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第2章 立地競争と均衡立地/最適立地

第2章 立地競争と均衡立地/最適立地

1.  アイスクリーム屋台の立地論争
古典的立地論・・・空間構造への関心が高い
         立地主体の側の空間ダイナミズムは比較的弱い
⇒企業間「競争」の影響は十分には取り込めず・・・
but→企業は常に競争状態
  「最適」な場所は競争相手との位置関係(駆け引き)で決まる!!

・ホテリングの理論(店舗立地と市場均衡の問題)
従来の定説・・・寡占競争下では、価格は常に不安定になって均衡しない
but→この定説での「市場」とは長さも幅もない「点」として扱われている
○ホテリングはこれに、より現実的な「空間の視点」(ex.直線市場)を取り入れ『価格と消費者の移動距離との二つの要素から二者の収入が「均衡」する点』の存在を発見
⇒従来の定説を崩すことに成功
        (「Stability in Competition 競争状態における安定」1929.)
アロンゾ(都市経済学者):直線市場の実例を提示
                 〈浜辺のアイスクリーム屋台問題〉
2 . 京都・鴨川べりのアイスクリーム屋台問題
[アロンゾの事例を日本人向けに置き換えてホテリングの理論を解説]
浜辺→京都・鴨川べり    
海水浴客→鴨川のほとりに腰を下ろすカップル(三条大橋―四条大橋間 約500m)
カップル:規則正しく等間隔に腰を下ろし、その列は一直線を描く(ホテリング線分)
問題:中洲のような場所にあり、商店はおろか自動販売機もないため喉が渇く!
仮想の話
Aさん:カップルを対象としたアイスクリーム屋台をそこで出せば儲かると考える
⇒予想通りAさんのアイスクリーム屋台は大繁盛 そのことを友人のBさんに自慢
 Bさん:Aさんと同じ商売をやろうと考える。
⇒アイスクリームはAさんから聞いた問屋から仕入れたためAさんとBさんまったく同じ商品を同じ価格で売ることとなる
※ そのためこの二人の競争は「いかによい立地を確保するか」という競争となる!!
3. 場所取り合戦の結末
・この競争の前提となるもの
商品は同質で価格も販売方法も同じ
自転車の屋台であるため移動コストはゼロ
顧客はみんな同じ量(同じ価格)の購買をする。つまり、客単価は同額
⇒売り上げは純粋に顧客の数で決まる!
 顧客が均等に分布するホテリング線分上ではAさんBさんがそれぞれ確保できた直 
 線市場(商圏)の空間的大きさ(長さ)で収入源が決まる!
・場所取り合戦の開始(p83 図2-1 立地競争のプロセス 1- a~e参照)
 有利な位置をめぐって二人が左右に移動する競争が続く・・・
→次第に二人の行動に学習効果が生じ、早めに競争の向きが逆転していくようになり、左右の移動の幅も小さくなっていく・・・

・ 均衡立地点
競争の結果二人は真ん中に並ぶように立地することで利益を等しく分けあうこととなる。それが二人の利害が一致する(均衡する)立地点(1- f 参照)
→二人はこの立地点から動くと損をすることとなる(仮に隣同士を嫌って相手との距離をあけてしまうと、利害が一致せずまた場所取り合戦に陥ってしまう)、これ以上移動しても「くたびれ儲け」に終わる位置である

・ この均衡状態は「ゲームの理論」でいうところの「ナッシュ均衡」である
『ゲームの理論と経済行動』1944
(数学者:ジョン・フォン・ノイマン 経済学者:オスカー・モルゲンシュテイン)
→1929年の時点でその一部を考えていたホテリングの先駆性を感じさせる
4. 社会的な最適立地をもたらす「規制」と「談合」?
立地競争の結果→鴨川べりのアイスクリーム屋台は四条大橋と三条大橋の中間点に二軒並んでしまうこととなる

業者側(アイスクリーム屋台経営者):自己の利益が最大となる地点
but!
消費者(土手のカップルたち):きわめて不合理な立地
→土手の端のほうに腰を下ろしたカップルにとっては移動(コスト)がかかってしまう
(片道250m、往復500mの移動をしなければならない!!)

