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『都市社会地理学』 第7章 レジュメ

『都市社会地理学』
第7章 近代アーバニズムの社会的特性



本章の課題
・西洋社会の都市に対する基本的な見方はどういうものか
・都市の生活は人々のアイデンティティ意識にどのように影響しているか
・社会ネットワークはどのように構築されるか
・シカゴ学派の人間生態学とは何か
・シカゴ学派の研究は、多くの批判にもかかわらず、なぜ大きな影響力があったのか
・ジンメルの考えは都市の社会関係の研究にどのように影響したか

地理学者の目的…空間的分化の特性と原因を解明すること
→人間と環境の相互関係を明らかにすること―個人、社会集団、物理的・社会経済的環境の相互作用を考察すること―も重要な仕事のひとつ。

都市の空間的秩序は、都市の「超構造」を背景にして初めて適切に理解できる。


7.1西洋文化における都市生活
人間と環境の相互関係に対する伝統的見解→概して否定的
都市生活についての世論や理論…きわめて決定論的であり、都市生活の病理を強調
そしてそれを都市環境の特徴のせいにしている

●都市は「必要悪」…人々は農村での生活に憧れを抱きながら、実際には都市を志向
→高い生活水準を求めて
●都市は「舞台」…人間ドラマやライフスタイルを演じる場

都市の多様性:人々を外の世界へ向かわせ、他者性の経験をもたらす
→この特質が社会を刺激的に
→文化は流動性と動態性を帯びる
       ↓
結果として、都市のイメージの累積化  ex)多様性の見本としてのN.Y.

●都市の相反するイメージ(Fischerによる)
 田園:自然 親しさ    コミュニティ 伝統
 都市:人為 よそよそしさ 個人     変化

これらの対は「緊張状態」…一方が「良く」他方が「悪い」とは言いがたい
→選択のジレンマ/選択した方により都市派・反都市派が分かれる

7.2 アーバニズムと社会理論
古典的社会学→(環境)決定論的視点により、産業革命によって出現したアーバニズムや都市化の社会的心理的意味を解釈しようとする
核心:社会の規模と「道徳秩序」の結びつけ
 前産業社会の人口集団…様々な共通点、似通った価値観・規範
 都市の住民…「動的密度」を持った人口
     多様化による社会との合意・統合の弱まり→「合理的」な社会を求め、形式的な統制の増加

→シカゴ学派による発展
(Park・1916)「接触するけれども互いに浸透しない小世界のモザイク」
→ワース理論:アーバニズムの原因→都市化進展による3つの要因の相乗効果
1. 人口規模の拡大
2. 人口密度の増大
3. 人口の異質性あるいは分化の増大
 …個人レベルへ置き換えると
    多様化した社会環境の中で膨大・多彩な社会的心理的刺激にふれる
→「典型的」な行動…刺激対処のため人間関係を感情的に抑制
→それでも都市の強烈な刺激により「精神的過重」=不安・緊張
→個人間間の絆が弱まっていることにより孤立無援・自己中心的な行動の抑制がきかなくなる
→社会不適合や神経症、あるいは逸脱行動に走る人が増加

社会集団の専門化・断片化→時間・関心の分断
→第一次社会集団による支援や統制の弱まり…社会秩序の欠如・「社会解体」
しかし、社会からの対応は…「合理的」で非人格的な手続きや制度への置き換えのみ
       ↓
 「アノミー」の発達・社会規範の混乱・弱体化
*合理的手段では、共同体内における繊細な秩序は置き換えることができないため

都市生活の公的世界と私的世界
・ワース理論の研究結果の相矛盾
―援助性の研究・紛争の研究 社会的紐帯の研究・心理状態の研究―
前二者は支持、後二者は否定する傾向
しかしそれぞれの結果は妥当
●整合方法→都市環境の概念を再考し、公的領域と私的領域に都市生活を区別すること
(Sennett・1990)「都市は露出に対する大きな恐怖を反映」
         「我々が都市に造るのは口当たりの良い中和された空間」
   公的世界:「異質な」集団への恐怖・不信
   私的世界:影響なし
   →隣人同士の不信・疎遠などで特徴づけられるものではない
ゆえに、アーバニズムには「道徳秩序」と「社会解体」の両方が含まれる

