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序章 「ゆらぐ都市」から「つなぐ都市」へ

序章 「ゆらぐ都市」から「つなぐ都市」へ

1.「問い」としての都市
・「都市」:帝国の中に栄えた⇒近代国家の国民国家の中枢⇒グローバル・シティ

・都市の変化:シンブルな中心性より豊饒な複雑性を、またシステムの中枢より錯綜する周縁を読み込もうとするものである。  

・近代以降の知:
 ある種の安全及びその安全のうえに築かれた制度構造を与件としていた。
 そして都市を、ゆるぎない成長のナラティブと線形のナレッジを発する媒体として自らの視界に組み入れてきた。
・ポスト時代の知:
 近代以降の知のイニシアティブはなくなる。
 都市は人々が希望とか夢をふくらませていくコンテナーというより、人々の希望とか夢をさりげなくカオスとリスクへといざなううえで限りなく重要な役割を果たすようになっている。

・今後の都市の可能性を旧びた専門知ではなく、やわらかで大胆な知で問いこんでいくしかない。「つなぐ都市」が可能となるような構造の「かたち」とその存在の「ありよう」をしっかりと見据えた知の枠組みが必要になってくる。
・従来のような分ける学問、ホーリズム(全体論)への疑い

・「ゆらぐ都市」から「つなぐ都市」への道筋をあきらかにしようとする都市論の立場。
 流れがあり変化があり、予測不可能なものにみちあふれていて、しかも〈生あるもの〉をひそかに組織化する都市、常にゆらぎながら、つなぐ活力を秘めた都市に照準されるのである。

2.「ゆらぐ都市」から「つなぐ都市」へ
・「ゆらぐ都市」の二重性
①フローの力に貫かれて幾重にも分断されつつ都市的現実を指して、都市自体がゆらいでいる。――危機の認識
②そうした都市の全体像をもはやうまく対象かしえず、説明能力が急速に低下している都市研究の閉塞的な現状をさして、都市をめぐる知がゆらいでいる。――認識の危機

・現在の都市を、一つの全体的秩序として対象化することはできない。
 だが、ゆらぎのもとにある都市の数々の局所的地点から、社会学的な問いを立ち上げることは十分に可能である。

・都市のリアル――それは、都市の日常的現実よりもさらに生々しい現実である。
 [マジョリティをなす都市居住者にとっての日常は、各種の制度とネットワークのうちに位置づけられる限りで成立する。だが現在、そうした制度やネットワークの隙間に落ち込み、裸の状態でフローの力にさらされてしまう層が多方面で増大している]
 そうした人々の限界的な生の営みが示すもの、都市の現実の裂け目に浮かびあがるものを、ここでは都市のリアルと呼ぶ。

・都市に固有の力:新たな集まりやネットワークを生成するような力。開かれつつも閉じられ、閉じかれつつも開かれている場所を創出する力。諸個人を切り離れつつも、多様な関係性のもとに結びつけなおす力
本書の企図:そうした都市に固有のポテンシャルを個別の問いをモザイク状に組み合わせることで照らし出そう。

・[つなぐ都市]の二重性
①都市の現実の中で、分断を乗り越えて、あらたな共生の場を開いてゆく可能性を模索するという面――接続の可能性
②都市にせまる知がなしうることとして、都市的現実の局所に潜む《都市的なるもの》のポテンシャルを、個別の専門領域のコトバを相互翻訳することで救い出すという面――可能性の接続

3.本書の構成――都市のリアル
・第Ⅰ部 問いのなかの都市
 マクロな社会変動のなかでの都市の状況:居住空間、犯罪、労働環境の危機
 第Ⅱ部 ゆらぐ都市のかたち
 日々の生活に密着した個別的な領域で、フローの力によって生じた危機:家族、コミュニティ、労働、医療
 第Ⅲ部 つなぐ都市へ
 災害からの復興に寄与する社会的な結びつき、文化実践がもつポジティブな力
 第Ⅳ部 都市のリアル
  全体の試みを総括しつつ、都市について人文・社会科学的な知はどのようなアプローチができるのか、その方法論的な課題と可能性を考察する。

・論点が横断的に共有されること
 [近代的なもののロジックを形成する原理についての批判、リスクの問題、ガバナンス(政府一元的、複数のファクターの連携)個々人の記憶やアイデンティティ、語りやナラティブという問題圏]
・労働、家族、医療、コミュニティなど、個別の専門領域の問題を現在の都市の危機的位相に照らして論究しようとするとき、表す共通する論点のネットワークは「つなぐ都市」への道筋を豊かに照らし出してくれているだろう。

論点:
論点1. 都市の現実のなかで、いろいろな個別の専門領域の共通論点をひとつあげて、その関連性と共通性を考えてみる。
論点2. ホーリズム(全体論)への疑いから考え、「つなぐ都市」をめぐって、重視すべき要素を挙げてみる。


