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グローバル・シティ 第4章 金融業の国際化と拡大

第4章 金融業の国際化と拡大

金融業では、1980年代初頭を境にして規模や組織が大きく変わり、金融商品と金融サービスの需要と供給にも急激な変化がみられた。

▼ 条件/背景?
①規制緩和による国内市場の解放。
②主要金融機関の市場への参加が増えるにつれ、莫大な資金が市場へ流入。  
ex) 保険会社、年金ファンド、信託銀行など
③イノベーションが開発され、莫大な金融資産が市場性の高い商品へ転換。

▼結果
⑴ 金融業の規模は拡大し、取引のペースが早くなった。
⑵ 金融業界全体に占める銀行融資の割合が劇的に減った。
⑶ 債券や株式に加え、非流動性の商品を市場に売り出す。

▼本章の目的
以下の四点を中心に金融業の変化(規模・構成)を具体的にみていく。
⒈ 証券投資家と機関投資家の重要性の高まり
⒉ 国際的な株式市場の形成
⒊ 1980年代に日本の投資家が担うようになった新しい役割
⒋ 1990年代の大規模な金融再編

成長の条件と要素

1972年以降、国際的な金融活動は全体的に高い成長率を維持してきた。
> 1972—1985年
資金源:原油価格の高騰に伴って増えた石油収益である。
資金: アメリカの巨大多国籍銀行によって扱われている。
> 1980年代〜
資金源:国際的な証券取引が飛躍的に増えた。
資本: 先進国の間でのみ、行き交うようになった。
国際金融市場
> 1960年代
 ユーロカレンシー市場が国際金融市場としてはじめて登場した。
> 1970年代初頭まで
 国外に支店・子会社・営業所を作り、海外で事業を展開するノンバンクにサービスを提供する。
 ただし、多国籍企業が台頭し,情報通信技術が発達したことで、国内銀行の海外支店は存在意義を失った。
> 1976年—1980年
 国際金融の重要な要素として現れたのが、オフショア金融の拠点とユーロダラー市場である。
→国内市場に特有の規制や制約が回避されるようになり、銀行資本の流動性が高まった。
> 1980年〜
 1982年の第三世界累積債務危機により、アメリカの多国籍銀行の地位は揺らぎ、国際金融活動における銀行のシェアーは激減し、貸付の多くは証券市場を経って先進国間で行われる。
 証券会社と金融サービス会社は、国際金融市場を支配する最も重要なノンバンク金融機関として国際金融に関わる幅広い経済活動をカバーしていた。

→ノンバンクが背負い込んだリスクは未曾有。成長を支えていた投機の水準は極めて高くなった。世界的な規模で統合が進んだという事はブラックマンデーやメキシコ危機(94-95年)、アジア通貨危機(97年)、ロシア財政危機(98年)が世界的な連鎖の中で起きたことを意味する。

国際的な株式市場の形成

▼ 形成
>1980年代以前
・株取引のための国際市場は存在しなかった。
・国際資本投資の規模が小さく、極限られた証券取引所でのみ行われていた。
・海外株式に上場している株式へアクセスは制限された。
>1980年初頭から
・株式と債券の国際取引は飛躍的に伸びてきている。
・国境を超えた株取引が増え、規制緩和と大口の機関投資家が投じた巨額の資本を背景にし、国際株式市場まで形成された。
▼ 目的
→買う側:よりよい株価収益率が見込める他国の株式市場に転がっているチャンスを利用する
→発行する側:潤沢な資金と新しい投資機会の獲得
▼ 拡大
 世界ほとんどの株式市場の規模が大きくなり、価値の急騰によって投資家が自国以外の株式市場に惹き付けられた。
▼ 株式市場起伏
 1980年代に一気に進んだが、1990年代に差しかかる頃に減速した。1900年代中盤・終盤には、幾多の危機を迎えながらも資本化は再び加速した。
▼ 株式市場の成長における傾向(1999年まで)
 ① 多くの国で株式市場は拡大した。
 ② 世界の株式市場の時価総額に占めるアメリカの割合が減った。
 ③ 時価総額が増えたものの、一部の決まった市場に集積した。(米、英、日)

金融の証券化

▼ 証券化
 多様な金融資産や債務が売買可能な証券へと転換され、仲介のない直接取引ができること。
▼ 求められる条件: 新しい金融イノベーション
▼ 証券化した結果: 多くの金融商品の誕生
  →以前より広い市場が必要(国内規制緩和・国際化)

→投資信託などの金融機関が市場でのシェアーを増やす一方、国際的な銀行融資は金額もシェアーも大幅に減っていた。
→国際的な資本市場で主な金融商品は、普通社債やシンジケートローン、多彩なユーロ商品である。

グローバル資本市場のいま

・国内金融市場の規制緩和
・国際資本のフローの自由化 →金融市場の驚異的な成長
・コンピュータと情報通信技術の普及

▼ 本節の討論
 金融市場の成長:金融の歴史が新たな段階に達したか/今のグローバル資本市場の国民経済に占める構造的な比重が、以前にも増して大きくなったのか

▼ 1980年—<金融時代の開幕>
特徴:イノベーションを生み出す推進力
今日の金融:
⑴市場取引が行われる場は、一定の地域に集中。
⑵金融商品とその実際のもととなる資産との間に距離のある商品の増加。

▼ 筆者の観点
 現在グローバル資本市場とWWⅠ前の金本位制の時代と重要な違いが三つある。
⒈年金ファンドや保険会社などの機関に、市場を支配する力が集まってきた。
⒉新しい情報技術がもたらす金融市場の属性-速さや瞬時に通信ができる。
⒊金融イノベーションが爆発的に増えた。

