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グローバル・シティ 第5章 生産者サービス

第5章 生産者サービス

◆生産者サービスについて
・生産者サービスと金融の在り方の変容、先進工業国の経済と国際化で担っている役割の変化
→➀産業の生産、➁経済における役割、➂市場よりその性質をみる必要性
・生産者サービスの中でも中心になっているのは、企業向けの市場と消費者向けの市場が混在する産業。
・生産者サービスの利用者は、最終消費者ではなく、民間・公共問わず組織である。

本章で分析したいこと・・・生産者サービス産業の成長力、立地パターン、集積・専門特化・規制緩和の関係

特に筆者が気になること
➀生産者サービス産業が集まる地域には、企業同士が密なつながりをもつ地域的複合体ができるのだろうか
➁金融センターには産業の中心地とは異なる生産者サービスの複合体ができるのだろうか
➂サービスの専門特化が進むことは、生産の標準化やグローバル規模への市場拡大を支える情報通信技術の発達とどう関係しているのか
➃規模の経済性や多角化の経済性が可能性として存在していることは、生産者サービスの配置のされ方にどう影響しているのだろうか
➄生産者サービスには先端的な通信技術が必要だが、この必要性はこういったサービス立地パターンにどのように影響しているのだろうか
➅特定の地域への集積が進む中で、中心的な諸機能が置かれる場とはいったい何なのだろうか

◆サービスというカテゴリー
・新古典派経済学やケインズ経済学・・・モノ(財)の生産とサービスの生産の差異は看過されてきた
・最近のサービスに関する研究・・・新産業経済という概念を用いた分析が多い。
・ガルブレイスとフックス・・・生産者サービスの概念、経営管理の技術的な基盤研究の先駆け
・ドゥロネとギャドレ・・・サービス産業の成長が生産の過程で使われる中間投入財あるいは補完的な投入財としてのサービスへの需要拡大と関係しているという見方、消費サービスの需要拡大がサービス・セクターの初期の成長をもたらしたと説明。
・生産様式の変化への着目・・・専門サービスの需要増加
・現代社会を支える基盤での研究・・・多くのサービスを必要とする生産様式とサービス技術の近代化と産業化を重視する姿勢。情報の発展様式が制度や経済の基盤に。

†成長と専門特化
・注目すべきサービスの区別・・・需要に応じてサービスが生産される受動的な視点と供給にとって決定的に重要なサービスとしてみる能動的な視点。
→マーシャルらの研究
・企業の規模拡大・複雑化・多角化・・・機能の細分化による地理的な分散→本社の機能の複雑化
・生産サービス産業の発展・・・例:アメリカ企業における多国籍企業の躍進
・サービスの専門特化・・・市場の規模が拡大すると、生産者サービスで専門特化が進む
→生産者サービスに投入される財が専門特化する一方で、生産者サービスが生み出す財は標準化する
→1980年代~グローバル経済の地理的な特徴と構成要素の変化・・・専門サービスの投入財としての需要拡大、技術革新の必要性の増大。市場への極度の集中。


†立地と集塊
・1980年代・・・消費者サービスは生産者サービス以上に均等に分布しており、全社は中心地域と周辺地域での立地に大差はないという研究結果
→最近では、中心地域と生産者サービスの専門特化には高い相関性がある
→生産者サービスの置かれる場所が集積するのは、他の生産者サービスとの近接性が重要
・技術の発展・・・消費と生産は時間的にも空間的にも切り離され、モノの生産のように、サービスが生み出される場も一か所に集中するようになった
⇔集中が進む一方で、地理的な分散も進んでいるという二重の傾向
・グローバルシティの諸機能・・・技術・規模・経済の組織構造から考える必要性
・どこに本社を置くか…情報の多様化による質の問題

◆金融は空間的にどう構成されるのか
・金融市場・・・サービス市場での価値の特徴と異なる、政府の規制に大きな影響を受けている
→規制、制約の多様化が金融の技術革新が生み出されるようになった
・金融の特徴・・・➀国家の規制の制約、➁産物がモノではないため可動性が高い

†金融サービスの国内立地パターン
・規模と多角化の変更
・トップ企業の依存・・・空間的な集約
・地域特化の経済・都市化の経済・・・例:ロンドン

†デジタル化時代―分散より集積?
・金融業が急成長した結果による、特定のセンターに企業や市場の集積
・金融の集積が起きている都市の減少⇔グローバルなネットワークに組み込まれる金融センターの増加
 
・地理的に分散化が可能であるはずなのに、主だった金融センターの市場占有率の増加
 なぜなのか?
➀社会的に連続性と中心機能の重要性
 筆者の研究によると、
  (1)情報技術の恩恵を最大限に活かすためにはインフラ以外の資源も必要である
  (2)一般化されていない入手困難な情報の入手には、社会的インフラが必要である
→専門知識・技術と社会的な結びつきが金融センターにあるため、技術によって可能になるつながりを企業ないし市場は最大限活用できる

➁国境を超えるネットワーク
 ・グローバルな市場統合による重複システムの廃止・・・協力体制の複雑化、金融センターの重要化
→こうした中、金融センターを越境的に結ぶ新しいタイプの「合併」が生まれる
  (1)一握りの市場のみを結びつける複数の電子ネットワークが統合されるもの
  (2)金融市場の間で築かれている戦略的な提携
⇒金融センターは単に競合しているわけではなく、互いに協調しあい、分業が成立している

◆中心性が作られる新しい形態
・地理的な分散を可能にする組織形態や技術⇔先進国の経済システムには中心が存在
 ↓その背景とは…
・企業の3つの立地パターン
 ➀複雑な契約や下請け、ネットワーク化された供給者を必要としない、専門特化した製品やサービスを売る企業・・・システムの統合を維持できる範囲での立地
 ➁グローバル経済に深く関わっており、かつ複雑な本社機能をもつ企業・・・生産拠点への集積が有利に働き、ネットワーク化が進んだサービスセクターがあれば立地はどこでもいい
 ➂サービス企業の非常に専門特化したネットワーク・・・同業他社との密接な関係から抜け出すことができず、場所に縛られている

・再編された中心地の地理的な4つの形態
 ➀商業中心地区
 ➁中心の広域化、脱領域化
 ➂領域に縛られない「中心」、一部はデジタル空間
 ➃電子空間

◆まとめ
・現段階での金融業の特徴・・・専門サービスが生産に必要な中間投入財として成長してきたこと
              国内外の企業・政府が専門サービスを買える市場が発展したこと

問題関心・・・➀生産者サービスの空間がどう構成されているのか
      ➁生産者サービスが都市とどう関係付けられているのか

要点
➀都市では専門特化が進み、集積の利益が成り立っているため、都市への立地が好まれるようになった
➁生産者サービスの生産・供給に関わる新しい情報技術は重要性を増してきているが、その結果、地理的分散だけでなく再び集積が起きている
→活発な社会的つながりから構成される緊密なネットワークの重要性
➂主要な生産者サービス企業はグローバル企業にサービスを提供しているため、都市のネットワークの中で事業を展開することが増えている

◆論点
 本章では生産者サービスの発展や立地の変化、専門特化について見てきたが、そのような変化と人々の移動や生活、労働環境にはどのような影響があったと考えられるだろうか。また、人々がそのような変化を感じる機会はあるだろうか。
(前回の製造業の場合と比較したり、これまでの議論を思い出しながら考えてみたりしてもいいかもしれません。)
2015-06-18 16:09 : 『グローバル・シティ(サッセン)』(15年度前期大学院ゼミ) : コメント : 0 :
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