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第3章 集中化・分散化と立地

第3章 集中化・分散化と立地

1地震がもたらした教訓
製造企業にとっての問題
地理的に一か所にまとめて集中的に生産or市場ごとに他地域に分散させて生産

2007年7月16日「新潟県中越沖地震」
日本国内のすべての自動車メーカーの工場が次々と停止
WHY→自動車部品メーカー「リケン」の柏崎工場が地震により操業停止
「リケン」はピストンリングの国内市場の50%を占める最大手メーカー
  供給先は国内すべての自動車メーカーと海外の自動車メーカー
各自動車会社はリケンの生産再開に向けて復旧作業を手伝った
工場の集中生産体制が原因
トヨタ自動車が始めた「ジャスト・イン・タイム方式」を各メーカーが採用
部品の在庫を極端に減らしていた(一日数回に分けて必要な量だけを納入)

再発防止策
①生産拠点・配送拠点の一極集中化の見直し→分散化
倉庫の新設 海外工場からも日本向けの供給を可能に
②国内の他のピストンリングメーカーと製品規格を共通化→他社の製品も代用可能


2チャイナ・プラス・ワン
1990年代の末から、日本の製造業はコストの安い中国への工場移転を進めてきた。
※同じ機能を有する施設を何か所も造るより、一か所にまとめてしまえばよい
その意味では生産の地理的集中は合理的な手法
2000年以降 量産部門だけでなく、開発部門までもが中国に移行 中国に集中
BUT→2005年以降 反日運動が生じる
    反日運動に乗じて待遇改善を訴える動き 職場放棄やストライキ
    経営者に大きな不安を残す

☆生産コストが年々上昇していること・反日運動の影響から、
日系企業の多くは「チャイナリスク」を考えるようになる
中国一辺倒の集中立地戦略からアジア内分散立地へ
中国と同じ機能を果たす拠点をアジアの別の国に構築
「チャイナ・プラス・ワン」
例:ベトナム、ラオス、ミャンマー、インド

2008年においても、中国集中の是正は止まらない。低コスト維持が困難
背景:反日リスク、賃金上昇、労働争議の増加、人民元の上昇、知的財産保護リスク
   社会保障費の負担増、輸出企業への優遇の縮小


3商圏の集約化と分割化(大型店化と小型店化)
☆小売業→企業成長を目指すプロセスで集中化を指向するか、分散化を指向するのか
場所のチカラとの関係
集約化=大きな場所のチカラを有する地点に投資を集中させて成長の大型拠点
 立地点の選択が極めて重要
分割化=小さな場所のチカラを拾い集めて連結(ネットワーク化)
 連結(シナジー)効果の最大化とその維持を目指した機敏な店舗リストラ

日本の小売業の歴史
 1960年代末~1970年代
 駅前や中心商業地での百貨店や総合スーパー(GMS)による大型店の立地が進む
 1980年代
 総合スーパーを中心とした大型店の郊外立地化
 1990年代
 ホームセンターや家電など専門店の大型店化と郊外立地
→大型化(取引の集中化)の歴史が長く続いてきた
※売り場面積の大きな店舗ほど多様な品揃えを可能とするため、多くの顧客にとって魅力が増し、結果的に大きな集客力を持つ(多くの売り上げが期待できる)

コラム3 ハフモデル
商業地理学者のハフは、商業地やショッピングセンターの顧客吸引力は売り場面積に比例するが、自宅からの時間に反比例するという経験則を踏まえて確率モデルを発表
※特定エリア内での商業地やショッピングセンター間の競争関係を示す
日本では、時間を距離と置き換えて「修正ハフモデル」として採用
売り場面積と、距離から客観的に店の競争力を図ることができると考えた

現在でも店舗規模(集中化、大型店化)のパワーが顧客を吸引するという考えは存在
※小売立地規制は、売り場面積の大きさを基準にして行われる

小売業の存在意義=「売買集中の原理」?
例えば、魚屋という小売業は店舗で各地の海産物を取りそろえている
魚屋は、消費者が個別に海岸に行って買うコストを削減している
BUT→売買集中の原理を延長していくと、零細小売店よりもスーパーなどの大型店のほうが社会的意義が大きいことになる。零細小売店の存在意義が失われる?
            ⇕ 反論 石原武政(大阪市立大学名誉教授)
零細小売業は多様な店舗が集まり商店街(集積)を形成していると主張
石原は、立地論での「集積の利益」と商業論の「売買集中の原理」を結合させた