そこで・・・カップルたちの視点から一番合理的な立地を考えてみる
→それぞれ端から125mの地点に立地(端にほうのカップルたちの移動距離は半減)
⇒消費者の側あるいは社会的な効率性や平等性の視点から見てもっとも合理的な立地点。それを「最適立地点」という!!(p87 図2-2 最適立地 参照)
※この場合、距離が市場の大きさを表すため、結果的にこの立地点に位置していても利益を二分割できるため、この立地は業者側にとっても合理的なものである

・ この「最適立地」はどうすれば生まれるのか?
〈二人の間には250mの市場が存在している〉
→放っておくとその市場を独占しようと二人の立地競争が再開してしまうことになる
→結局「均衡立地」に落ち着いてしまう・・・
〈そこで・・・二つの解決策〉
① 誰かが「現在の位置から動くな」と二人に強要すること
問題となるのは二人に強要する力の存在  ex. 政府による法律の制定

② 二人の業者同士で「これ以上動かないでおこう」と取り決めをすること
二人が競争を回避して相互の利益を分け合うこと
→業者間の「協定」、広義の「共謀」「談合」

◎社会的な効率や平等を保つためには「法的規制」、効率性や平等性を保つためには業者間の「協定」が必要になる場合がある!!

・ このエピソードのまとめ
消費者に負担を強いる「均衡立地」は自由競争の結果としてもたらされ、社会的効率や平等性をもたらす「最適立地」は規制や協定・談合の結果としてしかもたらされない

○規制「悪」とする最近の風潮の中、場合によっては規制や業者間の協定が必要となるということを暗示しているこの立地競争モデルは興味深い

5.「立地適応」による立地の最適化
・ アイスクリーム屋台問題を企業経営の視点から再度とらえなおしていく
競争の結果「均衡立地」状態に到達したアイスクリーム屋台
→立地=場所以外の要素が経営にとって重要となってくる

マーケティングの4P(大学教授:マッカーシー提唱)
① どのような商品(Product)を、
② どのような価格(Price)で、
③ どのような販売方法・広告(Promotion)によって、そして
④ どのような場所(Place)で売るのか
○何かを売る企業にとっては、この4つの要素の組み合わせ(マーケティング・ミクス)が重要となってくる
→場所の要素が固定されている状態では、商品・価格・販売手法の三要素が重要!!

・ 「均衡立地」のままで二人が競争をするとしたら?(一例)
商品に関して  ・商品(アイスクリーム)の品揃えを増やす
・新しいオリジナル商品を開発する
価格に関して  ・価格を下げる
        ・臨機応変に値引きをする(タイムサービスなど)
販売方法・   ・おしぼりなどの「おまけ」を付ける
広告に関して  ・カップルに宣伝のチラシを配って回る
○複数の同業者が同じ商圏内で競争することがポピュラーな現実世界では、経営と場所の問題は立地(場所)を前提としたうえでの経営対応を考えることを意味する
→「立地適応」という戦略的方向は、競争状態下にあって重要性を増す

〈本章のまとめ〉
① 企業の競争利害から見た「最適な立地(均衡立地)」と、社会的(地域的)な公正さの視点から見た「最適な立地(最適立地)」とは必ずしも一致しない
② 社会的な公正さや効率を配慮した「最適立地」が成立するためには、規制や業者間協定といったことも必要となる場合がある
③ 競争状態下での立地を考えるにあたっては、空間的な位置取り(立地の選択)の問題だけではなく、立地移動を行わない立地適応の問題にも目を向ける必要がある

論点
1. 現実では、複数の同業者(コンビニ・ファーストフード店・居酒屋 etc )が同じ商圏内で競争することはよくあることだが、具体的には店ごとによってどのような工夫をして競争に生き残ろうとしているのか。(身近な例を中心に)
2. ホテリングの立地競争モデルに関して、現実に規制や業者間の協定によって「最適立地」を実現している企業・業種はどのようなものがあるのだろうか。

2009-11-12 19:06 : 『立地ウォーズ』(09後期学部ゼミ) : コメント : 0 :
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