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グローバル・シティ 第8章 雇用と所得

第8章 雇用と所得

三都市は一つの物語を共有しているのか?

70年代 ニューヨークとロンドン: 雇用者が大幅減り、生産者サービスと金融が成長
    東京:雇用が安定していたが、製造業の雇用の減少が著しい
    三都市共通:製造業が後退(ある産業が成長)、
          政府の財政危機(政府の雇用減少)
ニューヨーク
1960年以来
 1雇用の喪失を伴う、製造業の大きくな衰退が挙げられる。
 2多くの本社がなくなり、結果的にオフィス業務が大幅に減った。
 3財政状況の急速な悪化。
 4マンハッタンに集積している金融サービスと生産者サービスの急激な成長。

二つの大きな傾向がはっきりと現れてきた。
 1製造業の撤退。
 2生産者サービスの急速な拡大。

  製造業が衰退した原因(ロンドンと共通)
  1成長期における土地不足や製造業に適した土地がみつからなっかた。
2道路ができたことで、都市の中心としての比較優位性が下がってしまった。
3職業の中の特定の部門が弱点を抱えていたため、土地や資源をめぐる他の経済部門との競争力が弱まった。
  4国際的、政治的、経済的そして技術的状況が変わったことで、都市への大規模な集積を起こした諸要素は、1960年代後半にその妥当性と重要性を失っていった。

  対照的に、ニューヨーク全体はサービス関連職の数は増えていた。中にはすべての経済活動(特にFIRE)がマンハッタンに極端に集積している。

ロンドン
1960年以来
 1、かつて軽工業の重要な拠点であるが、1985年までに製造業での雇用が80万も失っていった。
 2、20年の経済停滞の中、雇用と人口が減っている。
 3、1984年から、金融と生産者サービスを急成長した。

製造業の衰退の原因(複雑)
 1国際競争の激化、また工業の近代化への投資不足による生産性の低下。
 2工業生産で広大なスベースへの要求が高まった時期に、場所と土地が不足していたため、拡大に歯止めがかかった。(ニューヨークと共通)

製造業の衰退の中、高賃金で付加価値の高い職業が好調である。(印刷、ハイテク、通信産業)

イギリスとロントンの雇用変化について、1970年代後半以後の衰退深刻だった。サービス業ロントンの方が安定している。イギリス全体の方が増えっている。80年代を入ると企業者と個人向けサービス業の雇用を増加した。銀行と金融の雇用も増え、ロンドン市内に集積している。その結果、ロンドン市内で他の部門(卸売、小売と他サービス)で働く者の割合は少なくなっている。

地理的な分散も、サービス職に影響を及ぼしてきた。変化の原因は都市全般に当てはまるものがあり、ロンドン特有のものもある(南東部)。

東京
特徴:政府の役割が大きい
1950年代、政府は重工業と化学工業の規制を始め、製造業は全体的に後退していた。
1970年以後、雇用の安定期に入った。ニューヨークとロンドンに比べれば、製造業における雇用喪失それほど目立たず、FIREの急成長も見られなっかた。
1980年代、政府は都市の再編を大きな役割を果たした(三全総から四全総へ)。東京は大きな変化したが、全体的な雇用状況から把握することはできない。都市構造再編に伴い、コストが製造業の成長を急激に圧迫するようになるにつれ、高度サービス職による土地利用が増加した。問題としては都市機能が集積し過ぎ、土地利用の違いから関係者の間に摩擦が生まれている。
1977〜1985年、生産者サービスは71%を拡大した。
1986〜1996年、FIREは25%以上成長した。
1990年代後半には、全産業に対してサービス産業が占める割合が、東京の商業中心地区では77%にまでなった。東京は製造業からサービス産業中心へ変容した。

賃金
背景(二つの傾向)
1賃金格差の拡大
考えられる要因:教育への報償、スキルに応じて格差、テクノロジー、人口学の変化(働く女性の増加、ベビーブーム世代の成人化による若年労働者の増加)、経済部門の転換、賃金分布における格差拡大

2最も急速に拡大するサービス産業のなかに、低収入と高収入の仕事が極端に集中している
生産者サービスの拡大によって、従来の労使合意などの、制度的枠組みを壊れつつである 。国の制度の是非も取られる
低賃金労働が増えている背景には、成長部門での臨時労働の職種の増加がある
仕事のスキルの高さと関係なく、高いと低い両方増加している
ニューヨーク

