スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:-- : スポンサー広告 :

地域の社会学  第3章 地域を枠づける制度と組織

第3章 地域を枠づける制度と組織

●この章の目的と扱う内容
目的:地域社会の結びつきは、地域を単位として作動する制度やシステムを介してなされており、その意思決定を不特定多数の人々が行う場として地域が位置づけられることを明らかにする。
内容:まず地域について1節で、土地・空間に関与する主体としてどのような組織・個人・集団・団体が存在するか、その関わり方はいかなるものかを概観する。2節以降は、1節で概観した主体について個別具体的に検討する。「国家と地方自治体」「学校と教育委員会」「市場と資本」「政治とマスメディア」の順に展開する。

●キーワード制度と組織、土地・空間、地方自治、地方分権、都市政策・地域政策、意思決定

1節 制度と組織
地域の物質的基盤としての土地・空間
⇒ここに関わる主体として大まかに下の5つが存在

コミュニティ論演習A/レジュメ_ページ_1

◎土地・空間との関わり方
⇒売買や貸与、それによる収益確保、住宅・オフィス商店としての利用、管理による規制、全体として秩序づけ保障する
◎「共同体の解体」と「空間の商品化」
⇒集団による管理から個人による自由な処分へ、個人が直面する空間的拘束が具体的集団から形式的な管理規則に変化し、地域が見えにくくなる
◎公的機関の支配的な影響力
⇒個人と企業は私有財産制度と市場原理が存立を保障し、その中で自由な購買・営利・居住活動ができる。そしてインフラを提供し、管理保障に特権的影響力を持つのが公的機関
◎社会的つながりの重要性
⇒社会的孤立が叫ばれる現代、管理規則とは異なる人間のつながりの維持が見直される。つながりを再生産する空間的基盤として、住居・社交場・施設が不可欠。人々と地域を結びつける絆の形成に寄与。(ex.下町の商店街、公共施設の整備・改善とそれを支える住民運動、NPO・NGO)

地域政策を民主的に進めていくために、どんな組織が必要か?

2節 国家と地方公共団体
公共機関の地域への関与の仕方
①土地・空間を私的に所有(軍用地、官邸、皇居など)
②公有地を管理(河川、林野、道路など)
③空間・土地を管理する民間企業の規制(都市計画、地域政策、インフラ)
④個人の空間・土地への関与の保障(所有権、財産権、警察権)

◎国家と地方公共団体では①~④の関与を巡って力関係による差
⇒機関委任事務 を通し、都市・地域政策が国家→都道府県→市町村と上意下達
⇒管轄する空間の広さと規模に応じて考えると、住民サービスには最小単位の自治体の施策が反映される「地方分権」へ(ex.外国人への公的サービス、公害防止条例など)

◎行政の専門性の高まり⇔市民の地方政治への関心希薄化
⇒しかし身近な問題を政治的に解決できるのは地方自治体


「地方自治は民主主義の学校」の実践へ

3節 学校と教育委員会
◎教育…地域にとって、基本的人権と民主主義にとって重要
⇒地方自治体(政治的実践の場)と教育(社会的実践の場)は重なる
⇒学校や教育委員会も地域の要望を反映させていくのが本来の形

◎しかし教育には地方より国家の意向が強く反映
⇒中央教育審議会による教育目標の設定、教科書検定など
⇒超越的権威となる国家が教え込むというイデオロギー装置に
◎教育についての地方自治
子どもをどのように育て、大人が生涯を通じてどのように学ぶか
⇒市民の教育文化活動と、対応する学校や教育行政のあり方を地域で決める
⇒地域産業の歴史的蓄積や文化状況を踏まえた教育を

◎教育委員会の委員は公選にすべき?
戦後教育改革で一度は教育委員を住民の直接選挙で選出した(教育委員会法)
⇒しかし実情に合わないと、首長が議会の同意を得て任命する形に(教育行政法)
⇒一般行政とは独立の行政機関 ゆえ、余計に旧文部省の中央統制が強化された

◎地域主導という戦後教育改革の理念は、住民主導の教育文化活動に受け継がれる
⇒つまり、学校教育よりも社会教育の場面で住民自治の教育がなされてきた


地域において住民による教育文化活動がどのように堆積してきたか

4節 市場と資本
◎企業と市場経済…行政よりも地域に影響力を与える
⇒企業城下町では、当該企業が固定資産税と事業税による地方税の源に、関係者が地方議会に送り込まれ市政に影響力を持つ
⇒工業地域、商業地域、業務中心地など、地域の景観や空間的特徴も作り上げる

◎事業活動の内容や資本の性格によって地域との関わり方は異なる
⇒企業規模が大きくなれば、経営者や従業員は地域社会には無頓着に
⇒全国規模・国際規模の企業が、立地周辺の住民生活に悪影響を及ぼすことも

◎製造業と地域の労働力との関わり
製造業に必要なもの:個々の技術力と、他と円滑に協働する団体的訓練を積んだ労働力
⇒基礎的な適応力(学力)と協調性を持つ…学校教育で求められる能力と対応
⇒製造業は労働力の再生産に強く関心を示す資本、そのため地域の教育や文化との結びつきが強い(but.国内の労働力移動は容易だったため、国家の教育と結びついてきた)