金融危機

▼ 資本市場のグローバルな統合 ―<諸刃の剣>
1990年代に経済成長を促すもの ⇔ 東アジア諸国で経済危機の発生

▼ 東アジア通貨危機
 背景
・資本市場のグローバル化な統合によって債務過剰を引き起こし、投資家たちは東アジア諸国の市場に1990年代初頭になだれ込み、経済危機が起きると一気に退散したため、好景気が崩壊した。
・商業銀行の衰退にかわる証券業界の台頭。この業界がもつ技術的な機能も向上した。
・資産の管理・運用によるヘッジ活動が積極的に行われるようになった。
・銀行は証券界に対抗するのではなく、長期的な成長予測を受入、資本の流入を増やす事
で金融情勢の変化を促した。投資のリスクや質を全般的に軽視する傾向を広め、資本の流出に一役をかっていた。

→市場における金融機関の自己規律の欠如が「モラル・ハザード」問題として浮き彫りになった。

▼ 金融危機からわかること
・資本が移動しやすくなるなかで、国内政策の自律性が弱まっている。特に、発展途上国。
・国内機関投資家の強固な基盤(年金ファンド、保険会社、投資ファンドなど)を発展させることが重要。
・金融システムを自由化させ、資本の可動性が高まる国が増えるなか、資本の流出入の管理は以前にも増して複雑になってきている。
・これまでの経済危機は、先進工業国より発展途上国にたいして甚大な影響を及ぼしてきた。


まとめ

70年代                  
主導 銀行業務を行う多国籍銀行        
分布 発展途上国(資本提供・公債の提供)
オフショアバンキングセンターの設立の発展
80年代
主導    投資銀行や証券会社
分布    先進国(資本の輸出・輸入)
       主要都市が金融センターとして成長したため、資本がオフショア銀行から本国に戻された。

本章の分析にとって重要なポイント
→市場と金融センターの重要性が、金融再編と同時に高まっていったこと。

金融市場:需要・供給の役割を果たす。
主な金融市場:従来と異なる第二タイプの経済活動が活発になった。
 (極めて投機的な金融商品の売買、新しい商品の実験)

→銀行の提供するサービスの範囲を超えた。「有用性」の捉え方も変化した;
 有用性の高い商品の市場は規模・範囲が広くなると共に、複雑になった;
 多様な専門企業や膨大な取引に対応するだけではなく、金融商品をより生み出すための
進んだ機能を支えるようになった;
 技術・資本集約的な経済活動を行うことで、金融業の価値はいっそう高まっている。

→仲介機能を持っていた銀行のメカニズムが単純なのに対し、金融市場は複雑で、競争が激しく、革新的でリスクが高い。仲介機能が銀行から金融センターへ移った。

【論点】
金融業の国際化と拡大によって資本のフローは、世界的に自由化が進み、主要都市(ニューヨーク、ロンドン、東京、香港et)が金融センターとして成長してきた。
 こうした都市は富裕層にとってショッピングや投資、投機など魅力的である。しかし、現地の一般市民は、金融の国際化と拡大に伴い、日常生活にどのような影響を受けているのか。

<中国人グループ>
 論点については、金融業の国際化と拡大によって主要都市が金融センターとして成長してきたことは富裕層にとって魅力的であるのに対し、一般市民の日常生活にどのような影響を与えているかについて①「プラスの影響」と②「マイナスの影響」の2つに分けて討論した。
 また、①と②を「生活」「人口」「金銭」という3分類にグループ化し、分析ができた。「生活」グループはプラスの影響が多くみられた。「都市開発による都市全体の便利性の上昇」、「ライフスタイルの多様化」などが挙げられた。マイナスの影響として考えられるものは「都市原住民のコミュニティの崩壊」、「競争の増加」である。「人口」グループは、人口の増加による「エリートの集中」がプラスの影響として挙げられる一方、「差別」「人ごみ」というマイナス影響も考えられた。また、「金銭」グループはマイナスの影響が目立った。その中で「所得格差」、「貧困問題」などが特徴的であった。また「就職チャンスの増加」といったプラスの影響が挙げられた。
 金融市場のグローバル化に対抗するNPO、NGOといった組織が必要であると結論付けた。

≪総合司会のコメント≫
金融の国際化と拡大に伴い、現地の一般市民の日常生活にどのような影響を与えているか、今回もまた日本人チームと中国人チームに分かれて議論した。
日本人チームは、東京での事例を考え、一般市民の受ける影響と実際に日本に外資を流し入れた人々が受ける影響に分けた。そこで、外資系企業やグローバル化の流入により、長期的なスパンで物事を見る視点が欠け、短期間で利益を上げる視点が重視されるようになったことが結論づけられた。
中国人チームは、特にモデルを設定せず、一般市民が受けるプラスの影響とマイナスの影響について議論した。一般市民が受ける影響を生活面・人の面・お金の面に更に細分化していた。結論は、結果的には便利になるけど、格差がより広がることになるので、NGO,NPOの民間組織がより重要になってくるというものであった。
今回は、日本人チームも中国人チームも、一般市民が受ける影響について挙げていたが、文化の違いで差が出るかと思われたが、実際は挙げた項目には共通性が高かった。グローバル化による影響は、日本でも中国でも同じように現れているのではないかと考えた。
2015-05-29 20:17 : 『グローバル・シティ(サッセン)』(15年度前期大学院ゼミ) : コメント : 0 :
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