自我―私的世界と公的世界におけるアイデンティティと経験
・自己と「他者」の見分け…きわめて地理的な問題
→「可知の主体」=我々の意図と主観は、地理的に仕切られた社会関係と直接体験に根ざすから
             ↓
我々の「自己」は他者によっても構築される
さらに他者が期待する意味・役割・アイデンティティに適応しなければならない
               ∥
「偽りの自我の構築」(Miller)…自己の抑制・再構築のプロセス
    =可知の主体形成にむけた第一歩

・ポストモダン的感性への動き
・多様な社会文化的文脈から選択する人々の能力  → 文化ダイナミクスの重要性

7.3都市の社会的相互作用と社会ネットワーク
社会ネットワーク分析:個人を点とみなし個人間の関係を連結線で示すことで、社会的相互作用の構造を描くもの。人間関係の地図化。

利点…分析対象を限定しなくてよい
    「結合度」「中心性」などの特性も計量化

緩い紐帯~堅い紐帯の連続←しかし結合の操作的定義が難しいという現実的な問題
「自然隣人」を中心にした自助ネットワーク(反ワース理論)

社会的相互作用の形成要因およびその結果としての都市形態
人間生態学…都市を一種の社会有機体として捉えることに特徴
 「生存競争」による個人・社会の支配
●非人格的競争…人々のセグリゲーションを招く(場所・状況の地代負担力に応じ)
→特定集団の局地的優占―進入・占拠・遷移の概念

●Berry&Kasardaによる3つのタイプ
1・競争・優占・遷移のプロセスとそれが空間分布に与える影響に焦点をあてた研究
2・「自然」地区の物理的特徴を、その住民社会の特徴とともに詳述した研究
3・非行・売春など特定の社会事象を生態学的文脈から捉えた研究

生態学アプローチに対する批判
生態学的研究への批判←文化や動機付けの要因の排除が甚だしい(Firey・1945)
社会空間の編成の基盤…非人間的・経済的競争>社会的価値観
  主観的世界への視点の変化←伝統的人間生態学の不適切な扱いが原因

再定式化
Hattによる自然地区概念の再定式化→特有の社会特性をもつ同質の人口集団からなる地域
「自然地区」→「社会地区」「近隣類型」

さらにコミュニティ内の機能的相互依存が強調されるように
…「都市の内部構造分析のための概念的統計的枠組み」としての人間生態学

都市環境における社会的相互作用
●ジンメルの教示:社会編成の本質は個人間の相互作用の形態に見出せるという指摘
 相互作用の性質と強さに関する特性←地理学者の関心

・第一次関係…親族関係・友人関係
さらにその中でもいくつかに区分が可能
・第二次関係…特定の目標の達成のために集まった個人
「表質的」相互作用と「手段的」相互作用とに区分

社会的距離と物理的距離
社会的距離:人々が許容する社会関係の順位尺度を反映
一般論…社会的距離が小or物理的近接性が増→相互作用の可能性が大に
※しかし相互作用の質にある程度依存する
     ↓
最終的な合意はない

●収縮する世界
 個人のモビリティの向上→距離の制約が急速に減少
 経済組織・社会的価値観の変化→近隣社会の衰退
 ―4つの近隣衰退要因
①情報や意見の出所の多様化
②地域の境界を越える交通の発達
③隣人とふれあう気持ち・また能力の低下
④社会サービスの向上と経済保証の増大
     ↑
居住地の近隣は多くの素材を社会生活に提供している
社会経済的尺度の頂点と底辺の集団…もっとも隔離されている

今後居住地セグリゲーションの社会文化的基盤をさらに調べてゆくことが必要




■論点■
・ワース理論は今現在の社会にも当てはまっているといえるか。
 言えるなら、その流れが止まらないのはどうしてか。

・社会的距離と物理的距離は同列に補いあえるものなのか。
 Ex) 遠くの親戚より近くの金持ち

2006-07-04 14:35 : 『都市社会地理学』(06学部ゼミ) : コメント : 0 :
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