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グローバル・シティ 第1章 本書について

第1章 本書について

1.本書の主題
・主題:都市と経済の関係性
「都市は経済によって形作られてきたといえる。」

・1960年代、経済活動が新しくなるとともに、特定の場所で世界経済の構造の変化。具体的には以下の3点。
①かつて有力産業の中心地だった都市の解体。
②第三世界のいくつかの国で産業化が急速に進んだ。
③金融業の急激な国際化を経て、世界中で取引できるネットワークの形成。
→都市と国際経済の関係が変化。

2.国際経済の変遷とグローバル・シティの登場
・W.W.Ⅱ以降
アメリカが牛耳る世界経済とブレトン・ウッズ体制(1944)によるグローバル貿易のルールが国際レジームを支える。
・1970年代初頭~
上記形態が崩壊、そこにアメリカの巨大な多国籍企業と多国籍銀行が参入。
→国際経済秩序の管理機能が企業の本社から流出。
・1980年代初頭~
アメリカの多国籍企業は第三世界の累積債務危機という問題にぶつかる。
アメリカ企業の対外国企業の市場占有率低下。
→グローバル経済を支える地理的条件や、グローバル経済の構成のされ方が変化する中で複雑な二重性 が生まれたが、これのおかげで国際経済は完全崩壊を免れる。
→大都市は新しい戦略的な役割を担うようになった(本書の出発点)。

・大都市は1980年代初頭まで、国際貿易・銀行業の中心であったが、この役割に加え、以下の機能も担うようになった。
①指令塔が密集する場。
②金融セクターと専門サービス・セクターにとって重要な場所。
③金融や専門サービスという主導産業における生産の場。
④③でできたものの売買の場(市場)。
→膨大な資源を支配する力が都市に集積されるなかで、金融や専門サービス・セクターは都市の社会的・経済的秩序を作りかえる。
→これが国際経済と都市の在り方に大きな影響を与えることになり、新しい都市(グローバル・シティ )が誕生。
→また、先述した都市の新たな4つの機能ができたのと同じ頃に、ニューヨーク・ロンドン・東京では、経済基盤・都市空間の構成のされ方、社会構造が大きく変化。
→歴史、文化、政治、経済すべてが異なる場所で同じ時期に同じことが起こるのは一般的にはありえない。…(1)

・グローバル・シティは、空間、都市内部のダイナミクス、社会構造というそれぞれ大きな意味をもつ要素が組み合わさって構成されている独特な場所である。

・世界経済の重要な骨組みがつくられるのは決まってグローバル・シティをはじめとする都市。
→その必然性を分析すれば、(1)が起こった背景や秩序が見えてくるのではないか?

3.本書のテーマ
・本書のテーマは以下の4つである。
①二重性
②二重性に基づく経済成長がグローバル・シティ内部の経済秩序にどう影響するか。
③経済の展開が各国の都市システムとグローバル・シティの国民国家への関わり方に同影響するか。
④新しい成長の形や条件がグローバル・シティの社会秩序に及ぼす影響。

4.本書への導入
・生産者サービスと金融の成長は、経済的な二極化の要因のひとつとなった。
→なぜこのふたつのセクターは急成長し、グローバル・シティに集積したのか?…(2)
→本書への導入として、この問いに対して説明する。

・1970年代以降、生産者サービスと金融が急速に成長、グローバル・シティに集積。
→1980年代に起きた成長は、製造業からサービス業への移行という経済の大きな流れに乗っただけであり、集積した原因は、サービス・セクターでは直接顔をあわせるコミュニケーションが必要だったから。
→しかし、これは間違ってはいないが、あたってもいない(サッセン 2008)。

・(2)を考える上で、「近代的な技術が登場しても、19世紀から行なわれていたような労働はなくなっていないこと」は踏まえておかねばならない。
→これを踏まえて考えると、(2)の背景にあるものが「グローバルな組み立てライン」だということに気付く。
→プランニング、内部管理、製品の開発・研究の重要性が増し、複雑になっている。経営陣トップに高度に専門特化したスキルが求められる。
→「生産者サービスに対する企業の依存が高まり、これがさらに、生産者サービスを売る企業間でハイレベルな専門知識を育み、発展させている」(Stanback and Novelle 1982: 15)

