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明日は半月ぶりの「都市社会地理学」です。

2006.6.19

管理人のあいざわです。静岡県出身です。

ワールドカップの観すぎで疲労して死者が出たり、騒ぎすぎたサポーターの射殺事件が起こるなど、ワールドカップの話題ばかりが世間を騒がせているようです。テポドン2号のニュースも、本来ならもう少し大きく取り上げられてたのかもしれませんが、これも「ワールドカップ効果」なんでしょうか。。。

世間の話題はさておき、明日は半月ぶりに「都市社会地理学」です。第5章「空間的枠組みと制度的枠組み」ですね。

この章を読むと、私の頭の中には神戸以外の都市が思い浮かびません。特に、今年開港した神戸空港が決定するまでのプロセスがピタリと当てはまってしまうような気がしました。

すでに数十年前から、神戸に空港を作る計画がありました。騒音問題や環境問題で揺れていた伊丹の大阪空港の移転先+国際空港の建設予定地として、神戸が候補に挙がりました。ところが当時の神戸市長は「市民の合意を得られない(受け入れたら選挙で落とされる)」ということで、反対しました。その後、関空が計画建設されたわけです。

1995年の阪神・淡路大震災の直後、空港建設計画が再浮上しました。震災復興の文脈から「空港建設は復興の起爆剤」という位置づけが行われました。都市計画や区画整理、地域経済の衰退、人口減少や高齢化問題、被災者の生活復興が最優先課題だと考える人も多く、「こんな大変な時期に空港とは何事か!?」と、空港建設に疑問を投げかける声も少なくありませんでした。

1998年の夏には、市民グループを中心に「神戸空港建設の是非を問う住民投票を求める署名活動」が展開されました。市民グループが提出した「住民投票を求める請願署名」は、同年秋には市議会で否決され、神戸空港は粛々と建設されていきました。住民運動は成功しませんでしたが、この運動を通じて、都市運営を考えるための重要なポイントが浮かんできます。

論点の一つは、都市政策に対する民意の反映という問題です。住民運動では、空港に対して直接的に反対するのではなく、「建設の是非を住民投票で決めよ」という考えの下に進められたものでした。

議会制民主主義の原理に従えば、議会の決定は民意の反映とみなされます。ところが住民投票運動は、直接民主制による決定プロセスを求めたのです。これは、民意と議会の見解に「ねじれ」が生じていたことを示しています。

都市政策は、都市間競争や都市戦略、国の総合計画など、かなり広域的な視点から決定されることがあります。大規模開発や再開発事業、公共事業や都市機能整備などがそれにあたります。ハコモノ行政と批判される公共ホールや美術館博物館の整備なども含まれます。市議会では、そのような高次な戦略性を理解した上で、有権者の代表者である議員が判断し、採決するわけです(理想としては、ですけど…)。

庶民の感覚からは「無駄ちゃう?」というものでも、都市の発展にとって必要なものという場合もあるので、判断が難しいですよね。「無駄なのでやめます」と戦略を放棄した場合のデメリットも考える必要がありますし。

神戸空港の場合は、建設に伴う経済効果や環境への影響を疑問視する専門家の意見も多く、「無駄ちゃう?」という庶民の意見を後押しする形になりました。それでも結局、建設主体である神戸市に対して、議会は「民意」というお墨付きを与えました。

神戸の住民投票運動と前後して、全国各地で「住民投票」を求める市民運動が巻き起こりました。実際に住民投票が行われ、事業が凍結、または白紙撤回という結論に至った例も数多くあります。地域ごとに課題や問題の構造が違うので一概には言えませんが、いずれも、広域的戦略的な行政判断と、住民が主張する民意のねじれが噴出した結果だと見ることができるでしょう。

このことを、直接民主制と間接民主制のどちらが正しいのか、という問題に還元することはできません。また広域な都市政策とローカルな住民自治のどちらが優先されるべきかと、論点をすり替えることもできません。そこには「せめぎあい」があるだけです。そのような「せめぎあい」の結果として、都市政策が進められていくという現実を目の当たりにしました。

住民投票運動が投げかけたもう一つの論点は、ローカルな権力構造についてです。神戸空港に対する住民運動には、労働組合や市民団体、NPOやボランティア団体など、数多くの人たちが参加しました。そのような市民グループが空港に関する集会や勉強会などを行う際、市の施設の利用を拒否されるという事態が頻発しました。

また、地域のコミュニティ施設でも同様に、市や推進派との軋轢を回避するために、「政治的利用はお断り」という政治的態度を採るところも多かったようです。そのため、地域社会における政治的対立が顕在化する一方で、対立を回避するために住民運動とは一定の距離を採る市民も多くいました。

そのような都市政治のプロセスを経て、神戸空港は建設されました。都市戦略を踏まえた基盤整備として、神戸空港が必要であったのかどうかについては、現在、実際に建設された神戸空港によって、壮大な実証実験が行われていると言えるかもしれません。

それが正しい選択だったかどうかはまだ分かりませんが、恩恵を受けるのも、責任を負うのも、議会でも神戸市でもなく、神戸市民であるということは間違いなさそうです。

テキストにはゲリマンダリングの例からはじまって、企業、労働界、市民団体、住宅所有者組合などが挙げられています。都市の政治構造を把握するためには、まず多様なステークホルダー(利害関係者)を把握するところからはじめなければなりません。そこから出発して、レギュラシオン理論を発展させた新しい調整様式や、Harveyの「公正な都市計画と政策の実践に関する6つの提案」などが紹介されています。

以上、自分の予習代わりに書いてみました。

週末のフィールドワークは、雨の予報が出てます……。
やはり先生は雨男なのでしょうか??

2006-06-19 19:21 : 管理人のひとりごと : コメント : 2 :
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熱海、いかがでした?

雨の中、寂れた温泉街って、何となく叙情的ではありますけれども。。
2006-06-21 15:16 : あいざわ URL : 編集
今週末は雨なので、傘が必要です。
雨男より。
ちなみに先日の熱海での個人フィールドワークももちろん雨でした。
2006-06-20 17:50 : sawa URL : 編集
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