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第4章 働くものの目線 サービス産業化する都市の内側

働くものの目線 サービス産業化する都市の内側
<本章の目的>
非正規雇用の従業員と一部の正規雇用の管理職からなる外食産業の現場にスポットを当て、低コスト・効率重視の現代都市的労働のあり様を浮かび上がらせる。

<キーワード>
「サービス産業」「店舗管理職」「非正規雇用」「フロアコントロール」


1.序論・サービス産業化する都市

20世紀における都市への人口集中(1920年代:18.0%⇒1970年代:75%)
産業集中が主な要因
都市型産業は第1次→第2次→第3次へとシフト(P.クラークの法則)
隆盛を極める第3次産業は非正規雇用に依存
⇒この中で外食産業にフォーカス

・外食産業の市場規模は約23兆2386億円(2012)
⇒中でもファストフードの売り上げは上昇傾向
●好調の外在的要因
①廉価での顧客に対するニーズ適応
②駅近・駐車場無料・ドライブスルーなどの高アクセシビリティ
③ 24時間営業と都市のフレキシブルな労働形態とのマッチング

●内在的要因
①テレビ・雑誌・ソーシャルメディアを用いた宣伝効果
②女性など新規顧客獲得努力
③人件費抑制の雇用形態(外食産業では91.1%が非正規雇用)
*弊害…すき家ワンオペ問題、マクドナルド「名ばかり管理職」問題

2.外食ファストフード店舗の実態調査

・ファストフード店における業務管理

QSC(Quality、Service、Cleanlines)の徹底
そのもとで管理職は

販売促進業務 売上数値管理 人材育成・面談 設備管理
この4つに従事

特に重視されるのが⇒フロアコントロール

顧客がいるフロアをつぶさに観察しながら、最短時間での商品提供に向けクルーの連携を図ること。
・フロアコントロールに必要なのは
クルー管理の技術…店舗ごとの仕事の流れ・ルール伝達
実地での商品提供業務の指導(OJT)でクルーの連鎖的機能を狙う
適材適所のクルー配置…商品提供が円滑でない場合カウンターの人員配置を工夫
母数を増やすより効率的

少ないコストで短時間にどれだけの売り上げを伸ばせるか
=低賃金と高い労働生産性が必須条件…「時間が無い」は許されない
*もちろん、時間が無い中での衛生管理も欠かさず(監査不合格なら店舗管理職の賃金に影響)

的確な指示と配置で
1時間に8万円の売り上げ+フロアの連携が上手くいく
→クルーのモチベーション上昇

・店舗管理者に求められる資質

クルーとの距離を保ちながら適性を見抜く判断力
働くことが楽しいと思える職場をつくれる構築力

自ら仕事を創出できる発見力

クルーとの信頼関係を構築できる人柄

・こんな時には…?
年配の部下を扱うときは、プライドを損なわせない配慮が必要
クルー間でのトラブルにはシフトの組み替え
クルーの能力によって接し方を変えない
→別クルーの前で同僚の評価をするのはNG
⇒「馴れ合いは禁止」「仕事とプライベートの切り替えを徹底」

・24時間のシフト編成と売上
シフト編成はクルー間の横の集団関係を構築する上で重要
馴れ合い重視・機械的どちらもNG

<クルー同士のマッチングを重視>
大学生と夜間高校生のクルー組み合わせ…生活環境が異なる者同士の化学反応
欠員フォローで細かく対応
→クルー同士のチームワーク意識を醸成

+で…人件費抑制の心がけ、販売促進意識の向上
→労働生産性と利益率が向上

But! 人材不足問題
24時間シフトに対してクルー人員は不足傾向
●求人時の問題
①競合他社との差異化戦略の不足②対外的ブランディング戦略機能せず
③学生アルバイト軽視
●採用後の問題…離職率の高さ
原因…流動化された労働市場(主婦層・学生が主)、店舗管理職の過剰労働
→子育てクルーは昇進拒否・離職傾向

対応策…店舗間の人員補充(ヘルプクルー経験を通した店舗間連携の深まりにも期待)
しかし、突然の深夜帯ヘルプ・長距離移動ヘルプの頻発
⇒さらなる労働環境の悪化に

3.まとめ・店舗管理職の都市労働

明確な目標+現状改善=純利益増大(合理的経営へ)
そのために
店舗管理職が抱える仕事…店舗経営、管理業務、人材育成
求められるクルーマネジメントとフロアコントロール→労働生産性向上と利益率アップ
⇒しかしこれらは管理職の過剰労働につながりやすい

労働市場の流動化が進んだ外食産業…出ていくものを惜しむことのできない都市労働の実態が浮かびあがる

<論点>

①本章の調査内容や付録の新聞記事の内容を踏まえ、飲食業の店舗管理職者および非正規クルーが置かれている労働環境上の問題点を挙げ、その原因を考察する。(グループメンバーの個人的体験もあり)

②飲食業の人手不足問題および過重労働問題について、有効な解決策を提示する。この時「ブラック企業は労働力移動によって自然淘汰される」という結論に留まることなく、現場労働者・企業・行政・消費者が改善へ向けてどのような行動をとることができるか、現場レベルと政策レベルの両方から考察する。