・高度な専門サービスへの需要が高まる背景には、経済活動の地理的分散や生産者サービスだけでなく、国際的な銀行の成長と、最近多様化してきた金融業も要因としてある。
→ここ10年で金融業が多様化・国際化した結果、グローバルに展開する金融を「管理」する機能がごく限られた大都市に集積、金融イノベーションも少数の大都市でのみ生み出されるようになった。

・グローバルなネットワークを管理し支配するためには専門サービスが必要である。
→多様な専門サービスへの需要がつくられ、高まった。

・企業を顧客とする高度専門サービス業は、生産者サービスのなかでも非常に重要な位置を占めており、この部門が伸びたことと生み出されているモノの性質を考慮すれば、管理する機能とサービス提供機能が中心に集積し、1980年代に大都市の好景気を刺激した背景が見える。
→ただし、集積した原因は、専門サービスを共に提供する企業の隣接と、そこで働く高所得層の大都市での生活への需要・要望の高まりである。
→生産者サービスと金融の成長が、もっぱらグローバル・シティのみで起きている背景。

5.本書の仮説
・今日の経済成長に大きく貢献している産業・地域・職種は、W.W.Ⅱ直後には中心的なものではなかった。
→衰退という深層構造の変化なくして、新しい成長はありえなかった(サッセン 2008)。
→1980、1990年代の経済の「高空飛行」を支えたものは、昔ながらの製造業を衰えさせたダイナミクスである。
→衰退と成長を引き起こしたシステムの連続性を本書で論じたい。

①製造業が地理的分散したために(これが古い産業の中心を衰退させた)経営とプランニング、これらが必要とする専門サービス(グローバル・シティの成長の重要な源)を管理する機能が中心に集積することになった。
②金融業でもとくに中心的なセクターは、他の産業(なかでも製造業)に悪影響を及ぼす政策・状況からたびたび恩恵を被っていたため、全体的に見ると、大都市では専門サービスが成長したが、それ以外の地域では経済基盤はゆらいだ
③①②を手がかりとすると、グローバル・シティとグローバル・シティがある国民国家、世界経済の関係が変わってきているといえる。
④成長が生まれる条件がこれまでと違う新しいものになった結果、グローバル・シティで階層が再編され、二極化が進んでいる。

6.論点
論点① 
サッセンは本書においてグローバル・シティのひとつとしての東京を論じようとしているが、東京について私たちはどのようなイメージを持っているか。
論点②グローバル・シティは確かに世界を統治する巨大都市であるが、周辺の都市とどのような関係性にあり、どのような関係性を持つことが理想か。

<第1班まとめ>
論点①
「こういう人がいそう」「こういう土地のイメージ」「経済的にはこんな感じ」というような「東京」のイメージは、メディアによって私たちに浸透しているように思える。ただし、それは、「東京」自体がそのイメージの発信を要求し、メディアがその役割を担い、私たちが受容することによって認識されるものではないか。そして、「東京」のイメージを持った私たちに、更なる「東京」のイメージを与えるべく、「東京」次のイメージ生産をし、メディアがその発信をするというスパイラルへと続いていくと考えた。
論点②
大阪を周辺都市として議論した。現在、東京は日本における政治・経済の中心であることに間違いはなく、大阪は圧倒的とは言わないまでも、都市としては東京に劣っている。つまり、東京ありきで存在しているようなものである。しかし、東京への対抗心ゆえ、大阪が都市として成長していることもまた事実であるから、東京は大阪から学ぶこともある。したがって、東京と大阪の役割をはっきりとさせることで同じ時間で得られることも2倍になるのではないかと考えた。具体的内容に関しては、時間の関係で議論できなかったが、東京が驕るのではなく、うまく住み分けをすることによって、日本全体がよくなるのではないかというひとつの提案である。
2015-05-10 18:44 : 『グローバル・シティ(サッセン)』(15年度前期大学院ゼミ) : コメント : 0 :
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