アメリカ全体の統計をみると、賃金格差が広がっている。さらにニューヨークが著しい
明白である。賃金分布のトップ層の賃金上昇し、ボトム層の賃金減少し、さらに二極化している。結果、製造と非製造、マンハッタンとニューヨークの他の行政区、企業者サービスと他のサービスの間にギャップができている。

ロンドン

イギリス全体は製造業よりも、金融と専門サービスなど活発な経済部門で賃金格差が開いている。ロンドンにおいて、職業を問わず、賃金についてイギリス全体より圧倒的高い。また、単純労働と専門職の賃金の差も、同じくらい目立っている。イギリス全体もこうしたギャップを見られる。
ニューヨークと違い、社会的な二極化が進んでいるとはいえない。イギリスとロンドンの場合、賃金格差が広がったとはいえ、全集団が実質的な増収を経験した。

東京

賃金格差が拡大しているが、ロントンとニューヨークと比べるとその差が小さい。東京の場合、景気のブレを関わらず、最も高い月収を得ていたのが金融・保険で働く男性であった。賃金格差は各行政区と時代背景の違いにより、変化している。景気のブレと関係なく、専門職の拡大は長期にわたって見られる傾向である。

賃金と格差

問題の検証
1格差と二極化というグローバル・シティに内在する問題
サッセン強調したいのは、二極化の問題は格差拡大に止まらないという点である。つまり、所得の多い少ないによって仕事と家族のあり方に新しい高度専門職層と最下層との間の差が開き、その結果、社会の形が変わっていくということです。

2 グローバル・シティとグローバル・シティ以外の英米諸都市の間にある格差
活発な経済、なかでも生産者サービスが伸びたことで高度成長を遂げている都市では、低所得者層の平均所得が増えている。一方、生産者サービスではなく、製造業中心の都市では逆に、所得の中央値は低下し、経済も停滞した。
生産者サービスへの移行が格差を生み出す原因の一つだと考えている。さらに、その生産者サービスは、都市の専門特化から生じたものである。
広いで見れば、生産者サービスへの地域的な特化が家計収入を平均以上に引き上げ、他地域との差が開いた。
階層化された都市システムのランクを付く場合、低所得労働を見るときに、どのように構成されているか重要な論点である。高度成長期を遂げている部門も低所得労働をもっと多く生み出している場合もあるからだ。
他の都市と比べた場合、グローバル・シティであるという状況ゆえに、最底辺層にとってマイナスな状況が表面化しにくい

まとめ
ニューヨーク、ロンドン、東京は、雇用・賃金で似た傾向が見られた。
1製造業が縮小、生産者サービスが伸びた。
2平均給与が最も高いのは金融だが、性別による格差がかなりある。
3専門職とサービス職が激増している。
4パートタイム労働が成長産業を中心に増えている。

ニューヨークとロンドンでは、都市の内部で賃金格差が拡大していたが、東京にはそれほどではない。

三都市における格差はさらに広がって、低所得労働が増えて、所得の二極化が進んでいる。

<論点>
「正社員登録 助成を恒久化 政府方針「1人50万円」増額も」讀賣新聞 2015.07.19朝刊より

皆さんこの新聞を見って、この行政の動きはどう思いますか。良かったのか、物足りないなのか、それとも無駄なのか。なぜ?この方針は今後の日本に対してどのような影響を予想ができますか。(正社員vs非正規雇用)