<第1班>

論点①

P1020533.jpg


労働環境上の問題点を各自で思い思いに書きだした上で、責任者/非正規雇用者/労働を取り巻く環境の三つのカテゴリに分類した。それを基に議論を重ねると、人口集中や、利便性の追求、都市的が都市たるものとして求められた結果として議題の労働環境が必然的にうみだされているのではないか。という構造が見て取れた。同時に、非正規労働における労働組合の不存在、また都市住民による就労先としての需要といった要因が絡み、健全とはいえない今の環境を維持しているのではないか、と考えられた。

論点②

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前述の議論を踏まえて、あげた原因をもとに現場/消費者/企業/行政の観点から、どのような対応が考えられるか、ということについてそれぞれ意見を挙げた。いずれも理想的なものではあるが、現場においては抵抗力の上昇、消費者においては購買選択の中への労働環境指標の導入促進、企業においては将来的な購買層を育てるための投資という考え方、行政としては労働基準監督官の増員や、法令順守の徹底。などが挙げられた。
この議論では、法律の機能不全が前提にあるため、新たな規制を設けて改善するという意見よりも、意識改革といった方面での意見が多かった。

<第2班>

論点①

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はじめに、各々のアルバイトでの実体験などをもとに労働環境上、問題であると考えられる項目について列挙した。次にそれをふまえて、それらの要因や原因の属性が『個人』/『労働環境全体』のどちらにあるのかを二分類し、さらにそれらを『外在的』/『内在的』なもので分け、計4分類で振り分けた。すると、正規・非正規間の賃金差が仕事へのモチベーションの違いに繋がり、それに起因して全体としての仕事の質に対する向上の阻害が生じるといったことや立場の違いによって根本的にクルー間での意思疎通が円滑に図られていないこと、地位や賃金に見合わない労働量を負わされていることなどが、それぞれがはじめに挙げた具体的事象の根本に潜在している問題なのではないか、という結論に達した。

論点②

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先に挙げた問題の根源を自由競争の資本主義社会における廉価での過剰な顧客サービス主義構造にみた私たちは、この構造自体が人手不足や過重労働問題に否応無しに直結することから、これらを回避する策として、最も強制力を持つ行政には、これまで個々人の主観の域を脱せなかった過重労働の基準を『労働量』という数値化された明確な条件として法的に策定し、それをクリアしない限りにおいて企業の操業を規制するという案が出た。しかし、これだけでは企業側からの反発も当然予想されるため、協力的に賛同した企業には社会貢献推進企業として消費者に提示できるなどのメリットを用意して、行政―企業間で妥協点を見出す必要性がある。また、議論ではこの他、労働者/消費者の立場からも改善を図る策を検討したがいずれも強制力を持たないために、結果として行政を通じての改善が現実的ではないかという意見も見られたが、そのように働きかけを行うのは他でもない労働者/消費者の側であることから、労働環境に関する課題への意識を持ち、実際に行動におこすことの不可欠性があると言える。

<第3班>

論点①

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教科書の内容やグループメンバーの実体験を踏まえ、飲食業の労働環境の問題点として大きく分けて3つが挙げられた。1つ目に、年齢層も多様でかつ社会的立場も異なる者どうしが同じ環境で働くことによる、人間関係の煩わしさ。2つ目に、管理職とアルバイトどちらにも過剰労働を強いる、慢性的な人員不足。そして3つ目に企業の人件費削減を受けた賃金の低さだ。
 飲食業においては、以上のようなマイナスイメージが増大することで人員不足が深刻化し、現場の労働環境はさらに悪化するという負のスパイラルに陥っているのではないかと結論付けられた。

論点②

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利潤の最大化を図る企業、給料や生きがいを求める現場の労働者、利便性を求める消費者。現状の問題点は、飲食業が成長を遂げる中で消費者が求めるサービスの質の高まりとともに、現場を顧みない企業側の過剰サービスによって発生していると考えられる。
このことを踏まえると、消費者側にできることは「現場労働者へのねぎらいを忘れない」などといった精神面での改善くらいしか考えが及ばなかった。しかし、企業側に対しては政策レベルでの解決策として、何らかの規制強化をしたり規則を設けたりすることで「無意味な24時間営業を減らす。」「店舗数を減らして1店舗の人員を増やす。」「現場に目を行き届かせ、ゆとりある働き方を促す。」などが可能であると考えた。
以上のように、行き過ぎたサービスが今本当に必要なのか企業側と消費者側が共に再考し、現場の負担を減らすための取り組みが、現場レベル・政策レベルで可能であるという考えに至った。

<総合司会コメント>

第三次産業の労働環境をテーマに扱っているが、これらの問題は都市であること・都市を構成する要素と不可分に関わっている。それは人口の集中であり、また、非フルタイム労働者としての若者、女性が求める就労先としての存在でもあり、そして第三次産業に従事する者を対象とした市場である。言いかえれば一次産業、二次産業を主とする地方では都市のような飲食、コンビニエンスストアのあり方と、地方にあるそれとでは少し様相が異なってくる。

労働環境の問題について、現場を回すには圧倒的に不足している人員と、対して可能な限り人権費を削減したい経営側との相互の不一致、またその印象により労働者の定着がすすまないという負のスパイラル、人的資源をすり減らして利益を生み出しているといったような都市の中の矛盾の一つの顕在化とも取れるだろう。

法律の順守は前提として過剰サービス気味にある現状から抑制方向に入る、労働者が抵抗力を持つ、など、意識改革、啓蒙的な部分での改善が必要という意見があげられた一方、非正規での労働組合という意見がすくなかったとの先生の指摘もあった。
2014-07-10 19:35 : 『都市のリアル』(14年度学部ゼミ) : コメント : 0 :
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