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『さまよえる近代』 第4章 レジュメ

『さまよえる近代』
第四章 消費、持続、歴史



反復と規則
・文化経済の一般的特性としてみた消費…反復の様式、習慣化の様式
消費は反復を通じて習慣化されていく
(理由)あらゆる社会的なコンテクストにおいて身体技法へと収斂していき、身体から反復的・周期的な規律を求めるため
   身体…再生産の実践と密接に関わる場であるため、社会的規律(変化の振幅が大きくなる規律)を刻印するには理想的である (例)食べること  習慣化を必要とする
・身体に最も近い消費行動は習慣化を通じて画一性を獲得する
 身体技法-社会的惰性態
      どれほど得意で革新的・反社会的なものだとしても、社会的規律・ハビトゥスの一部となり、創意や外部強制から解放される必要がある
・習慣からの開放を求める消費システムはどのようなものであれ、儚さの美学へと押しやられる
 消費行動-身体的惰性態
      惰性態に基づいて周期性や時間的リズムが築かれる
・模倣が支配的に見えるところでも反復が存在している可能性がある。反復という惰性的な論理を資源として、社会ならびにその支配階級はさらに大きな周期性の体制を、何らかの季節性を中心として作り上げる  (例)クリスマスギフト
・時間的隔たり(タイミング)は贈与において決定的な役割を果たす
 ○複雑な計算の連鎖によって生み出される -戦略的な自由度を持つ
 ×財の機械的配分によって生み出される
 ×予測可能な贈与パターンが生み出す
財の交換-通過儀礼のコンテクストでは儀礼の高度に慣習化された徴として理解される。
・消費の周期性は蓄積と略奪の戦略によって媒介される→こうした「自然的な」事象を散漫で「象徴的に」徴づけるだけではなく、そのもっと重要な意義を構成している。
・通過儀礼は儀式的に徴づけられることによって社会的重要性が定義される
 この定義を左右するもの;儀礼の儀式的プロセスを構成する物資の交換が持つ特性。つまり時間的隔たり・規模、社会的可視性
・ 社会的な周期を用いる計算的な戦略…通過儀礼の社会的な意味を構成する要素である
→大規模な周期では消費は通過儀礼のさらに逼迫した周期性を調整している
⇒消費は時間を創出するものであって、たんに時間に応答するものではない

周期性と歴史
・消費の季節性…自由で状況的で偶発的な時間的プロセスから作り出されている。
→歴史的であり長期持続である
長期持続のパターンの考察-何よりもまずローカルに、相互作用が十二分に観察され資料化されている領域内で遂行されるべき
長期的な変動は全ての場所において同等の速度で生じているわけではない
→変動が引き出される速度ばかりでなく、変動そのものの速度や強度に問題がある
・社会的に編成された消費様式のパターン
禁制、奢侈取締令、流行 この三つを中心に循環
小規模な社会生活における事物の社会生活は、おおむね禁制の力で駆動している
・消費者革命…奢侈取締令の支配から流行の支配への全面的移行を最大の特徴とする一群のできごととして定義される。
→消費者革命は一切の特定の時間的連鎖から引き離され、さらに特定の歴史的な連鎖や接合からも切り離される。一方で消費の大規模な変動をこうした要因の多様な連鎖や接合と結びつける可能性をひらく。
・歴史学と系譜学
歴史(学)…外向的で規模を大きくする相互作用と結びつける
系譜(学)…内向的で歴史に根深く埋め込まれた文化的性向や様式に向かう
 両者は互いに補強しあい、その結果一方が他方を偽装することもあれば相互に否定しあうこともある。いつの時代、どの社会においても消費に関する《長期持続》の研究は特定の実践の歴史(学)と系譜(学)を同時に探求していかねばならない =歴史の二重化
・社会の複雑化、多様化に従い、その社会の消費行動の歴史は断片化されていく
⇒消費の短期的リズムから長期的リズムの移行はパターン化を強める周期性への移行を意味している

