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第3章 不安の深層から 見えない犯罪の裏側を探る−

第3章 不安の深層から 見えない犯罪の裏側を探る−

KEY WORDS:安全・安心、セキュリティの技術、都市環境、防犯のまなざし

本章の目的

地域防犯活動におけるセキュリティの技術とまなざしの倫理を明らかにし、不安と環境の循環を超える都市コミュニティの可能性にせまる

1 流動化する社会と見えない犯罪

都市のモビリティと逸脱
・モビリティの発展…境界の乗り越え、逸脱の偏在
・セキュリティの技術の発展… 都市空間の境界の再形成・可視化、発展の方向付け
不可視かつ境界を越えるリスク要因を科学技術によって可視化することは、現代社会の流動性を扱う際の端的な様式を成し、同様に、見えない犯罪への対応にも当てはまる。

犯罪における境界のゆらぎ
・近年における犯罪にかかわる諸特徴
環境因への着目→「地域社会がどうあるべきか」という議論
「体感治安」への着目
いつ何時でも、あらゆるもの・こと・場所が機会となって、どんな人でも犯罪に関わる/巻き込まれるかもしれないという不安は、コミュニティ全体の議論へ、同時に、境界の必要性についての議論へ

境界の乗り越えと消滅
・「地理的境界」の消滅…犯罪行動に伴う範囲の広域化
・「社会的境界」の消滅…治安のための共同体そのものが犯罪の温床となりえるリスク社会の自己再帰性を表す
・地理的・社会的境界の消滅…いつでもどこでも薄く広く危険が存在する状況

2 犯罪を可視化するセキュリティの技術

移動のトレースとデータベース
・自動車ナンバー読み取り装置によるデータベース化や防犯カメラ設置数の増加
→「個人監視」から「大量監視」へ

排除と必然性の環境
・「データ監視」の出現…治安維持のみならず、排除のための新たな境界、自己を他者とは異なる明確な主体となることを促す
・インターネットショッピングのおすすめ商品、SNSの「知り合いかも?」
→規制の存在に気づかせることなく、技術的・物理的に行為の可能性の縮減する規制の方法
→自らが特定の何者かになる「自由」を与えてくれる(ように思える)
→自分の行為と志向性との間に矛盾や摩擦を感じない

データベースが、事前に偶然性を必然性に変える

スキャナー化するまなざし
・犯罪の事前予防・防止への関心の強まり
「状況的モデル」
「コミュニティ・モデル」
犯罪環境に着目するまなざしは、都市空間を犯罪環境の要素となる地点の集合に分解、記号化、変換し、新たに編集可能な都市空間を構成することで、あるべき安全な環境を見出そうとする

・犯罪者の主体像の転換
 
割れた窓を見つけ出す
・「割れ窓理論」…日本においても支柱とされた
犯罪環境への着目は、制度化されたまなざしを生み出し、新たな境界の再生産を導くための「防犯のまなざし」を提供する。
 
境界形成と防犯のまなざし
・環境犯罪学の立場から(小宮信夫)
「領域性」…「物理的なバリア」、「心理的なバリア」からなる
「監視性」…「領域内をみやすくしてきちんとフォロー」、「みようとする意識、地域への関心、当事者意識」からなる
・防犯に適した環境整備への批判
犯罪の場所の移転を促し、犯罪予防の環境を用意できない地域が不利益を被る可能性。市民相互の信頼の喪失。社会的排除。公共空間の私事化など
  
3 地域防犯活動による境界形成

準備される共同性
・防犯ボランティア団体のはたらき…失われた共同性を取り戻そうとする
安全・安心まちづくりは、ハード面での整備だけでなく、共同体的価値を有する環境・地域社会の構築を目指すものである
 
自明でアクティブな行為主体
・地域社会・防犯ボランティア団体の構成の偏り
・「資格/能力ある市民」…安全・安心まちづくりという共同体的価値のもとに形成される縄張り意識と当事者意識、擬似的な公共空間の中で地域防犯活動が実施され、そこで活動する主体
→共同体的価値、セキュリティの技術によって能力が供給
→「困難の物語」を共有することなく、境界を形成し排除の倫理を宿す可能性
 
