば

地方から都市へ、特に三大都市圏へ人口の集中移動→「民族大移動」と評される

・地方から都市へ移動した人々

 初期:単身で都心外周部へ移動→その後:「核家族」を形成し、郊外へ

・核家族化の進行

・「夫婦性別役割分業」が確立

⇒妻が家事・育児を一手に引き受ける

○都市化の進展に伴い、育児環境も大きく変化

「複相的育児」→大家族、地域社会とのつながりのなかで、さまざまな相互扶助のうえで行われてきた育児

「単相的育児」→地域社会との結びつきが弱く、核家族内のおとな、もっぱら専業主婦によって行われる育児

・都市では育児の担い手が母親に限定されるようになる

⇒「育児ノイローゼ」「母子密着」「密室育児」などが社会問題に

 「コミュニティ論」「コミュニティ形成論」が社会学のテーマに

地域社会内での核家族の孤立化、地域社会の衰退が問題にされ始める

2. 1980年代以降に見られる家族の変質

1950~70年代にかけて育児環境の貧困化が進む

⇒80年代以降も貧困化の程度を深めていく

○家族に関わる規範の衰退とそれを原因とする諸現象の出現

結婚規範の衰退

・80年代から見られるようになる「未婚化・晩婚化」現象

 本来、結婚とは「家と家の結びつき」であり、男女間の個人的な結びつきでない

 結婚して子どもをもつというその行為自体が、「家」規範と密接に結びつく

家規範の衰退

・1990年以降の「拡大家族世帯数」の減少

60、70年代の核家族化の進行→「家」そのものは安泰

90年頃から→「家」の衰退、「夫婦家族」化の進行

・その変化の延長線上の「既婚夫婦の出生率の低下」

○経済合理性の観点からみる規範の衰退

「未婚化」、「少子化」→経済合理性の観点から、そこから得られる報酬が減ったため

⇒・規範が衰退したからこそ生じる議論である

 ・経済合理性によって説明することのできない報酬もある

新しい家族規範が確立できていない

⇒その結果としての「未婚化・晩婚化」、「少子化」の進行

このような特徴をもつ家族状況→家族の多様化・「個人化した家族」(目黒 1987)

・「個人化した家族」→経済合理性のみが十分に存在意義をもつ家族    

3. 1980年代以降の育児環境の変化

○育児環境の変化の5つの要因

①「少子化」の結果としての、子ども数の激減

・現在の日本は世界有数の「少子」社会である

・お年寄り人口」≫「年少人口比率」

このまま少子高齢化が進むと→子供へのさらに過保護が進む

               子どもと子育てに関わる人々の勢力が格段に弱まる

②世帯構成の多様化

・1980年まで:核家族世帯が上昇→その後:単独世帯が急激に上昇

単独世帯:独身者の単独居住、「高齢単身者」の増加

核家族世帯:「夫婦のみ」、「母子世帯」、「父子世帯」の増加→核家族世帯の状況も多様化

このようなライフスタイルの多様化→小さな子どもをもつ世帯が少数化

⇒育児環境の困難化

③援助をしてくれる親族の減少

・少子化による影響

兄弟数の減少→親族数の減少

・高齢化による影響

 祖父母が生存している場合、そちらの世話や介護に追われる場合も多い

⇒育児に日常的に関わる人間が母親だけに限定されるようになる

④有配偶有子女性のライフスタイルの多様化

・有配偶有子女性の高い就業意欲

75年からの有配偶女性の就業率の上昇

8~9割の有配偶女性が「就職希望」をもっている

⇒都市部での大量の「保育所入所待機乳幼児」の問題を生み出す



⑤意識の変化

・女性の生き方の多様化

1970年代までは1つのスタイルを確立

80年代以降→家族規範の衰退とともに、さまざまな生き方が出現

⇒それに伴い、「生き方」についての意識も多様化

・自己実現欲求からくるフラストレーションの高まり

・生き方の自由が母親に不安や迷いをもたらすものになる

⇒母親の主観的な意識のうえで、育児環境が悪化

4. 育児環境とその変革のさまざまな試み

○現在の日本の育児環境

・女性のライフスタイルの多様化

⇒自己実現の機会増大→そのこと自体がフラストレーションをもたらすものに

・子どもに対する周囲の圧力の増大(←子どものいる世帯が減少したため)

・親族ネットワークの減少

⇒育児の密室化の進行とその結果による「幼児(児童)虐待」の急激な増加

このような育児環境の貧困化を「育児の空洞化」(網野)という

○都市的生活様式の拡大

高度経済成長以降、相互扶助は衰退過程をたどっていく

⇒それに比例して専門的サービスへの依存度が拡大

(ex、保育所の増設、保育時間の延長についてのサービス拡大要求)

・行政サービス

 平等で一律なサービス提供を目指す

 ⇒個別の要求に迅速・柔軟に対応することは難しい

・行政サービス以外の専門サービス

 対応への柔軟さは確保できる

 ⇒対価が高価であるという難点(←小さな子どもをもつ家庭には、若い世帯が多い)

○地域での育児支援の試み

小さな子どもの育児の場合→生活範囲、行動範囲は地域の中に限定

⇒そのために、手近な支援、臨機応変の小回りのきくサービス提供が必要

・「地域での助け合い」→地域で自然発生的に出現した、相互扶助の新たなかたちでの展開

⇒育児サークル、社協・NPOによる育児支援活動、「家庭保育園」の広がりなど

・行政→サービス利用者と提供者を結びつける制度を組織化

 ⇒ファミリーサポート制度、21世紀職業財団の保育サポーター制度



・地方自治体→「育児ボランティア」を養成するための講座を開講

        育児サークルや育児支援活動を自治体の活動として取り組み行政活動の柔軟性を高めようとするところも増えてきている

        ⇒地域での助け合いなどが自治体の対応のあり方を変革させつつある

○育児支援の質を高めるために

・行政→行政サービスの柔軟性を高める必要

    周辺の自主的な活動を支援し、取り込むことが必要

・就業のあり方についても変革が必要

論点1:行政以外の専門的サービスとあるが、たとえばどのようなものがあるのだろうか

論点2:有配偶有子女性の就業意欲は高まっているが、そのことが育児や出産にどのよう

    な影響を与えているのだろうか。また女性の就業率の上昇と育児環境の充実を図

るためにはどうすればよいだろうか   

2009-06-11 15:43 : 『地域の社会学』(09前期学部ゼミ) : コメント : 0 :
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