◎金融資本と建設資本
事業にあたって、建設と破壊を必要とする
金融:利得を回収するため投資先をフレキシブルに変更、地域がその投資先となるため産業のスクラップ・アンド・ビルトが起きる
⇒地域住民の雇用も柔軟化する
建設:土建国家で営まれてきた数々の公共事業(大規模都市・地域開発、インフラ開発)で地方の雇用を確保、地域の建造環境、自然環境、景観や文化的アイデンティティを変えていく
⇒地方分権の推進で、公共事業の見直しをどれだけ図れるか

◎グローバル資本の地域への影響
ローカル資本の町工場や商業…町内会を通じて地域社会のパートナーに
グローバル資本の企業城下町…グローバル経済の変動により打撃を受けることも
(ex.釜石、豊田など)

◎資本と地域の関係について、地方自治体が果たすべき独自の役割
⇒地域社会に根差した産業を維持し、教育政策もその労働力の再生産に寄与
⇒安定した雇用と慣れ親しんだ景観を保って、愛着のある場所での定住を実現


地方分権で自治体の経済政策を模索

5節 政治とマスメディア
◎地方議会・政治とマスメディアの関わり
マスメディアが形成する世論や言論が、議会を通して威力を発揮する(政策や条例の制定支持)
また統一地方選の動向や結果にはマスメディアの力が大きく絡む(争点の設定など)
⇒マスメディアと地域政治との関わりを検討する必要

◎メディアの性質上の問題
日本のメディアは東京一極集中
⇒地域政治の問題はナショナルなレベルでしか報道されない
⇒身近な自治体政治への住民の関心が薄い要因に


地域政治と住民自治の活性化のため、ローカルメディアの発達を
論点1
地域の①自治体、②教育機関、③企業 ④住民組織が私たちの生活に及ぼす影響はどんなものなのか、メリット・デメリットの両面から議論する。
論点2
②上記の組織のあるべき姿について本章では各項ごとに記述されているが、あるべき姿は実現可能なものなのか、住民に及ぼす影響と組織の性質上の限界に着目して批判的に考察する。(①~④いずれかにしぼっても構いませんし、①~④のうち本章において相互関係的にあるべき姿が述べられているものがあれば、相互に検討してもいいです)

【論点1】
① 自治体
メリット:治安維持・公衆衛生・補助金
デメリット:税金を払う必要性・規制をうける

② 教育機関
メリット:子供の見守り・教育の場
デメリット:地元との摩擦(うるさいなど)

③ 企業
メリット:雇用の場・地域活性化の担い手
デメリット:公害問題を引き起こす・不況の原因にもなる

④ 住民組織
メリット:防災への取り組み・ごみの清掃・地域のつながり
デメリット:地域に無関心な住民が参加しない・問題解決能力に欠ける

⑤ まとめ
メリットとしては、なにかが発生したときに助けてくれる存在であり、サービスの提供主であること。一方デメリットとしては、労働力や家族にかける時間などを個人は提供する(=奪われる)立場になることが挙げられる。

【論点2】
「地方自治は民主主義の学校」という視点から議論を行った。そのために必要とされているのはやはり、課題を住民自ら解決できるという実感の創出だ。地域への関心を住民が持つには、居住地や勤務地の一致や郷土教育の推進など子供のころからのアプローチが必要だ。しかし、課題として都市部への人口一極集中による、地方の人材難、仕事に手いっぱいという現代のライフスタイルなどにより、真の住民自治・地方自治の実現は難しい状況になっている。そのため、自らが当事者になった時に初めて地域の問題点に気づくということが一般的になってしまっている。(例:子育て)

<総合司会コメント>
論点①にかかわって
 地域の「自治体」、「教育機関」、「企業」、「住民組織」が私たちの生活に及ぼす影響はどんなものなのかを議論していくとき、メリットについては上記四つの枠組みや組織のいずれにおいても、いくつものメリットを拾い出すことができた。その反対に、デメリットについては、ほとんど拾い出すことができなかった。そのわけとして次のような点が考えられる。
その一、それは、議論した私たちが上記四つの地域社会の枠組みや組織の現状を、所与のもの、あるいは私たちが支配的な力により枠組みされている現状をありのままに受け止めていることの表れであるかもしれない。
その二、テキストで使われている「国家と地方自治体」を、論点では「自治体」と置き換えたが、地域に生きる住民にとって身近な「自治体」に対してデメリットのイメージは起こりにくいものだったのではないか。
その三、同じくテキストで使われている「学校と教育委員会」を「教育機関」、また「市場と資本」を「企業」と置き換えたが、そのことにより、テキストの中で意図されているそれぞれの枠組みや組織の社会に対する影響力、規制力を積極的に拾い出す議論につながりにくかったのかもしれない。

論点②にかかわって     
上記四つの地域社会の枠組みや組織の現状を、あるべき姿にするための課題や方策を、グループ論議で数多く上げることができた。それら一つ一つが重要な点を指摘しているが、章末の「セミナー」にあるように、「自分が特別な感情を抱く土地・空間に関係するルールについてどれだけの影響力を行使することができるか」について考えてみる必要がある。なぜなら、若者が政治に関心を持たなくなったことや、地域行事に参加しなくなったことを私たち自身がどのように自分自身の問題としてとらえるかは、「地域社会のつながり」や「地域社会の枠組み」をどうとらえるかに直接かかわる問題であると考えるからである。

2015-05-17 16:13 : 『地域の社会学』(15年度前期学部ゼミ) : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

contents

過去の記事

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブログ検索

訪問者数

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。