<第1班>
論点1. 都市の現実のなかで、いろいろな個別の専門領域の共通論点をひとつあげて、その関連性と共通性を考えてみる。

P1020515.jpg

都市にある色々な項目(文化、教育、労働、医療、家族、地域)をあげ、さらにその項目毎に生まれる問題点をあげていった。全ての項目に共通する問題点のうち、現代において一番重要なのは「自己責任論を推し進めること」と「格差」であると私たちは結論付けた。さらに、解決していく主体についても軽く議論したが、日本社会全体で解決していくべき分野(左側)と、ある程度個人や一定の規模の団体が解決すべき分野(右側)に分けられるのではないかというところに落ち着いた。

論点2. ホーリズム(全体論)への疑いから考え、「つなぐ都市」をめぐって、重視すべき要素を挙げてみる。
P1020519.jpg

上記の論点1において、「自己責任論を推し進めること」と「格差」が重要な問題点というところに行きついたため、それを解決するにはどうすればいいかというところから議論を開始した。まず、そういったことを解決する手段として「つながりをつくること」やそれに類似した意見が多く出た。現代において、形は様々でも人はつながりを重視しているのではないか、そして、そのつながりが一番力を発揮するのは災害時である。実際に「見える」出来事は解決に対する意欲もわくし、解決前と解決後がわかるため、ある種の達成感もある。そうなれば、地域や国の制度を変えることもできる。しかし、「自己責任」や「格差」そのものは見えていたとしても、解決後の姿は見えないことが多いのではないか。問題点の解決にはまず、問題が「見える」こと、そして、問題の解決が「見える」ことが重要なのではないか。すなはち、「可視化」が問題解決におけるキーワードになるだろうというところに行きついた。

<第2班>
論点1. 都市の現実のなかで、いろいろな個別の専門領域の共通論点をひとつあげて、その関連性と共通性を考えてみる。

P1020517.jpg

①まずは都市において起きている、労働・家族・医療・コミュニティレベルの大きさの問題を挙げてみることにした。

②その結果を受けて、その問題が大学でどの学部の専門領域かを考えてみた。すると挙げられた問題は学部横断的な問題であることが明らかになってきた。

③さらに挙げられた問題において共通する論点は何であるかを議論したところ、「階層」ではないかという結論に達した。
その上で「階層」と挙げられた問題との関連性や共通性を考えた。「お金」や「労働」面では「格差の再生産」が起きており、現代において「階層」は「格差」に変化してしまったことが分かった。また、その階層の仕組みから転落するとなかなか復帰できない。そうした人々は次世代に託すことすら許されない。これは改善されるべき大きな問題である。

論点2. ホーリズム(全体論)への疑いから考え、「つなぐ都市」をめぐって、重視すべき要素を挙げてみる。
P1020520.jpg

①まずはホーリズムに陥っているように思われる都市の課題を挙げていき、その問題が大学で言うとどの学部の専門領域かを再び整理した。するとまた挙げられた問題の多くは学部横断型の課題であることが分かった。

②そしてホーリズムに陥ったことで何が問題になっているかを議論した。すると「恩恵を受けられない人々が一定以上出る」「都市を良くするはずの政策が逆に都市を悪くしている」「格差が生じる」「多様性が失われる」などの問題点が挙った。

③それを受けて、「つなぐ都市」を巡り重視する要素は何かを考えた。
結果としては、現状の政策は目先の利益や問題解決に躍起になりすぎて、未来のビジョンがない(例えば、現状において少子化対策を行う一方で間違いなく訪れる超高齢化社会の最適な舵取りの方法が見いだせていない。など)ため、長期的なビジョンが必要だということだ。(2100年に日本で起きる最悪の事態に備えて2014年の時点でどの手を打てばダメージを軽減できるか?など)
さらに、「個」や「多様性」を大切にする社会であるべきだという意見も出された。
また上の階層対下の階層という考え方も出てきた。上からの一方的な政策に下からはどのようにして対峙するか。
所得の再分配、選択と集中、NPOのつながり、教育の均等化などで下の階層に一定以上の力を持たせる必要性も明るみになった。
そのうえで、下の階層が上の階層に働きかけることが出来る社会が理想なのではないだろうか。

<総合司会コメント>
両班ともに、各専門領域の共通の問題として、「格差」が挙げられており、この問題が様々な場所、形で露呈 されていることがうかがえる議論だった。
興味深かったことは、どこの世代に焦点を当てて問題解決に取り組み、その恩恵を受けるか の両班の違いである。第1班では、「格差」の問題解決に取り組んだ結果が見える形で現れる(または還元される)ことが、個々人が 問題解決に取り組むうえで重要であると結論付けた。これは言い換えると、問題解決に取り組んだ個々人の当該世代に焦点を当てているのに対し、第2班では「格差の再生産」や「未来のビジョン」を見つめる必要性があるとし、先の世代に焦点を当てていた。
将来の問題を解 決するために「今」すべきことを考えることはもちろんのことだが、現代においてそこまで見据える余裕がないほど、現代の問題が逼迫し ていることが感じられた。
2014-06-12 18:55 : 『都市のリアル』(14年度学部ゼミ) : コメント : 0 :
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