商圏の集中化(広域化)は二通り
①店舗の大型化→多様な品ぞろえを内部的に達成する
②小売店舗の集積化→多様な品ぞろえを外部的に達成する

4小型商圏化と小型店立地
企業成長のために店舗を小型化して多数立地していく戦略
1980年代から「小商圏戦略」の考えが広がる 表3-1の小型店フォーマット
①狭域の商圏を多数設定 ②既存の広域商圏を分割

・1978年 大規模小売店舗法(大店法)改正
500平方メートル以上のすべての店舗が規制の対象となったことで戦略的な小型店化が注目される。
→企業は500平方メートル未満の小型店(499平方メートルなど)を出店して規制を免れようとした。「規制逃れモデル」

・1980年代 小型店を基本とする業態が急成長(コンビニや専門店チェーン)
 コンビニは立地の自由度が高い 駅前や商業地、住宅地に出店
 専門店は市街地縁辺の幹線道路沿い(ロードサイト)に出店

・1990年代 規制緩和 大型店増大
 ホームセンターやドラッグストア、レンタルビデオ店なども次第に大型店化
 大型店間競争が激化 大型店のスキマとして小型店も注目「すき間補完モデル」
・2000年 大店法廃止で大店立地法施行
 大型店の出店が急増 大型店と小型店の同時増大
・2004年 社会変化による小型店化
背景:高齢化や人口の都心回帰の進展、コンパクトシティ指向の高まり
 高齢化が進めば郊外の大型店へはアクセス困難
 大きな店舗での買い物は店内を歩く距離が増え、体への負担が大きい
 都心に人口が回帰し、都心での日用品や食品をはじめとする需要が増大

「人口変動対応型モデル」 
→大都市部での立地が中心、小売業だけでなく、外食やサービス業も含めた幅広い業種にも広がっている

☆商圏分割による小型店化という方向の選択は時代に応じて戦略的意味を持つ。
これからの社会動向として、分散化=小商圏化は重要性を増すが、現実としては
集中化=大型店化の流れも続く

コラム4大型店立地とまちづくり三法
1973年「大規模小売店舗法(大店法)」←大型店の出店規制 
BUT→中小小売業を保護しているという批判
2000年 「大規模小売店舗立地法」「改正都市計画法」「中心市街地活性化法」
      →3つの法律をまとめて「まちづくり三法」と呼ぶ
まちづくり三法の目的:大規模店が立地することで生じる生活環境の悪化を防ぐ目的
BUT→郊外での大型店やショッピングセンターの開発が増大 中心市街地は衰退
2007年 まちづくり三法 改正
売り場面積1万平方メートル以上の大型店の郊外出店は規制
☆大型店規制は時代に応じて強化と緩和を繰り返し、小売業の出店戦略に影響


5店舗立地とM&A・フランチャイズ
大型店化・小型店化の課題
大型店化→市場の地理的な拡大が不可欠・競合他社の商圏に踏み込まざるを得ない
小型店化→店舗の立地開発や建設資金面での負担が膨らんでくる
     商圏が小さい分、店舗周辺の狭い地域ニーズに的確にこたえる必要がある
 市場占有競争のなかにおいては出店のスピードを確保することも重要
→大型店化ではM&A(企業の合併と買収)によって対応してきた
○家電量販店業界
大型店が立地可能な場所はある程度限定されてくるため、大型店の立地場所の獲得競争や大型店同士の近接立地による競争が激化
→新規出店は激しい競争となる。仕入れ価格を抑えるための交渉力が必要になる。
M&Aによる企業規模の拡大
・無駄な競争を回避しつつ、商圏を集約化する
・企業規模が大きくなれば仕入れ量が増大して価格競争力が強化

エディオングループの例 表3-2
大型店化 直営店拡大
エイデンとデオデオが合併 
ミドリを子会社化 石丸電気とサンキューの株式取得
小型店化 フランチャイズ化
 「すきま補完型モデル」と「人口変動対応型モデル」を意味
 個人経営店をフランチャイズ化して直営大型店の補完とする。
 「街の電器屋さん」の場合地域密着力が高い

論点
①製造業の集中化が問題視され、分散化がすすめられている。一か所で集中的に製造されている製品を挙げ、さらに、その製品は他の地域で生産するならばどこが最適なのだろうか。

②大型店の出店と小型店の出店が全国で盛んである。大型店がまちの小型店に与える影響は何か。大型店と小型店との共存を図るモデルとは何か。
(「すき間補完型モデル」「人口変動対応型モデル」など

2009-11-19 21:11 : 『立地ウォーズ』(09後期学部ゼミ) : コメント : 0 :
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