<班の議論>
【第2グループ】
私たちのグループではまず、「キャリアアップ助成金」という政策が打ち出されたその背景について、国・産業(企業)・個人の観点から考察した。国家レベルでは福祉国家の衰退、新自由主義の台頭にみられるような、国家による社会・経済への最小限の介入、そして社会保障制度の縮小が挙げられた。また、リーマンショック以後の不況も大きな影響を及ぼしているという意見が上がった。次に産業(企業)レベルでは、年功序列・終身雇用制度の崩壊による非正規雇用の拡大(フリーターやパートの増加)、それに伴う労働組合の弱体化に関する意見が最も多かった。そして、規制緩和に伴う民営化(privatization)によって企業が幅をきかせ、雇い止めや不当解雇が横行していること、また、本文にあったように製造業の衰退に代わるサービス業の増大とサービス業従事者の低賃金化が挙げられた。個人レベルでは、正規雇用と非正規雇用の収入の格差、不況による生活の負担感、そして人々が組合やコミュニティから切り離され個人が断片化し、これらによって人々の中で不安感が高まっているという意見で一致した。
次に、このような背景を踏まえて「キャリアアップ助成金」という政策がどのような影響をもたらすかについて議論をした。しかし、上がるのはこの政策に対する疑問ばかりであった。多くは1986年の施行以来規制緩和され続け、非正規雇用を押し広げてきた「労働者派遣法」に対して有効性を持つのか、従来の国の政策と矛盾があるのではないかというものである。また、非正規雇用労働者が正規雇用労働者になる条件は何なのか、だれが正社員になれるのか、企業に渡った助成金は本当に労働者に還元されるのか、といった疑問が挙げられた。「キャリアアップ助成金」の利点としては、国が現在の不安定な労働市場に対して動きを見せたことで、今後非正規雇用の形態が改善される契機になるのではないか、という希望が見いだせる可能性もあるという意見のみであった。
議論の結果、「キャリアアップ助成金」は格差や分断が広がる労働市場に対して、何の影響力もなく、依然二極化は進行するだろうという結論に至った。非正規雇用を減らすためには、より抜本的な改革を行わなければ何も変わらないという意見でまとまった。

≪総合司会コメント≫
第8章ではニューヨーク、ロンドン、東京の三都市における経済基盤の変化が、それぞれの職業分布と賃金分布に着目して説明される。
1950,60年代までは、製造業に牽引されたフォーディズム都市が大量生産・大量消費そして規模の経済の増大を可能にした。また、この時代は労使合意に代表されるような、よく行き届いた手厚い制度的枠組みが機能していた。しかし1970,80年代になると、このような社会,経済のかたちは大きな転換期を迎える。すなわち、製造業からサービス産業への大転換が行われたのである。製造業は撤退し、金融・生産者サービスに支えられた急激な成長という新しい段階に入った。三都市では雇用者数が全体的に大幅に減少し、深刻な金融危機を経験した。そしてその対策として、公的サービスと行政サービスが削減された。また、経済基盤の変化によって賃金格差の拡大が生じた。都市の専門特化から専門職の給与は引き上げられる一方、サービス職の給与は低くなるばかりである。製造業従事者の所得は減り、レイオフは頻発、労働組合があって所得もそれなりに得られた工場の閉鎖が続いている。サービス経済に全体的に移行したことで、製造業を基盤とする経済よりもっと低賃金労働が増えている。このようなプロセスが重なり、所得の二極化が進んでいるのである。
現在、日本においては福祉国家が衰退し、ポスト・フォーディズムの時代を迎えた。労働派遣に対しても規制緩和が行われ、正規雇用市場は縮小している。このような中で政府は「キャリアアップ助成金」という、非正規雇用の労働者を正規雇用へと転換した企業への助成制度を拡充する方針を打ち出した。今日の授業では、この「キャリアアップ助成金」という政策が何故今、この時期に提言されたのか、そしてこの政策によって今後何か変化はあるのか、について二つのグループに分かれ、議論を行った。
その結果、両グループ共に、この政策が実際に非正規雇用労働者のなかでも、本当に正社員になることを望んでいる人に適応されるのか(誰に適応されるのか)、また「労働者派遣法」が施行されている中で果たして成果が生まれるのだろうか、などの疑問が上がり、「キャリアアップ助成金」という政策は現在進行し続けている社会、経済の二極化を抑制するものとはならない、という結論に至った。
賃金をいかに下げていくかを競うグローバリゼーションの流れの中にあって、正社員のみで会社を運営していくことは、コストがかかり過ぎて生産現場を日本に置いておけなくなるため、さらに失業者を生み出すこととなる。やはり一定数は非正規雇用労働者を登用せねばならないのである。問題はその割合であり、それを決めるのは非常に困難であるが、我々が向き合っていかねばならない課題である。また、福祉国家の衰退により手薄くなった各種の社会保障制度を代替する組織や制度をいかに生み出していくかということも、同時に極めて重要な課題であると考える。

2015-07-27 17:55 : 『グローバル・シティ(サッセン)』(15年度前期大学院ゼミ) : コメント : 0 :
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