仙台M地区における地域防犯活動の始まり
・地域の変化に対応しようとする活動から生じる
安全・安心への邁進とその後の取り組み
・取り組みが注目され、対外的な評価を意識した
→結果、隊員間のコミュニケーションの希薄、意識・意欲の差が生じた

4 まちを見出す新たな可能性

地域の安全・安心を別の観点から捉える機会はどこにあるのか?
→歴史的まちづくりの視点、価値の多様性を基底として見出されるのでは

鹿児島市Y地区の概要—−自動車社会化
・住宅地・自動車社会→空き巣、車上荒らしの増加

まちのよさを生かす防犯NPO
・まちづくりNPO法人「ねぎぼうず」から防犯NPO「おげんきかい」へ
まちの時間的・空間的拡がりへの意識をいかに保ち、より多くの成員と共有し、防犯のまなざしを相対化する中で、「まちづくり防犯NPO」としての利点をどのように生かしていくのか?
→根本は地域を見直し、つなぎ、心を開くことができる場所づくり

おわりに

・地域防犯/ボランティア活動については、防犯のまなざしを絶対的なものとしない限りで評価可能なものとなる。
→防犯が目的であるだけでなく、まちをつくる手段としてセキュリティの技術を相対 
 化しながらそれとつきあう姿勢の必要性
・「防犯のまなざし」の影響力の強まり
→多様性の縮減、境界の中に閉じる傾向
⇔日常生活とまちづくりが持つ多様性・潜在性の評価が課題

論点
①私たちの日常生活において、データベース化、セキュリティ技術の向上、防犯のまなざし、安全・安心のまちづくりへの取り組み等といったものはどのような場や時に使用され、機能しているか。(排除だったり、規制だったり、必然性を生んだり…)
② ①より、多くのものに守られ、規制されている現在の都市環境においては、安全・安心に関して様々な矛盾や二面性、不安定さを持っているといえる。その様な不安定な都市環境の中で、私たちは個人、あるいは地域としてどのようなことを考えながら、あるいは重視しながら他者と関わっていくことができるだろうか。


<第1班>
論点①
P1020527.jpg

論点①に対して、私たちのグループはデータベース化社会、セキュリティ技術の向上を背景とする現代社会の、犯罪に対する防犯対策から考え始めた。防犯対策の具体例を挙げた上で、「どのような時に機能しているか」に関して、犯罪前の予防策としての「事前防犯」と犯罪後の対応策としての「犯罪後対策」の二つを分けられた。そして、挙げられた防犯対策を「排除」(境界により、自己と他者を明確的に分離する方法)と「規制」(技術的、物理的に犯罪行為の可能性の縮減する方法)の二つを分けられた。「どのような場に機能しているか」に関して、「乗り物、学校、駅」など私たちの日常生活に関われている場所を考えた。したがって、犯罪の危機は私たちの身近いところに潜んで、いつ何時でも、あらゆるもの・こと・場所が機会となって、どんな人でも犯罪に関わる、巻き込まれる可能性があることがよくわかるようになった。防犯対策、あるいは治安維持への取り組みは個人対応や組織管理などいろんな対応形式があって、一体どのような取り組み方は良いなのか、論点②の討議で明らかにしたいと思う。

論点②
P1020530.jpg

論点②に対して、私たちのグループは都市環境の安全、安心に関する二面性の視点から考え始めた。論点①に挙げられた防犯対策が安心感に与える効果を準として、軸を作った。一般論としては、ゲーテッドコミュニティーやオートロックなどが確かに犯罪者を排除されることに機能し、人々に安心感に与え、治安維持にもいいと言える。しかし、監視カメラの設置、刃物規制や、行動追跡など、治安維持に効く一方で、監視社会が人々に不安感を与えるのも事実である。
このような二面性に対して、監視社会の穴を陥らないため、地域内の結びつくことを強める必要があると考える。理想像としては、個人対応や、コミュニティ単位の防犯、信頼関係を作るのはとても大事だと思う。一方で、現況としては、犯罪に関わる人の論理観に委ねる部分があって、機械的な防犯対策をすべて放棄することも不可能であり、できるだけ利用範囲内で、不正利用にならないよう、厳格に規制する必要があると私たちが考えた。