流行とノスタルジア
流行と古趣の関係
流行…産業社会ならびにポスト産業社会に時間的リズムの特性、資本主義社会において生産、宣伝広告、消費を結ぶ重要な結節点
古趣…価値の高さを表す指標として年数が重要になった財の所有
―年季を摩擦から取り除くジレンマ(年季…メンテナンスが必要)がある
→古趣は使用人が行う身体的実践の一部であり、物質的生活のつかみどころのない属性
古趣が十全たる意味を担うコンテクスト
・ 古趣を持った事物の集まりに見あった他の事物や空間
・ 古趣をもった事物に対してとるべき関係を身体的実践によって示す術を心得ている人物
→家宝とゴミ屑を分け隔てるのは、記号論的に首尾よく管理された社会的コンテクストであり、微細な時間的リズムである。
古趣とノスタルジア
貴族階級やそれを気取った人物の物質的生活において、古趣は事物の社会生活のさらに奥深くまで分け入っている。この意味での古趣はノスタルジアを喚起する、ある種の事物に宿る力である。
貴族的生活様式における古趣の意味
・ 所有者が特別な地位にある
・ もはや手に入れることのできない生活様式に対して、所有者が特別な関係を持っている
 →古趣に稀少性を与える
しかし何かの喪失を偽装するのは実際より困難で、物質的年季が社会的切断を覆い隠すことができない。
ノスタルジアを植えつける―近代的な宣伝広告の中心的な特性
・想像のノスタルジア
大規模な広告が作り出す持続や時間の経過、喪失をめぐる一度も生起したことのない喪失の経験を作り出すことで創出されるもの。想像のノスタルジアは夢想の時間的論理を転倒させ、羨望や模倣、貪欲の力だけでは及ばない深層の欲望を創出する。
・現在へのノスタルジア
映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」では、一方では余剰に満ち超現実的でSFまがいであるのに、他方では見紛うことなく1960年代を召喚するようなエートスを作り出す。このように過ぎ去ってしまったかのように現在を提示する手法。
・安楽椅子のノスタルジア
  宣伝広告をただ見て、ノスタルジアの力をイメージと切り結ぶだけで、かつて一経験したことのない喪失をめぐる記憶が充填されるもの。
→原義的な意味でのノスタルジアの力と、大規模な宣伝広告が依存の度を深めている似非ノスタルジアの力を弁別した上で、両者がさまざまな集団の消費パターンにおいてどう関係しているか、古い趣味と流行が相互を涵養し補強するときの矛盾に満ちた規則性に注目しなくてはならない

時間の商品化
労働の商品化
→労働時間は時間の抽象的次元となり、生産的・産業的な本質を持つものとして経験されるようになる。
時間の商品化によって消費に与えられる新たな影響…自由に裁量できる時間によって、さまざ
まな種類の労働、階級、職業がランク付けされ差別化される(「自由」時間=消費時間)
→消費は余暇の時間的な徴
←しかしこの余暇でさえも産業社会の生産リズムから逃れられることはない
余暇のためには可処分所得も必要で、生活のためであろうと余暇のためであろうと、消費のために流動的な価値である貨幣が登場した。

複雑な産業社会における消費はいまや、とてつもなく複合的な技能であり、株式市場の変動性から住宅着工戸数、マネーサプライに至るまで驚くほどさまざまな財政的または経済的秘訣に習熟しておくことを求めている。アメリカのような社会では消費者と巨大金融とが、商品としての未来に関する相対立する理解をめぐって、静かではあっても途方もない規模で戦いを繰り広げている。
今日の消費は時間の経験を大きく変容するため、消費は旧来とは根本的に違う意味を持ち、ポスト産業社会の文明化の任務を引き受けるようになった。
→貸付における大規模な革新
消費者の借り入れは月収や年収といった限定的な性質を持つ短期的循環ではなく、生涯賃金に対する長期的で線形的な感覚や、住宅などの資産の価値増殖に向けられた無限の感覚へと変化した →消費は「所得の地平」から「所得の駆動力」へ
また、消費という社会的・日常的実践は人々を夢想の作動へと引き込んでいる。
→消費の局面における時間の商品化は、かつての消費者革命で見られた欲望やスタイル、事物、選択肢の単なる拡大を越えた意味を含み持つ、と筆者は提起する。

消費は労働の一形態となったため、労働は想像力の社会的規律、新たな商品群に対する欲望に夢想とノスタルジアを結びつける規律を核心に持つようになった。これはノスタルジアが記憶からわかたれたランドスケープにあって、消費者信用や買入という無限の時間的フローを操縦していく術を学び取るためには新たな形式の労働が必要だということを提起している。この労働のターゲットは商品を生産することではなく、意識を《購買》が可能な状態とすることである。
→日々の実践における多様なリズムやそれらを統合する手法を学び取ることは、最も過酷な想像力の作動という労働である
●消費という労働は象徴的であるのと同時に社会的でもあって、想像力の規律=訓練に関わるものである。身体技法から自由になるに従い、いっそう限界のないものとなり、歴史(学)と系譜(学)に象徴付けられていく

結論
近代の消費主義形態―《快楽》の志向
 …ノスタルジアと夢想との緊張関係の中に見出される《儚さ》
→儚さの安定化は多様な社会的文化的水準で現れる
  ⇒奢侈取締りと流行の体制に応じて身体技法も異なったものになる
   奢侈取締りにおける身体…持続やアイデンティティや差異をめぐる、多様な記号や価値が刻印される
    流行における身体…儚さの美学というコンテクストにおける消費への全面的な欲望が
刻印される
儚さの美学、凝視の快楽、身体の操作可能性は「新しい」何を意味しているか
 この三つの要因が、欲望、記憶、存在、購買の間に生まれたまったく新しい関係にかかわっている一群の実践へと《体系的》かつ《全面的》に結合されていることに新しさが存在する。




疑問点
時間の経験が歪曲化される(P155)とはどのようなことか
線形的な感覚(P156)とはなにか
儚さは安定化されるのか(P159,160)

2006-06-09 23:04 : 『さまよえる近代』(06前期・院ゼミ) : コメント : 0 :
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