<第2班>
論点①

P1020528.jpg



論点②
P1020531.jpg



<第3班>

論点①

P1020529.jpg

①私たちの日常生活において、データベース化、セキュリティ技術の向上、防犯のまなざし、安全・安心のまちづくりへの取り組み等といったものはどのような場や時に使用され、機能しているか。(排除だったり、規制だったり、必然性を生んだり…)

⇒まず、議論を始めるにあたって、論点の中で例示されている4点を中心として、身の回りで使用、機能していると感じているものを挙げていき、4つに分類わけを行った。そして、それらがどのように関連しているか、重なっているかについて話し合うことで整理していった。ここでポイントとなったのが、安全や安心を目的とし、技術の向上や防犯を行うことが、一方で排除や規制といった負の面も生み出しているのではないかという両義性であった。例を挙げると、人々の情報のデータベース化を行い、日常生活の効率化を図る一方で、そのデータベースによって人々が分類、区別され、その結果、排除が生まれてしまうのである。
以上、このような両義性を班員で共有し、重要な点とすることで、論点②につなげることにした。

論点②

P1020532.jpg

論点①より、多くのものに守られ、規制されている現在の都市環境においては、安全・安心に関して様々な矛盾や二面性、不安定さを持っているといえる。その様な不安定な都市環境の中で、私たちは個人、あるいは地域としてどのようなことを考えながら、あるいは重視しながら他者と関わっていくことができるだろうか。
⇒この議論においては、論点①より得た両義性を基に、そのような両義性、矛盾をもちながらどのように私たちはコミュニティの中で関わりうるかについて考えた。この議論でのポイントは、議論の本筋を安心・安全や、防犯、セキュリティ、データベースの4点とそれらが生む両義性ではなく、別の観点からとらえるということであった。まちづくりをしていくうちに、防犯、安全・安心が包括されていくような視点からコミュニティを考える、というものである。そこでは、両義性や矛盾でよって形成された、すべてが自己責任といった“閉じた社会”ではなく、責任を個人に求めることのない“開かれた社会”となるのである。また、その「“開かれた社会”とは何か?」、「そういった社会にするためには?」という問いに対する手がかりとなるものが、あいさつであったり、テキスト中においては、歴史的まちづくりの視点、まちづくり防犯NPOといったりするものである。時間的な制限もあり、今回の議論は以上でまとまることとなったが、この点は今後より議論が必要な部分であると考えられる。

<総合司会コメント>
私たちの日常生活のありとあらゆる場面において安心・安全な社会づくりへの取り組みが行われている。それは事前対策もあれば、事後対策もある。担い手も個人や組織と様々だ。また自主防犯・カメラでの監視・データベース化と時代が進むにつれて効率化も進んでいる。しかし、効率化によって排除や、表向きは防犯のために行った事であっても結果として不安が増大するなどという裏目が出てしまう事がより顕著になってきた。そうした二面性を持つ安心・安全への街づくりは、多様性を失い、同質性を高めた、「閉じた社会」をつくりあげてしまう。結果として少し怪しいと感じたらすぐに排除の力が働く社会になってしまうのだ。
 そうした社会にならないためにはどうしたら良いのか。議論ではそこまで話が及んだ。挨拶程度が出来る近隣との付き合いや、NPOを活かした街づくりが必要なのではないかという意見が出た。だが現実的には、人々の倫理観や価値観は人それぞれであるため、そうした社会の実現も難しいのかも知れない。
2014-06-27 15:47 : 『都市のリアル』(14年度学部ゼミ) : コメント : 0 :
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